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ファクトフルネス

2019-10-15 12:00:00 | 19期生のブログリレー
こんにちは。稼プロ!19期の太田一宏です。
台風19号は東日本を中心に大きな被害をもたらしました。
被災された方へは改めてお見舞い申し上げます。

さて、自然災害を前にして、これまでは大丈夫だっから、などどいう
「先入観」や「固定観念」に基づいた行動は戒められます。
それと似たようなことが、災害のとき以外の判断にも不可欠、
そんなことが記されている本「ファクトフルネス」を先日読みました。
著者はハンス・ロスリングというスウェーデン出身のお医者さんです。
彼は、アフリカで病気の治療に関わり、最新の治療法が科学的知識の不足や言い伝えによって拒まれる経験を経て、
事実認識の大切さと難しさについて考えるようになりました。
そんな思い込みがあるのは病気の治療法に限られたことではありません。
社会の傾向やできごとを思い込みに影響されて判断したり、解釈したりするのは、
我々にも、また、一般的に有識者と呼ばれている方々にも共通の傾向である、
と考えるに至りました。
そう考えるに至った契機が「チンパンジーテスト」と呼ばれているテストです。
その第一問が、
「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?」
という三択問題です。
答えを記すと営業妨害になってしまいますので、やめておきますが、
事実よりもぐっ低い選択肢を選ぶのが、共通の傾向だそうです。
このような質問が12問セットで示されます。
全て三択ですので、鉛筆を転がしても平均約3割が正解できそうですが、実際は1割前後。
正しい情報に接する機会が十分にある政治家でも同様な傾向だそうです。
チンパンジーでも3割は正解できるはずなのに、たった1割という意味で、
「チンパンジーテスト」と名付けられたそうです。
そんな思い込みや先入観から逃れるの方法を、著者は10のルールにまとめて示しています。
極端な事例に引っ張られず多数の人はどうなのかを知る(分断本能を抑えるには)、
リスクにおびえないで確率や影響度を計算しよう(恐怖本能を抑えるには)、
などです。
私はその中から、特に、パターン化本能を抑える=分類を疑ってみる、に注目をしたいと考えます。
ビッグデータが入手でき、また高速コンピューターで処理もできるようになりましたが、
大量のデータから適切な行動を導くには、データの解釈が必要です。
その解釈を助けるのが「分類」、だと私は考えています。
そこには、平均、ばらつき、相関といった統計学の教科書のようなプロセスとともに、
実際のビジネスに用いるには、現場の知識からみてどうか、ということや
考えうるアクションが現実的かどうか、という側面も欠かせません。
分類の仕方で、その後のビジネスの趨勢が変わるといっても過言ではないと思っています。
私が持っている古い統計の本にも、一番最初にグループ化のことが記されています。
ファクトフルネスは温故知新の名著です。

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2 コメント

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Unknown (森(宏))
2019-10-15 18:02:42
たぶん公式と思われるサイトでやってみました。チンパンジーテスト。傾向を教えていただいていたので8割正解してしまいましたが、普通にやったら確かに正答率は低そうです。

「分断本能」にはハッとさせられます。そういう風に世界や世間を見ていないかと言えば、もう随分染み着いてしまっているように思います。

世界は思っているほど悪くなっていない(むしろデータは逆)ということを先ず確認した上で社会の課題に取り組まないと、悪くなっている前提なら、これまでの施策の全否定になってしまいます。多少なりとも良くなっているならそれをどう促進するかという話になりますし、全然違ってきますね。
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Unknown (廣瀬達也(19期生))
2019-10-18 12:45:39
「ファクトフルネス」評判高いですね。

最近は自分自身の中にある「先入観」や「固定観念」が頭をもたげてくることが多くて、自分にガッカリします。

素直な心で事実を受け入れ、適切な「分類」ができる知性とメンタリティが欲しいですね。
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