あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

雪ノ下の横大路にて

2023-12-11 13:48:01 | Weblog

 

鎌倉ちょっと不思議な物語第453回 

 

横大路というのは鶴岡八幡宮の前を寿福寺から宝戒寺までの東西に走っている鎌倉時代の基幹道路でした。

 

横大路を通るたびに思い出すのは、「霜月騒動」です。1285年弘安8年11月17日の昼下がり、幕府の名門御家人で最有力者であった安達泰盛は、おそらく鉄ノ井あたりで待ち伏せしていた内管領、平頼綱の武装兵によって暗殺され、これを手始めとしてなんと一族500人が皆殺しにされてしまいました。まるで悪辣非道なイスラエル軍みたいに。

 

得宗専制体制を確立した頼綱の恐怖政治は、「平禅門の乱」で、この卑劣な極悪人が、キシダみたいに優柔不断な執権貞時によって成敗されるまで、なんと7年間も続いたのでした。

 

横大路には印象的な建物がいくつかありますが、そのひとつは現在のメーカーズシャツ鎌倉の前にあった星野写真館(腰越にあるやはり古い同名の写真館とは違う」です。

閉店してからもう20年近くになるが、その古色蒼然とした建物は、いかにも鎌倉らしい文化遺産です。

 

もう1軒は、やはりそのあと閉店した不思議な雑貨ショップ「sous la neige」。どんなものを売っていたのか分からないが、ともかくそのネーミングが洒落ていて気にいっていた。

 

最後は「sous la neige」の真向かいにある香取草之介という方の草深い邸宅とその門札。お会いしことはないが、なんとも鎌倉らしいお名前ではないか。

 

わけもなくその名に惹かれる屋敷なり雪ノ下なる香取草之介邸 蝶人

コメント
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