kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

走りを作る

2009-12-06 | 陸上競技
昨日の練習、ドリルにシーズン中やっていた動きを再度入れました。冬期練習準備期から本格的な冬期に入っていくためです。いつも言われている事ですが、「絶対的な練習」というのは無いと思います。これさえやっておけば絶対に速くなるというものは存在しません。速くなる可能性が高いものをやっていくだけのことです。

この辺りは現場での経験が大きいと思います。単に指導期間が長いだけでなく、情熱を持って考えながら指導をしていく事が重要だと感じています。ここに関して私には絶対的な経験が足りません。だからこそ「話を聞く」という事が必要になってくる。経験が足らないなら他の部分で補うしかないですからね。そういう意味では持つべきは「優れた師」です。私が恵まれているのはこの部分です。師事している方からアドバイスを頂けますし、多くの方から話を聞くことができます。その中の情報を自分の中で整理してシンプルに形に変えていく。元々難しく考えるタイプですから、「高校生に分かりやすく伝える」という部分が大きな課題になります。

またも話が逸れましたが(笑)、準備期はしっかりと基本的な部分をしっかりとやっておきたいと考えてやってきました。夏の練習では短期間(2ヶ月)でやらなければいけませんから、どうしても基本的な動きが定着する前に次の動きに移っていかなければいけません。強化期といっても秋のシーズンで戦うことを意識した内容になります。冬期は最大5ヶ月近く練習が積めます。ここの練習内容によっては次年度の戦いが大きく変わってきます。だからこそ最初の1ヶ月は原点に帰ってきちんとした動きを身に付けていく事が必要になると思っています。これだけでかなり動きはシャープになります。

昨日はそこから少し進めました。たくさんの時間があったわけではないので本数を制限してからの練習になりましたが、変化が見られました。準備期の動きは重心移動が少ないためそれを処理するために若干上に力が逃げます。ここの部分の動きが分かっていて見るほうが我慢できるかかなーと最近思っています。書き始めたら専門的になりすぎるので止めておきますが(笑)。この上に逃げる力を水平方向に変えていく(重心移動を生み出す)事でスピードが上がっていくと考えています。作っていく動きをどうとらえるかだと思います。短距離は「能力」による部分がありますが、積み上げて動きを作っていく事で確実に強くなると思っています。

昨日はその動きに加えて大きくなりつつある動きを修正することにしました。いつの間にか「走りやすい」だけで練習をしていましたが、動きをコントロールする必要があります。ここをきちんと修正していく事で加速段階の動きを改善していこうと思っています。うちの選手はDVDで見たトップ選手の動きを真似していました。本気でやるのではなく「試してみる」のレベルでしたが、「できない」というのが分かったようです(笑)。これも大事だと思います。とりあえずやってみてそれが自分に合うかどうか確かめる。基本的にはトップ選手の動きは高校生レベルにはできないと思っていますが、その「本質」の部分だけは見ていく必要があります。そこを理解して身に付けさせる動きを意識しなければいけません。「本質」を理解せずに形だけを真似するというのでは意味がなくなります。
やってみて出来なかった時に、何故出来なかったのかを説明しました。単純に「トップだから」ではありません。タイプの違いもあるでしょうし、様々な部分が違います。自分達がやっていることをきちんと理解しなければいけません。全てはいきなりできるのではなく1つ1つの積み重ねでしかありません。きちんと話をしてから目指すべき動きを繰り返しました。接地の位置と身体のポジションの関係を意識しました。加速練習と組み合わせていくことで少しずつ身に付けていくことができました。かなりスムーズになってきました。ここの段階の動きは昨年と比べるとかなり良いですね。速さに関してもかなり違うと思います。故障していた2人も走れるようになってきました。全体のレベルを上げていく事で更に強くなっていくと感じています。

昨日の走りは可能性を感じさせるものでした。昨年rinaは一冬で約3秒縮めました。これは課題とする前半部分の克服ができない中でのタイムです。さすがに58秒台から3秒縮めるのは不可能だと思いますが1~2秒は可能です。61秒台で揃っていますからそれを2~3秒短縮していく事が出来ればインターハイに届きます。簡単ではないですが、昨日の走りを継続して質を上げていければ見違える程のレベルアップにつながると思います。

走りを作るのは時間がかかります。それでもしっかりとやっていく事で必ず変わります。技術的な部分が変わっていく事は見ていて楽しいですが、これが実際に走りに結び付かなければ全く無意味になります。変化を喜ぶだけではなく、実際のスピードアップにつながるようにしていきたいですね。12月は短い距離だけではなくしっかりと走り込んでいきたいと思います。じっくり取り組んでいきます。
コメント
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