ある晴れた日に 第715回
教頭がみだらなことをしたというみだらの中身はどこにも書かれずがえらく気になる
auとかauショップのお知らせだけがジャカスカ入る阿呆莫迦携帯
3人の息子を率いる母さんが古家解体をビシバシ解体
肝っ玉かあさんが3人息子を叱咤する解体仕事の見事な出来栄え
朝比奈が最後に振ったアレグロ・マ・ノン・トロッポ・エ・ウン・ポーコ・マエストーソ
名演にブーを浴びせる醜男を殺したくなるサントリーホール
中秋の名月の夜の満月が月下美人の花弁をひらく
「やっちゃいな!」と言われてやられたyouたちの躊躇逡巡恐怖と打算
「ムクよムク、ここにおいで!」と呼ぶのはよそう庭のお墓で昼寝している
大杉と野枝を殺せし甘粕の子孫と誤り甘糟氏憎みき
実態は何もなくてもプレミアムなんだからもうプレミアムなの
「プレミアム」と付ければなんでも上等かプレミアム上等プレミアム常套
アレアレというまに政治も変わります民主党政権の時もそうだった
二刀流一天俄かに掻き曇りノーコン藤波一転輝く
吉本は好きなんだけど吉本主義者は嫌いなりマルクスは好きなんだけどマルクス主義者は嫌いなように
ひょっとしてほんとに飛ぶかと見つめてた坂上二郎の「飛びます!飛びます!」
いずれ来る大震災を待っている期して待つのではないけれど
耳慣れぬ「線上降水帯」7なれどそれがざあざあ雨を降らせる
大谷が大谷問題を解くようにおらっちはおらっち的問題を解くのら
バスの中に忘れたはずの紙袋我が家の納屋に仕舞われていたずら
栗落ちる音がするなり二つ三つどこかで栗が落ちている
道の辺の栗轢き潰すテスラかな
キーマンが消えれば死ねばすぐにも変わるべし政治も戦争も世界情勢も
世の中は一寸先は闇である大谷沈み藤浪輝く
幾百の毬を余さず振り落とし冬に真向かうを迎える里の栗の樹
土曜日に「現代の音楽」を聴いたばかりこんなに急いで逝っちまうとは!
独逸行き空しく日本に戻りたる1冊の本机上に佇む
死してなお生きた証は残るべし我らが歌に命籠もらば 蝶人