14期生の佐藤充重です。
最近松下幸之助さんの考えを、別の方が解説した本が出版されました。
それによりますと、幸之助さんの哲学は、『心の連続体』だといいいます。
つまり
1.自分の心をひらく(素直)
2.人の心をひらく(道)
3.社会の心をひらく(共存共栄)
ということらしいです。
この中の1.自分の心をひらく(素直)の素直ということが、
次のように表現されています。
以下、引用です。
心構えとして大切なことはいろいろあるが、一番根本になるものとして、
私自身が考え、つとめているのは、素直な心ということである。
経営者とはこの素直な心があって初めて生きてくるものであり、
素直な心を欠いた経営者は決して長きにわたって発展してゆくことはできない。
素直な心とは、自分の利害とか感情、知識や先入観にとらわれず、
物事をありのままに見ようとする心である。
経営というのは、天地自然の理に従い、世間・大衆の声を聞き、
社内の周知を集めて、なすべきことを行ってゆけば、必ず成功するものである。
その意味では必ずしも難しいことではない。
人間は神ではないけれども、素直な心が高まってくれば、それだけ神に近づく
ことができるとも考えられる。したがって、何をやっても成功するということになる。
出典 : 松下幸之助、『道をひらく』
私はこれを読んで、日常的に自分の抱えている問題や、悩みが一瞬のうちに
吹き飛んでしまいました。そして、恥ずかしくさえなりました。
つまり、『素直』にあるがままに、物事が見えていない、聞けていない、感じていない、
味わっていない、嗅いでいない、という5感をいい加減に使っているのです。
人の話を先入観を持って聞き、ひたすら素直に聞かずに、間違ってるなー、などと
考えながら、あるいはどう説得しようかと考えながら聞く。
ほかのこと、次の会議のことを考えながら部下が持ってきた書類に目を通す。
考え事をしながら、ネット検索しながら、作ってもらった弁当を食べ、作ってくれた人の
想いや食材に感謝をしない。
いろいろ、いろいろ思い当たることがあります。
いまから、素直になります。あるがままを見て、聞いて、感じて、嗅いで、味わう。
素晴らしい明日が来ることを信じて。
以前に、アクションラーニングという手法をつかったセッションに、診断士の方々に参加をしてもらったことがありました。この手法では、問題提起者に対して原則質問を繰り返しながら、問題解決を進めていくのですが、質問ではなく、助言、アドバイスになりがちでした。
よく診断士は、自分の持っている知識を出したがるとも言われます。
それ故、助言の前に、「聴く」が大事なんだと実感しました。これも「素直」の一つですよね?
感情や先入観にはとらわれてしまいますし、周りに流されたり、従順であることが素直なわけではないと思います。
神に近づくことがそう簡単なわけないですよね。
人間には二つの目と耳、一つの口がある。
その比率でそれらを使う事だ、とも書いてありました。
つまり、2見て、2聞いて、1喋る。
観察が5、表現が1
という事かと理解しました。
特に経営者の方は、
『話を聞かせてくれ』
という時は
『俺の話を聞いてくれ』
という意味だと、著名な外国人の
コンサルタントが書いていました。
名言だと思います。