15期生の田本秀行です。
暖かくなったと思いきや、まだまだ寒さが戻ります。春が待ち遠しいですね。
さて、私、仕事柄、世の中の様々なものをシステムであるという捉え方をよくいたします。
システムとは、入力があって、それを処理して、出力する、というものです。
人間を含めて自然界のものは概念的にとらえるとすべてシステムですし、
人間が作り出した機械、製品、そして、ソフトウェアはすべて入力と出力があるシステムです。
システムは、さらに小さな単位のシステムに分かれます。それらをサブシステムと呼ぶことができます。
それぞれのサブシステムは、他のサブシステムが出力したものを入力し、処理したものを出力します。
また他のサブシステムがそれを入力するといったようにサブシステムが連鎖してシステムを形作ります。
ある場合は、サブシステムの連鎖が循環していることによって全体としてのシステムが永続的に継続する、
というような循環型になっていたりします。
先日、TEDにデイム・エレン・マッカーサーという方が出ているのを見ました。
タイトルは「私が世界一周単独航海で学んだ意外なこと」。
彼女はヨットで世界一周単独航海の最短記録を2005年に樹立した方ですが、
航海での限りある物資をやりくりする過酷な経験の中から、
世の中の資源も同様に有限である、ということに気づいて突然、経済を学び財団を作り、
有限な資源をずっと使い続ける循環型経済を提唱するに至った、という内容のお話です。
(https://www.ted.com/talks/dame_ellen_macarthur_the_surprising_thing_i_learned_sailing_solo_around_the_world/transcript?language=ja)
彼女の表現でとても共感したのは、
「経済はシステムである。ただし、資源を使って捨てるだけの直線型経済である。
長期的に機能できる循環型経済にすべき。」という主張です。
私が常日頃親しんでいるシステムという概念を用いて、現在の経済が抱える問題点を指摘しているのです。
経済全体をシステムとして捉え、それが循環していないといけない、と発想したのはすごいと思いました。
自然と正面から向き合うと、こういうことを肌で感じ取ることができるようになる、ということでしょうか。
この財団での循環型経済への取り組みは、彼女の言う「We have a plan.」
の言葉通り、より具体的に世界で実践されていくことが期待されます。
(http://www.ellenmacarthurfoundation.org/)