晴天の下、上飯田から自転車でヒーヒー言いながら庄内川を越え、名鉄小牧線「味鋺(あじま)駅」の向かいにある手打うどんの店「小出屋」へ。駅前といっても乗降客が多くない駅なのか他に商店は多くない。こじんまりとした店構えで、店先のガラスショーケースにはよくある食品サンプル…ではなく手作りの紙製でいくつかの品が再現してあり微笑ましい。店に入ると土間にテーブル席が5つ、小上がり席が2つ。何ということのない和風の造りなのだが、落ち着いていてちょっといい雰囲気。高齢のご夫婦で賄っていらっしゃる。ちょうど出前の木製岡持ちが出ていて、まさに届けに出るところだった。席に座って品書きを眺める。そこには”昔も今も同じ製法で作り続けて46年”との記述が。70年代初めということだから年齢から推測すると初代なのだろう。外はまだ残暑が厳しく、この日は湿度も高かったので冷たいものをと、壁に貼られていた「涼しい味・おろしうどん」をお願いした。
しばらくしてやや大きめの丼ぶりに盛られた「おろしうどん」が運ばれる。うどんの上には、大葉、花鰹、刻み海苔、梅干し、そしておろしがのせられている。つゆは別で徳利に入っており、色は濃いものの、この地方でよくあるたまり醤油由来の甘みが強い味とは違っていた。さっそくうどんにかけていただく。うどんはキンキンに冷やされている訳ではなく、コシが強いのとは違うが、しっかりと張りがあって旨いもの。おろしにはしっかりと辛みがあり、それぞれの薬味と組み合わせてスルスルッといただいた。店主らよりも更にご高齢の客には手取り足取りといった感じで世話を焼くお2人。近所ではなくてはならない店なのだろう。”缶ビールでよければ”なんて貼紙があるくらいだから日本酒は置いていないかもしれないが、ちょっと寄って1杯やって、うどんや丼ぶりで締める、なんてやってみたい。「牛肉コロッケ入り和風ビーフカレー」や「メンチカツ定食」なんて品も気になるなァ。(勘定は¥650)
※令和2年7月を以て閉店されたそうです
手打うどん 小出屋
愛知県名古屋市北区東味鋺1-2019
( 名古屋 なごや 味鋺 あじま こいでや こいで屋 手打ちうどん 饂飩 そば 蕎麦 定食 丼物 丼ぶり 大衆食堂 麺類食堂 閉店 廃業 )