All The Young Dudes / Mott The Hoople (1972)
ユニセックスで煌びやかな衣装に身を包んだアーティストがナショナル・チャートをも賑わした70年代前中期のグラム・ロック。その真っ只中に発売されたモット・ザ・フープル(Mott The Hoople)のアルバム。邦題は「すべての若き野郎ども」と素敵。これで5作目だったそうだが、CBSに移籍してからは初めての作品で、デイヴィッド・ボウイ(David Bowie)がプロデュースを担当。このCDは2006年にリマスターされたものでボーナス・トラックが追加されている。ボウイの作品はかなり昔から聴き続けているが、モットのアルバムはアナログでも1枚も持っていないはず(面倒なのでレコード棚は調べない)。有名な表題曲もボウイのヴァージョンの方を先に聴いたくらい。イアン・ハンター(Ian Hunter)とミック・ラルフス(Mick Ralphs)を擁し、一度解散を決めたのにも関わらずボウイに説得され、シングル曲も提供してもらって復活したアルバム作品がこれ。
やはりグラム・ロック・アンセムともなっているボウイの作曲した表題曲が白眉の出来。この曲でのイアンの歌い方や声質はボウイにとてもよく似ている。シングル・カットされた「One Of The Boys」もいい。この時期のボウイの活動意欲は凄いが、これと同時期にプロデュースしたルー・リード(Lou Reed )の「Transformer」やイギー&ストゥージズ(Iggy & The Stooges)の「Raw Power」と比較すると一番オーソドックスな音作り。「Raw Power」の音(ミックス)が独特なのは別としても音の感触がこうも違うのは何故なんだろう。グラム・ロックというとその見かけにばかり注目がいきがちだが、音的に見ると派手なエフェクター類は別として”ロックンロール・リヴァイヴァル”という側面が強い。曲調もグッと腰を落としたブギーを基調とするオールド・タイムでシンプルなコード進行の曲が多い。ボーナス・トラックにはボウイがヴォーカルをとったヴァージョンの表題曲やライヴ演奏も加えられている。もっと早く聴いておけばよかったな。
オークションにて購入(¥382)
- CD (2006/6/2)
- Disc : 1
- Format: CD, Import, Original recording remastered
- Label : COLUMBIA