ようやく春の陽気になり、チューリップも花を開いています。
ここ数か月、文章作成とプレゼンが続きました。プレゼン時間の精度を上げるために、原稿を起こして文字数を数え、時間を計っては追加、削除を繰り返しました。ところが読む原稿として文章を作ると、読まずに聞くだけの側からすると、全ては聞き取れないのではないかという疑問が湧いてきました。
2010年11月に発行された「プレゼンはテレビに学べ!(著者:天野陽子、出版社名:ディスカヴァー・トゥエンティワン 」という本があり、その中にヒントになる記述がありましたので、今さらではありますが、抜粋してご紹介します。
新聞や雑誌は能動的メディアといい、読者が自分から「読むぞ」という気持ちで手にしているので、固くてもいいが、テレビは受動的メディアといわれ、ほとんどの人が“ながら見”なので、誤解のない言い回しに置き換える必要があるということです。
比較してみると次のようになります。
<新聞記事>
2日午後10時50分ごろ、岩手県盛岡市のコンビニエンスストア「にこにこショップ」に女か押し入り、レジカウンター内の男性店員に包丁を見せ「金を渡せ」と脅し、店員が差し出した現金約10万円を奪い、徒歩で逃走した。
<テレビの原稿>
2日夜、岩手県盛岡市のコンビニエンスストアで女が包丁で店員を脅し、現金およそ10万円を奪って逃げました。逃げた女は50代とみられ、今も逃走中です。
「である調」が「ですます調」、正確な日時が「夜」、「約」が「およそ」に変わっています。コンビニエンスストアで起こったことが伝われば、店名は重要な要素ではないということで、テレビ原稿では省略されています。
また、以下のような言い換えや補足をするそうです。
<音読み> → <訓読み>
白髪 ハクハツ しらが
目途 モクト めど
<熟語> → <熟語以外の言葉>
帰還した 帰ってきた
着用する 身につける
<補足の言葉>
蓮舫 こと 村田蓮舫さん
ハニカミ王子 として知られる 石川遼プロ
ネイルチップ いわゆる つけ爪
舞台裏ではさまざまな工夫がされているようですが、ここではその一端(「一部分」の方が誤解されないでしょうか。この用語も複数の読み方と意味があるので)をご紹介しました。
近所の花をもう少し……。
柴 太郎でした。
よりやさしい言葉、やわらかい言葉で話すほうが、伝わりやすいようですね。
昨日の「仕事の流儀」で同時通訳の長井鞠子さんの仕事が紹介されていましたが、長井さんも「”増加する”より”ふえる”のほうが伝わりやすいはずです」とおっしゃっていました。
対比してみると違いがはっきりしますね。面白いです。
チューリップ色とりどりできれいですね。