とり・みき 1995年 ちくま文庫版上・下巻
こないだのユリイカ増刊号の江口寿史特集に、他のマンガ家から寄せられたメッセージの掲載順の最初のやつが、とり・みきだったということで、そのつながり。
「白い原稿用紙」と題されたその文章のなかで、とり・みきは、自分がデビューしたとき既に江口が“パイレーツ”で人気マンガ家だった状況のなかで、「いきおい、江口寿史は僕の当面の仮想敵になった」と語っている。
いいねえ、その若さあふれる闘志が。一歩ひいて冷静にみれば、中上健次が村上龍に感じ、村上龍が村上春樹に対して感じた「おまえが出てきて俺はラクになった」みたいな関係があるんぢゃないかと思うんだけど。
さて、それはいいとして。
当時、チャンピオンでデビューしたころのとり・みきを読んでなかった私としては、たぶん本書が初めての、そしておそらく長いあいだ唯一のとり・みきだったような気がする。
初出は1985年7月から1986年11月にかけて、“今は亡きマガジンハウスの雑誌「平凡パンチ」に連載”(←下巻の「文庫版あとがき」から)されてたということだが、当時の私がそれを購読してたってことはない。
でも、この文庫が出たとき、「あー、これ、おもしろいんだ、“イタイ話”とかあるやつね」と思って、喜んで買ったような気がする。
どこでどう触れていたのかは全然思い出せないけど、まあどっかで出会ってたんだろう、このマンガとは。
イタイ話をはじめとして、エスカレートしてくうちに路上学会にまで招かれる「オジギビト」とか、このマンガのなかで展開されてるシリーズの数々は、けっこうおもしろい。
あとは、なんか事件があると片っ端からテレビ報道を録画して編集したりする著者の趣味を明らかにしてるのも、この本のなかにあるし、そういうのが好きだからか、いろんなひとに取材してまわり、それをどちらかというと淡々とした態度でレポートしてる、このマンガでの採りあげ方は、どれもおもしろいと思う。
いままで「好きな本」として、とっくにここに挙げとくべきだったのを、機会逃してたのが自分でも不思議なくらい、お気に入りのマンガではある。
(上巻)
愛のさかあがり(Another Mix Version)
ACT1 愛の旅立ち
ACT2 ハチ公前に愛を見た
ACT3 寄生虫館の少年達
ACT4 そんな時代じゃないと大竹くんは語った
ACT5 奇跡の広告たち
ACT6 大鳥居の下SFは集った
ACT7 溶岩の島
ACT8 マラソン婆さんの怪
ACT9 築地のあたまライス
ACT10 狂乱のテレビ三昧の日々
ACT11 愛の金縛り パート1
ACT12 愛の金縛り パート2
ACT13 愛の金縛り パート3
ACT14 恐怖の心霊写真
ACT15 騒乱の環八ゴジラ
ACT16 編集者デスマッチ パート1
ACT17 コジマ君のアンケート
ACT18 真実のハッピーバースデイ
ACT19 イタイ話
ACT20 イタイ話 パート2
ACT21 追憶の温泉ツアー(前篇)
ACT22 謹賀新年のイタイ話 パート3
ACT23 追憶の温泉ツアー(中篇)
ACT24 追憶の温泉ツアー(後篇)
ACT25 街角のオジギビト
ACT26 ウンコの日
ACT27 イタイ話 パート4
ACT28 街角のオジギビト パート2
(下巻)
ACT29 イタイ話 パート5
ACT30 街角のオジギビト パート3
ACT31 星に願いを
ACT32 ちょっと貧しいイイ話
ACT33 落ちる人々
ACT34 街角のオジギビト パート4
ACT35 イタイ話 パート6
ACT36 サファリの興奮
ACT37 ちょっと貧しいイイ話 パート2
ACT38 路上の観察者たち
ACT39 サラマ・ポ・ピリピノ
ACT40 ご近所のレプリカント
ACT41 ご近所のレプリカント パート2
ACT42 ちょっと貧しいイイ話 パート3
ACT43 人妻のイタイ話
ACT44 その後のオジギビト
ACT45 さすらいのマジュロツアー パート1
ACT46 さすらいのマジュロツアー パート2
ACT47 田北君の話(前編)
ACT48 田北君の話(後編)
ACT49 最後のイタイ話
ACT50 さすらいのマジュロツアー パート3
ACT51 電話の話
ACT52 ただ本当の話
ACT53 最後のオジギビト
ACT54 ナイスの人
ACT55 ご近所のレプリカント達の明日
