堀井憲一郎 平成25年1月 新潮文庫
私の好きなライター、ホリイ氏の新刊が文庫で出たんで、即買った。
氏には「東京ディズニーリゾート便利帖」って著書があるのは知ってたんだけど、私には必要ないと思って読まずにいたんだけど。
今回は、文庫のために書き下ろされたらしい。
まあ、冒頭の「家庭内とディズニーランド内では、女性の下知に従え」とかを読んでると、おいおい、そんなことかいと思ってしまうんだが、読み進むにつれて、面白くなってくんで安心した。
全編をとおして、ホリイワールドらしくて、読んでて楽しい。
最近、妙にマジメな感じの新書とか出てたんで、どうなることかと思ってたんだけど、これは、私が週刊誌で欄外コラム読んでてホレたころの、著者のノリが満載なので、めっちゃ面白い。
書下ろしなんで、分量決まってないはずなんだけど、話が脱線(日本語入力の誤変換からズンズン行ったり)するとことか、そーゆーのを含めて、話があっちゃこっちゃ行くスピード感あるし、メチャメチャ楽しい。
タイトルになってる「教訓」についても、ディズニーランドで生じた事象に直結しないものもあったりして、テキトーな感じが、いい。
リサーチ好きな著者のこと、いろんなデータを調べてんのは、予想の範囲内だったなけど。
今回、いちばん面白かったのは、待ち時間をツイートしたところ。
>本日ディズニーシーでオープンした『トイ・ストーリー・マニア!』は10時32分に待ち時間表示が『400分待ち』になってました。(略)
ってツイートの、リツイート件数が6323。
その3時間後の
>(略)400分待ちから3時間経って、13時過ぎに『130分待ち』となる。(略)夕方から並ぶのが賢明
のリツートは189件。
>リアルなディズニー情報を欲しがってる人はそれぐらいのもので、それよりも「ディズニーは混んでいる情報」を世に流したい人がいつもいっぱいいる、ということなんですね。つまり、みんな、リアルな話よりも、イメージとしてのすごさが好きなだけであって、だからどんどん噂は妙なふうに伝わってゆくわけですわ
って、とこは、ものすごく、現在の日本の本質を突いてるよね。
ちなみに、この節の教訓は、『人は自分に直接関係ない「大変な話」が大好きなだけ。』
どーでもいーけど、仕事に行く途中、京葉線に乗ったりすることもあるんだが。
土日の朝7時前に、舞浜駅で降りるひとがたくさんいることに、こんな時間に開いてるのかって驚いたんだけど。
本書を読んで、混んでる日には、入場制限をかけるから、当日券の発売を止めることがある、ってのを知って、そうか、だから開門前でも張り切って行くのか、と気づいた次第。