ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

角屋 @滋賀県長浜市

2019年04月30日 | 滋賀県(老舗)

滋賀県の湖北から湖西方面にドライブし、また湖北・木之本町に戻ってきた。木之本地蔵の前、風情ある北国街道と駅を結ぶ丁字路にあるので以前から店は知っていたが入ったことがなかった和菓子の「角屋」へ。創業は昭和5年(1930)とのこと。店は建て替えられてまだあまり経っていないようで真新しい。店の表に”北近江名物・がらたて”と貼紙があったので、それ目当てで中に入る(もちろんどんな菓子か知らない)。中に入ると和菓子の他に洋菓子も並んでいた。2階には喫茶室もあるようだ。人気なのかロールケーキを予約していく地元の客も。生菓子の他に袋詰めの菓子類も置いてあったので眺めていたら「かたパン」があったのでつい手に取ってしまった。これと「がらたて」を購入して持ち帰る。

「がらたて」とは山帰来(サンキライ)の葉の方言だそう。2枚の葉っぱに饅頭が包まれている。葉っぱの香りは饅頭に大して移っている訳ではないようなので、くっつかないように利用されたのかな。饅頭は蒸してあるのか表面がプルンとした感じでやや透明。中にはつぶ餡が入っていて、シンプルな味わい。この地方で農作業の合間に食べたおやつだそうなので、簡単に作れるものだったろう。「かたパン」はうっかりここで作っているのかと買ってしまったが、よく見ると(よく見なくても)”敦賀名物”だとちゃんと書いてあり、福井県敦賀市の「だるま屋」のものだった。自分は名古屋で買ったことがあるが、調べてみるとこの「だるま屋」のかたパンも明治の頃に名古屋から伝わったらしいので何か関係があれば面白い。もちろんこちらも歯が折れそうに硬いカッチカチのビスケット状のもの。表面に青海苔が使われているのだが、これがなかなかのアクセントになっていて美味しくいただけた(あまりの硬さ故にまだ残っているが)。(勘定は¥540)

 

 


 

↓ 湖西を更にドライブ。窓枠や入口の赤い塗装がポップで可愛らしい「旧・安曇川郵便局」(昭和11年・1936・建造)。元もこんなビビッドな色だったのかな。表のポストが丸ポストだったらもっと雰囲気があっただろう。以前は脇まで建物が建っていたのか間口は狭い。奥にある建物は局舎付の住居だったろうか、片側に下見板張りが見える。紋章にも瓦の先端にも「〒」のマーク。

 

 

↓ 用水のある通りにポツンと建つ「日本基督教団・大溝教会」(建築詳細不明)。外壁はペパーミントグリーンの下見板張り。凝った鬼瓦には十字架も。創立は明治41年(1908)と古いので建物もひょっとすると古いかも…。

 

 


 

菓子乃蔵 角屋

滋賀県長浜市木之本町木之本1072

 

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金屋食堂 @愛知県豊川市 (※閉店)

2019年04月30日 | 愛知県(三河)

愛知県豊川市を散策。自転車を漕いでいくつもの近代建築を眺めた後は、軽く食事をしようと姫街道沿いの「金屋食堂」へ。創業は昭和31年(1956)とのこと。この辺りは”金屋”という地名のようだ。何とも渋い佇まいの日本建築の暖簾をくぐると、土間にテーブルが並んでいた。しかもほぼ満席の盛況ぶり。奥に座敷もあるのかな。土間の一番奥の2人用の席に案内される。和洋定食が揃っていたが、他にもあてがあったので重くなさそうなものをとホワイトボードに書いてあった「カンパチ刺身定食」を注文、ご飯は小にしてもらった。ただ刺身ということで…つい「お酒(小)」を追加。「燗つけていいですか?」と訊かれたので「ハイ。」とお願いした。店内は活気があり、客層は家族連れ、働く人、カップルと様々。フライ物の注文が多く、各テーブルに運ばれていくそれらの盛りがなかなかに凄い。「フライ物でビールでもよかったかナー…」と心が揺らいだが、燗酒に冷奴が付いてきたのでそちらに集中。こうやって少量でも酒やビールに1つつけてくれる店は”分かってる”なァ。

ちびちびとやっていると「カンパチ刺身定食」が登場。味噌汁と漬物が付いて、ご飯は茶碗に軽く盛られている。カンパチは角が立って艶が良く、見るからに新鮮で旨そう。さっそく箸をつけていく。ホワイトボードに”本日の焼魚”などと一緒に載せているくらいだからちょっとは期待していたのだが、プリプリの歯応えがあるもので本当に旨い。ここはフライ物だけにあらず(まだ他は食べていないけれど)。酒とはもちろん、ご飯と食べるのも旨い。他にはクラゲやワカメ、ツマなどが添えられていて、それらも綺麗に平らげた。まだ後から後から客が入ってくる。古びた見かけだけだとこんなに新鮮な魚が出てくるような店には見えないが、ここの定食をひとつづつ制覇したい…。そんな気にさせる食堂だった。(勘定は¥1,100)

 

 


 

↓ 残念ながら建物正面は増築されただろう建物に隠れてしまっているが、スカイブルーのペイントがかっこいい「旧・中尾歯科医院」(明治37年・1904・建造)。鬼瓦には布袋様の姿が。

 

 

↓ 牛久保駅近くの通り沿いにある「旧・星野医院」(昭和6年・1931・建造)。スクラッチタイル壁が美しい。道路側と比較して玄関側の造りが複雑だが、後から増床されたりしたのかな。何気に道路際の柵の柱も古そう。

 

↓ 同じ通り沿いにある「旧・豊川牛久保郵便局」(昭和7年・1932・建造)。外壁のスクラッチタイルの色とか風合いが儚げで、どこか女性的な印象。隣に新しい局舎があり、こちらは何かに利用されている様子ではなかった。すぐ近くにあった「博愛堂薬品別館(旧・牛久保信用組合)」(昭和7年・1932・建造)を訪問し忘れる痛恨の凡ミス…。

 

  

↓ 現役の「JR牛久保駅」(建築詳細不明)。古い駅舎だとは思うがよく分からず。入口の4本並んだ柱にはタイルで装飾が。

 

 


 

 

金屋食堂 (かなや)

愛知県豊川市中央通4-16

※ご主人の逝去により閉店されました(令和5年)

 

( 豊川 とよかわ 豊川稲荷 かなや食堂 洋食 和食 定食 大衆食堂 近代建築 星野醫院 うしくぼ 郵便局 駅舎 閉店 廃業 )

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