ACT56 愛よさかあがれ
こないだのユリイカ増刊号の江口寿史特集に、他のマンガ家から寄せられたメッセージの掲載順の最初のやつが、とり・みきだったということで、そのつながり。
「白い原稿用紙」と題されたその文章のなかで、とり・みきは、自分がデビューしたとき既に江口が“パイレーツ”で人気マンガ家だった状況のなかで、「いきおい、江口寿史は僕の当面の仮想敵になった」と語っている。
いいねえ、その若さあふれる闘志が。一歩ひいて冷静にみれば、中上健次が村上龍に感じ、村上龍が村上春樹に対して感じた「おまえが出てきて俺はラクになった」みたいな関係があるんぢゃないかと思うんだけど。
さて、それはいいとして。
当時、チャンピオンでデビューしたころのとり・みきを読んでなかった私としては、たぶん本書が初めての、そしておそらく長いあいだ唯一のとり・みきだったような気がする。
初出は1985年7月から1986年11月にかけて、“今は亡きマガジンハウスの雑誌「平凡パンチ」に連載”(←下巻の「文庫版あとがき」から)されてたということだが、当時の私がそれを購読してたってことはない。
でも、この文庫が出たとき、「あー、これ、おもしろいんだ、“イタイ話”とかあるやつね」と思って、喜んで買ったような気がする。
どこでどう触れていたのかは全然思い出せないけど、まあどっかで出会ってたんだろう、このマンガとは。
イタイ話をはじめとして、エスカレートしてくうちに路上学会にまで招かれる「オジギビト」とか、このマンガのなかで展開されてるシリーズの数々は、けっこうおもしろい。
あとは、なんか事件があると片っ端からテレビ報道を録画して編集したりする著者の趣味を明らかにしてるのも、この本のなかにあるし、そういうのが好きだからか、いろんなひとに取材してまわり、それをどちらかというと淡々とした態度でレポートしてる、このマンガでの採りあげ方は、どれもおもしろいと思う。
いままで「好きな本」として、とっくにここに挙げとくべきだったのを、機会逃してたのが自分でも不思議なくらい、お気に入りのマンガではある。
(上巻)
愛のさかあがり(Another Mix Version)
ACT1 愛の旅立ち
ACT2 ハチ公前に愛を見た
ACT3 寄生虫館の少年達
ACT4 そんな時代じゃないと大竹くんは語った
ACT5 奇跡の広告たち
ACT6 大鳥居の下SFは集った
ACT7 溶岩の島
ACT8 マラソン婆さんの怪
ACT9 築地のあたまライス
ACT10 狂乱のテレビ三昧の日々
ACT11 愛の金縛り パート1
ACT12 愛の金縛り パート2
ACT13 愛の金縛り パート3
ACT14 恐怖の心霊写真
ACT15 騒乱の環八ゴジラ
ACT16 編集者デスマッチ パート1
ACT17 コジマ君のアンケート
ACT18 真実のハッピーバースデイ
ACT19 イタイ話
ACT20 イタイ話 パート2
ACT21 追憶の温泉ツアー(前篇)
ACT22 謹賀新年のイタイ話 パート3
ACT23 追憶の温泉ツアー(中篇)
ACT24 追憶の温泉ツアー(後篇)
ACT25 街角のオジギビト
ACT26 ウンコの日
ACT27 イタイ話 パート4
ACT28 街角のオジギビト パート2
(下巻)
ACT29 イタイ話 パート5
ACT30 街角のオジギビト パート3
ACT31 星に願いを
ACT32 ちょっと貧しいイイ話
ACT33 落ちる人々
ACT34 街角のオジギビト パート4
ACT35 イタイ話 パート6
ACT36 サファリの興奮
ACT37 ちょっと貧しいイイ話 パート2
ACT38 路上の観察者たち
ACT39 サラマ・ポ・ピリピノ
ACT40 ご近所のレプリカント
ACT41 ご近所のレプリカント パート2
ACT42 ちょっと貧しいイイ話 パート3
ACT43 人妻のイタイ話
ACT44 その後のオジギビト
ACT45 さすらいのマジュロツアー パート1
ACT46 さすらいのマジュロツアー パート2
ACT47 田北君の話(前編)
ACT48 田北君の話(後編)
ACT49 最後のイタイ話
ACT50 さすらいのマジュロツアー パート3
ACT51 電話の話
ACT52 ただ本当の話
ACT53 最後のオジギビト
ACT54 ナイスの人
ACT55 ご近所のレプリカント達の明日
ACT56 愛よさかあがれ