many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

トンデモ本の世界

2009-02-05 21:11:46 | 読んだ本
トンデモ本の世界 と学会 1999年宝島社文庫版
トンデモ本の逆襲 と学会 2000年宝島社文庫版

元はといえば唐沢商会(唐沢なをきのマンガ)が好きな関係で、トンデモ本を集めたこういう本にもたどりついた。
トンデモ本の定義とは、「著者が意図したものとは異なる視点から読んで楽しめるもの」ということで、著者は大まじめで笑わす気はないのに、常識ある人が読むと笑っちゃうものを指している。
なので、それらを集めているこの本も、楽しむことが重要で、あげ足とりすることが目的ではない。
とりあげられているのは、UFOがどうしたとか、アインシュタインの理論は間違ってて俺は正しい、みたいな、確かにとんでもないもの。
で、私はそういう本を集めたくて、これをガイドブックにしているわけでもなんでもなくて、ただ面白がってるだけ。
っていうか、いまこれは寝る前に読んでる。
夜、布団にはいってから本を読むのは昔からやってたけど、以前とちがって読書っていうより、寝つくために何かを読むという習慣ができてきちゃったんで、その一環。
最近、ほかに寝る前に読むのは、雑学よせあつめた本とかが多くなってる。なんというか、一章ごとが長くなくて、どっからでも読めて、そんなに難しくなくて気楽で、読んでてこちらの感情が動かない→要は眠くなりやすい、そういう本を利用している。
ただし、トンデモ関係は退屈ぢゃなくて、たしかに面白いんで、ほかのシリーズも持ってるくらい好きだけどね。


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選挙制度

2009-02-04 20:30:04 | 読んだ本
サブタイトルは「民主主義再生のために」
小林良彰 平成6年丸善ライブラリー

昨日の続き、受験とかの話が出たんで、学生んときしてたこととか。
これは、卒業後に出たものだけど、まあこういうものを読んでました。

この本は1994年の政治関連法案の成立により、日本の衆議院選挙が小選挙区に変わるという、歴史的転換点を迎えたタイミングで、選挙制度について書かれています。
選挙制度の分類と、各国の制度の紹介・比較に紙幅が割かれていますが、後半の選挙制度の問題点と改革、提言こそがテーマといえるでしょう。
どのような制度が、(政治家にとってではなく、)有権者にとってプラスなのかという視点で考えることの重要性が語られています。
具体的な選挙制度については、「定数自動決定式比例代表制」が提案されています。選挙区ごとの定数をあらかじめ決めるのではなく、選挙区ごとの得票に応じて、各選挙区に議席数を配分します。これなら、人口だけからみた一票の格差ではなく、投票数の多いところから議員がそれなりの数で選出されるという形で、格差が是正されるので、投票する有権者にもモチベーションが与えられます。賛成!

いつも思うのですが、頭のイイひとの書いたものというのは、論旨が明快なので、読みやすいです。こっちまで頭よくなったような錯覚を起こさせられます。


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人間における勝負の研究

2009-02-03 10:16:38 | 好きな本
米長邦雄 昭和57年祥伝社

きのうの続き、将棋つながり。
最も好きな棋士でした。現役引退しちゃいましたが、いま将棋連盟会長やってます。
この本は、好きな本です。持っているのは昭和60年の23刷なんで、はじめて読んだのはそのころでしょう。
大学入試のとき提出した書類に、好きな本三つ書けってのがあって、そこへ書いた記憶があります。(あと2つは忘れた)
これに関しては、若い頃に読んだせいか、きのう書いた本の感想とかとは違って、書いてある中身を素直に受け取ってます。結果、私の生き方に(ものの考え方に)ダイレクトに影響を与えています。

この本に書いてあることで、いちばん有名なのは、「米長哲学」と呼ばれ、私なんかだけぢゃなくて、将棋界全般に知れ渡って実践されていることです。それは、
>一生のツキを呼ぶとか、何年間かのツキを呼び込む大きな対局とは、実は自分にとっては一見、何の影響もない一番、その勝敗が自分の進退には直接影響がないけれども、相手にとっては大変な意味を持っている勝負
>そういう一番にマアマアで負けると、負けグセがついてしまい、運も逃げてしまう
というやつ。運を呼び込むにはどうするかという具体的な方法。
自分が勝ったら優勝というような勝負よりも、相手は勝ったら優勝だけど自分は勝っても負けても順位が変動しないとか、相手は負けたら引退に追い込まれるけど自分は勝っても負けても安泰とか、そういう勝負に全力を注ぐ。なぜなら、一対一の勝負なんで、相手には一生の運命がかかってるなら、こっちにも同じだけのものがかかっているはずだから、というのがその理屈。これは、まったくもって、正しいと私は思います。

