Come / Prince 1958-1993(1994)
1994年に発表されたプリンス(Prince)による15枚目のアルバム。レコード会社(ワーナー)とのゴタゴタにより、プリンス名義で最後の作品として発表され(アルバム表記は「プリンス1958-1993」)、以後は読みの無いシンボル・マーク表記にするという一連の騒動の渦中の作品(現在はプリンス名義復活)。芸術家故のエゴと企業のエゴの対立という、まぁショービズにはありがちな話だが、このゴタゴタの頃にはもう彼に対する興味は以前と比べて薄くなっていたので、このアルバムを聴くのは初めてだった。でもCDラックを漁ってみたら、ちゃんとこの後のアルバムが何枚も出てきたので、このアルバムだけ飛ばしていただけのようだ。
で、肝心の中身はというと…、これがイイのだ。ジャンルとしては完全にファンク。終始クールなリズムとベースラインで、曲調こそ派手さ、ポップさこそないものの、繰り返される骨太のリズムが官能的で、知らず知らずのうちに1枚流し終わっている。そしてまた頭から繰り返して聴いてしまう中毒性もある。こういうのを演らせたらやっぱり凄いな、プリンスは。コアなプリンス・ファンの中ではどんな位置づけなんだろう、このアルバム。自分が彼を知ったのは「1999」で、その後もずっと気になるアーティストではあった(まだマイナーだった81年にストーンズの前座をやって激しいブーイングにあったという話も聞いてたかな)。それでもこのアルバムの後の2000年代ぐらいからは発表される作品の数が膨大になりついていけなくなった(もう彼のディスコグラフィーには全然ついていけてない)。多作な天才の宿命で、各アルバム毎の印象が薄くなりがちだけれど、全然手をつけていない最近の作品も聴いてみようか…。
ブックオフにて購入(¥108)
- CD (1994/8/12)
- Disc : 1
- Format: CD, Explicit Lyrics, Import
- Label : Warner Bros / Wea