14期生、木村です。また、しばしお付き合いいただければ幸いです。
以前、正月の足尾町に行っていたことを書かせていただきましたが、冬とはいえ、足尾でも熊は出没します。
さすがに面と向かってはち合せになったわけではありませんが・・・・。
旅館を出て、山に向かって車道歩きをしていた時です。その日は昨晩降った雪が3㎝ほど積もっていましたが、雪はやみ、
まあまあの天候でした。20室の旅館は満室でしたが、こんな時期に山の方へ向かうのは、我々夫婦だけです。
足尾付近は、あまりクマが出ない空白地帯の様でしたが、それでも私たちは、熊避けの 「鈴」 と、
音量を上げた 「NHKラジオ第2放送」 はいつも欠かしませんでした。
旅館を出て500mほど歩いたところでしょうか。道の左側は、下に切れ落ちた垂直に近い崖で、ガドレールが設けてありました。
ふと気が付くと、その崖のふちから大人のこぶしを、ふた回りも大きくしたような足跡が、くっきり、点々と自分たちの歩く方向に
続いているではありませんか。雪がやんだのは明け方でしたので、どう考えても、時間が経過しているとは思えません。
道は、100mほど先で右に折れ、その先が見えなくなっています。相手の姿は見えません。
でも、思わず一緒にいたカミさんと顔を見合わせて、あわてて引き返しました。
それにしても、人が大勢いる旅館のすぐ目と鼻の先を、冬にもかかわらず、熊が徘徊しているのです。
よく考えてみれば、熊と遭遇するということは、熊の生息領域に人が踏み込むから遭遇するわけであって、
極端な言い方をすれば、熊が何十頭も徘徊していたとしても、人が行かなければ遭遇することはありません。
つまり 「熊出没情報」 も流れないのです。
ところが最近、熊の方から人の生活圏に近づいてきていますね。報道でもよく耳にします。
基本的に熊は人を嫌いますから、人が数多くいれば出てくることはありません。しかし、ふと思い当たるのが、
先日述べた足尾町の 「限界集落化」 です。足尾町の人口は減少の一途をたどっています。
聞けば、最近では熊が、登山者が残した駐車場のゴミや、民家の軒先のゴミをあさるようになったようです。
気候の変動で、食物となる 「山の恵み」 が少なくなったことも拍車をかけているようですね。
人による経済活動の衰退が、自然環境にも影響を及ぼしているということでしょうか?
またいつか足尾に行ける機会があればと思っていますが、持っていくのはいつも通りの 「鈴」 と 「ラジオ」 だけで、
熊撃退用の 「辛子スプレー」 や 「鉈(なた)」 は、持って行きたくないですね。自然との共存を願うばかりです。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
14期生の日野卓郎です。
ブログを楽しく読ませて頂きました。
自然との共生共栄は
非常に大切な人類のテーマだと
思います。
現代においては、もはや日本だけで
解決できるような問題ではなくなってる様な気がします。地球規模での協力が必要ですよね。
限界集落・・・地域創生が大きな課題になった日本では、自然との共生もこれまで以上に注意が必要なんですね。