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震災から5年の現況

2016-03-03 23:53:35 | 15期生のブログリレー

15期の矢口です。

東日本大震災から間もなく5年を迎えます。
この震災の影響について、マクロ的なものばかりですが、
『はじめての福島学』(開沼博著)を参考に客観的な現況をまとめてみます。
これから集中的に報道されたりすると思いますが、
必ずしも苦しい面ばかりでなく、
特に経済面では悪影響を払拭している統計もあります。
おそらくみなさんの「印象」よりかは悪くなっていないと思いますが、
いかがでしょうか?


●東北3県(岩手、宮城、福島)での避難者数 *2016年2月現在
→約17万4千人

以下は、福島県に関するものです。
●震災前に福島県で暮らしていた人(約200万人)のうち、現在の県外避難者数 *2016年2月現在
→約43,000人(2.15%)
「避難者」の定義はあいまいなところはありますが、「避難者」でなくなるということは帰還した人もいますが、
帰るのを諦めた、避難先で亡くなったということも含まれており、複雑な心境になります。

・人口減少率という面からみると、先日の国勢調査の結果にもあるように全国で進んでおり、
福島県は、
2000年→2005年3万人減(1.7%)→2010年7万人減(3%)→2014年9万人減(4.8%)、
比べて秋田県(人口減少ワースト)は
2000年→2005年4万人減(3.7%)→2010年6万人減(5.2%)→2014年5万人減(4.8%)
となっており、震災の影響はあったものの何とか持ちこたえている感じでしょうか。

・合計特殊出生率は2010年1.52→2013年1.53でいずれも全国平均以上
・中絶・流産は全国と差がなく、離婚率は低下が持続、結婚率は低下したが元の水準に戻りつつある状況です。


●福島県産米の推移
→全国順位は2010年が4位、2011年~2014年までが7位
大きく減ったようではなさそうですが、「福島産」として一般小売で売られるのは減り、
以前より安く外食産業等に買われている現実もあります。

●福島県産ももの推移
→2014年は2010年比で収穫量、全国シェアは増加しており、全国順位も2位を維持


●2013年の観光客(=観光入込み数)は2010年に比べてどのくらいの水準か?
→84.5%
・全域的に回復傾向である
・2013年修学旅行客(=教育旅行入込み数)は2010年比47%
・逆に、いわき市のスパリゾートハワイアンズは2013年の客数は2010年比107%
・ホテル・旅館に滞在する2013年の宿泊旅行者は2010年比137% ※ただ客層が変化(仕事関係(原発作業員等))&単価下落がある

 

●産業面
・医療機器生産(億円)
→2013年は2010年比約140%(全国6位から3位へ)
・太陽光発電設備導入量(kw)
→2013年は2009年比560%
・建築・土木工事出来高(億円)
→2014年は2010年比240%

医療関係と再生可能エネルギーは震災後に力を入れており、

建築関係は復興工事関係によるものです。

 


以上は一部のみですが、
「震災による特殊な問題と震災によらない普遍的な問題を分けた上で向き合う視点」
は震災に限らず、
地域の問題に対する場合はこれからも持っていきたいと思います。

今回は率(%)に注目して、一人一人が見えにくくなってしまっている面があることは

ご了承ください。

 

コメント (2)
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