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人生の価値は、何を得るかではなく、何を残すかである

2019-10-19 21:00:00 | 19期生のブログリレー
みなさん、こんにちは。19期生の繁野邦博です。

先日10月5日、株式会社ボーダレス・ジャパンで主催の
ジャパン・ソーシャルビジネスサミットに参加させていただきました。

ソーシャルビジネスのトップランナーの方々によるトークセッション。
社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」卒業生50名の中から
選ばれた8名の方のビジネスプランのファイナルピッチコンテスト。
登壇者と来場者をつなぐミートアップパーティ。
盛り沢山の内容で1日を通して大変刺激をいただいた1日でした。

みなさんは、社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)と聞くと
どのような印象をお持ちですか?

殊、大企業に勤めている方にとっては、
企業が存続していくための利益と社会貢献の両立は難しい。
どれだけ儲けられるかが一番。
という声がまだまだ多いのかもしれません。

確かに難しいのかもしれませんが、もしかしたら、
手段と目的がどこかで入れ替わってしまっているのかもしれません。

冒頭のトークセッションで、ボーダレス・ジャパン代表の田口一成さんは
社会貢献や社会課題の解決は企業の存在意義(目的)であり、
利益は事業を継続していく上での条件(手段)であると仰ってました。

なぜ社会課題の解決が目的になるのか、
誰のために、何のために働くかという問いに対して、
子供の頃、幼稚園や保育園で誰もが先生に言われた言葉、
「公園で遊んで帰るときは片付けて帰りましょう」という表現で例えながら、
次のような言葉で語られていました。

「生まれたときよりも良い社会にして死んでいこう」

「人生の価値は、何を得るかではなく、何を残すかである」

シンプルでありながら、とても心に響くメッセージですよね。

そのような共通の価値観のもと、半年間ボーダレスアカデミーで
ビジネスプランを練り上げられた方々を少しご紹介させていただきます。

①バングラディッシュの児童婚問題をアプリのデバッグ作業の
 アウトソーシングによる雇用創出で解決しようとされている藤田純さん

②働きたい障害者の低工賃問題を障害者ならではのデザインによる
 福祉商品の共済化で解決しようとされている先崎哲進さん

③フィリピンレイテ島の農村部の貧困問題を自然栽培バナナを使った
 バナナチップの現地生産と日本輸入で解決しようとされている赤坂友紀さん

④エクアドルの女性受刑者の社会復帰を日本品質の花火の
 現地生産で解決しようとされている宮浦歩美さん

⑤超高齢社会の認知症問題を訪問型フィットネスで
 未病のうちにに解決しようとされている大雄義弘さん

⑥ADHD(多動性障害)の方がその特性を活かしながら
 安心して働ける町工場と繋ごうとされている田前秀樹さん

⑦年金だけでは生活の苦しい75歳以上のおばあちゃんたちが
 笑顔で働ける場所を作ろうとされている大熊充さん

⑧有機野菜農家と有機野菜を求める飲食店を繋げることで
 農家の持続可能性を高めようとされている田中健太郎さん

みなさん共通して、印象に残った点は、
現地や現場で目の当たりにした問題を、
現地の人々との関りを通じて自分事にし、
本人たちが気づかなかった良さを特性として活かしながら、
ビジネスとして解決できる仕組みを試行錯誤し、
小さなところからアクションを起こされているという点です。

大きな波に乗るのではなく、自ら良い波を創り、
大きな波にしようとされている8名の方々の姿は、
中小企業診断士としても、社会人としても、見習いたい点ばかりで、
今後も応援させていただきたいと思います。


追伸

サミットの最後では、「社会起業家」という言葉がなくなれば良いとして締めくくられています。
古くより日本の商いでは、売り手よし、買い手よし、社会よしの
「三方よし」の精神が受け継がれていたこと、
本来企業は、誰かに価値を提供し対価をいただく事業を行っているということからも
本質的に社会に貢献する存在のはずですよね。

今年8月には、米国経済団体がこれまで20年以上掲げてきた
株主至上主義を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、
株主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明されました。

自社のみの株主や利益が重視されていた近年の資本主義の考え方が
本来の目的である社会への価値提供へ回帰しようとしている
大きな転換期にあるのかもしれません。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (廣瀬達也(19期生))
2019-10-22 17:04:55
繁野さんサミットのご紹介ありがとうございます。

会社で私の所属している事業部は「ソーシャルビジネス事業部」です・・。もっとも、組織の統廃合でできた大企業アルアルな経緯による誕生だったので、事業部名を自覚することがあまりありません・・・。アカンですね"(-""-)"

私が「社会起業家」と聞いて思い浮かぶのは、
マザーハウス(https://www.mother-house.jp/aboutus/)の代表取締役・山口理恵子さん、
NPO法人クロスフィールズ(http://crossfields.jp/aboutus/vision_mission/)の代表理事・小沼大地さんでしょうか。
いずれもけっこうなサイズの組織になってしまい、「今が旬」という鮮度は薄くなってしまいましたが。

「サミットの最後では、「社会起業家」という言葉がなくなれば良いとして締めくくられています」
確かにそうですね。そもそも、既存のいろんなビジネスは、いろんな社会の「課題」を解決していると思います。でないと継続できません。実は生み出さなくて良い言葉を生み出してしまったのでは??「社会起業家」についてはそんなことを感じるときがあります。
返信する
Unknown (森(宏))
2019-10-21 15:07:38
アメリカの経済団体のステートメントは、何を今更感ありますが、それだけ世の中の風潮が変わってきているということでしょうか。

どなたか忘れましたが、ソーシャルなビジネスにしろNPOにしろ代表や理事は男性が多いのに、そこに従事する人たちはほとんどが女性だ。お金ではないというところには女性しかいない、と皮肉を言われてました。なるほど言われてみればと思った記憶があります。
返信する
Unknown (高橋由子)
2019-10-21 07:39:10
繁野さん、ボーダレスジャパンのサミットに参加されたんですね!丁寧な情報をありがとうございます。
私も参加したかったです。ビジネスとして試行錯誤して小さな所からアクションを起こすこと、私も見習って行きたいと思います。
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