ほかにも、大事なことほど簡単に決めるっていうのも、私は現実で役立ててます。
すごく重大な問題だから、簡単に決められないと長々と悩んでるうちにチャンスは逃げてってしまう。そうぢゃなくて、少しでも現在の自分にとってプラスだと判断できたら、そこで手を打つべし。いまの自分の持ち点が50点だとして、55点とか60点になる選択があったら、それを選ぶ。80点や90点のものが欲しいと思って見送ってるうちに、自分の持ち点は30点とかに減ってしまい、60点のものにも届かなくなってしまうかもしれないから。
世の中、最善のものってなかなか見つからないけど、最悪の状況に転落しちゃうことはいくらでもある、そんななかでちょっとでもいいものがあれば決めちゃう。これって結構わかりやすくて、あんまり間違いがないと思うので、実際私は致命的な不満がなければ、そこで決めるようにしています。冒頭で大学入試のこと書いたけど、そのときも実はこの考え方で決めました。もっと上を目指すとか、あそこしか考えらんないとか言わないで、最初のチャンスでスパッと決めました。それで間違いはありませんでした。

あと、貸し借り論。
著者は戦前は有数の地主だった家に生まれたんだけど、父親の代で、戦争のときに金目のものを政府に供出したり、戦後の農地改革で土地を取り上げられちゃったりで、没落してしまったと。これを恨んだりしないで、「米長家は、日本国に貸しがある」と解釈しています。なんという楽観? 国がそのうち借りを返してくれると信じて生きているんで、考え方に余裕というか自信というか強気なものがあります。それって、ぐちぐち不平不満を言うよりカッコいいです。
仕事きついわりに給料が安いと思えば、会社に貸しをつくっている。相手に対して怒っていいところでも、こらえて済ませば、それも貸しをつくってる。まわりに借りをつくるより、貸しにまわるほうが上等な生き方だと思います。勝負のあとには、勝っても威張らない、負けても言い訳しない。著者は、(たぶん)その実践によって「さわやか流」と呼ばれてました。

というわけで、実際の私の行動が、ほかの人からどう見えるかは自信ないんですが、この本は人生訓がいっぱい詰まってるんで、ときどき読み返してます。

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構想力

2009-02-02 18:39:10 | 読んだ本
谷川浩司 2007年角川oneテーマ21(って新書)

将棋、好きである。
現役棋士のなかでは、谷川九段好きである。かっこいいから。
かっこいいというのは、将棋の内容がいいってのがひとつ。
駒が前に出てって、キレがある。鑑賞してて楽しい。
もうひとつは、対局姿勢。これは、なかなかナマで見れないんだけど、
その一瞬を垣間見るだけで、日本における他の芸事と同じように、
立ち居振る舞いがピシリと決まる師範って感じで、美しい。

さてさて、だから谷川九段の著書が出たっていうんで、買って読んだんだけど。
残念ながら、この本は、ちょっと期待はずれだった。
たぶんゴーストライターの企画と筆によるものだと思う。
谷川九段の将棋に関する考え方とか、すごくいいこと書いてあるんだけど、
盛り上がってくると、そこで、ちょっと唐突な感じで、
「ビジネスの場合で考えてみよう」とか
「これは教育についてもいえると思う」とか
ってフレーズが出てきちゃう。なんか、そのへんが、
ある特定分野のトップの考え方を披露するから、ビジネスに活かしてください、
みたいなサラリーマン向けの本のつくりになってるような気がする。

特殊な分野の特殊な人の話を淡々と描いて、
そこから何を読み取るかは、読者の自由だと思うんだけどなー。
そういう理解できない人には理解できない、みたいな方が、
むしろ内容に凄味があって、いいと思うんだけど。

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