昼時ともなると店の外にまで待ち客が出ていることが多い人気のうどん屋「手打うどん・かとう」。たまたま開店時間に店の付近に居たので近くに自転車を停め、店へ。店に入ると長いカウンター・テーブルと小さいテーブルが2つ。奥に麺打ち場もある。カウンターの上には鉢がずらっと並んでいた。こちらの若い主人は高松で修行したのだとか。カウンターの一番奥に案内され腰かけ、品書きを見る。外は寒かったし、天ぷらののった温かいうどんをいただこうと思っていて、以前”おすすめ”になっていた「かしわ天」を探したが見当たらない。給仕の女性に訊くと、人手が足りないため天ぷらの提供を中止しているとのこと。揚げ置きを出すのも嫌なんだろうな。そうなると選択肢はほとんど無く、肉うどんという気にもならなかったので「かけ」をもらう。
「時間がかかりますので」と給仕の女性がサッと雑誌を置いてくれる。まるで「並木藪そば」のおばちゃんのように気の付くこの年輩の方。明瞭で、且つ慇懃無礼でない素晴らしい応対。こういう人は店の宝だろうなァ。カウンターの後ろにおでんも置いてありそそるのだが、手を出さず。まずひと口目はこちらのうどんつゆにしたかった。店はあっという間にほぼ満員の盛況になっている。自分のようなひとり客も多い。
しっかり15分程経って「かけ」が運ばれた。きれいに澄んだつゆの上にはあさつきと蒲鉾2枚のみ。さっそくつゆを飲んでみる。繊細な味だというのは分かっていたが、香りはいいがあまり舌に乗ってこない。変な表現だが「若い」というか…。口開けだったからだろうか、それともつゆが熱すぎるからだろうか。麺はきれいな肌をしていてつるつる。手繰るとふわっとした口当たり。いわゆる讃岐うどんで感じるような強いコシのものではなく、のど越しが良いタイプ。ここに天ぷらや揚げがあればちょうど上手くつゆと麺が繋がるのだろうが、どちらも旨いのに馴染まず、別々に味わっているよう。あっさりなので多めの麺量もあって単調になり…。ざるうどんにすれば良かったかな。天ぷら望む。(勘定は¥480)
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↓ 稲葉地公園内にある「名古屋市演劇練習館・アクテノン(旧・稲葉地配水塔)」(昭和12年・1937・建造)。建築当時、貯水槽が大きく設計変更され、16本の柱で補強したのだとか。神殿のようなそのデザインが秀逸。昔の人ってエライ。
↓ 近くで見つけた洋館(一般住宅)。玄関先や2階外壁の意匠、急こう配の屋根など、とても興味深い建築。もっと見てみたいが敷地に入る訳にはいかない。
手打うどん かとう
名古屋市中村区太閤通3-26
( 名古屋 名古屋市 なごや 太閤通 たいこうどおり 手打ち 手打ちうどん 饂飩 かとう アクテノン 配水公園 図書館 近代建築 )