滋賀県の湖東・彦根に続いて、湖北の木之本~湖西へ遠征。朝早くに家を出て21号ではなく303号を使ってスイスイと到着。以前に訪れた近代建築を再訪し、風情ある古い街並みをウロウロ。まだ開いている店は少ない時間帯だが、この日は車だったので酒も買って帰ろうと、街道沿いにある「冨田酒造」へ。格子があり杉玉がぶら下がっている江戸時代の建物を訪れた。こちらの代表銘酒は「七本槍」。最近の酒造は若返りが進んでいて、こちら「冨田酒造」も立派なHPを用意し、様々なグッズを販売している。店に入ると酒は綺麗にディスプレイされ、それらグッズも並んでいた。何か面白い酒はないかなと吟味していると”精米歩合80%”という酒があった。通常酒は精米歩合が低いほど米を磨いているという事なので、綺麗で呑み易い酒が出来ると言われている(例えば吟醸酒は60%以下)。削れば削るほど出来る量も減るので値段は高くなることが多い。なので競って精米歩合を声高に宣伝することも。自分は以前はそういう酒も沢山呑んだけれど、いわゆる”吟醸香”はそこそこで、しっかりとした吞み口の酒が好きなので、店ではいただくが自宅ではほとんどが通常の純米酒。最近は好んで本醸造酒も呑んでいる。本醸造酒でも70%以下なので80%ってほとんど味わったことがない。これだ、という訳で「七本槍・純米八十%精米火入れ」というのの4合瓶を購入してみた。
訪れた先では時間の許す限り地元のスーパーに入って”地元ならでは”の品を買って帰るようにしているが、近くに彦根に本社のあるスーパー「平和堂」があったので、食品コーナーから「鮒ずし」「さば姿寿司」を買って一緒に持ち帰った。「七本槍・純米八十%精米火入れ」はしっかりとした色付き。きっと炭濾過も少なめなんだろう。店のポップに「米本来の風味」と書いてあった気がするが、なるほどしっかりと発酵の香りや酸味が残っていて、グッとくるボディ。でも決して呑みにくい訳ではなく、今の自分の好みにはぴったり。80%でこんなにキレのいい酒が出来るのならあまり磨く必要ないんじゃないかなとさえ思ってしまう。「鮒ずし」の強い酸味と発酵臭にも渡り合える旨さがあった(スーパーで作っていると思われる「さば姿寿司」は頭もヒレもそのままで目玉の穴にまで酢飯が詰まっているので家族には不評だった・笑)。もちろん燗をつけてもいい。これなら1升瓶で買えば良かったかな。(勘定は¥1,566)
↓ 「冨田酒造」の敷地内には木造3階建ての建物も。板で塞がれているが酒造りに関係する建物だろうか。
↓ 以前この通りにあった「旧・滋賀相互銀行木之本支店」は残念ながら取り壊され、更地になっていた。他の建物はそのまま。下は2階外壁と窓廻りの装飾が素晴らしい「たばこや呉服店」(建築詳細不明)◇。
↓ 観光案内所の役割もしている「きのもと交遊館(旧・湖北銀行木之本支店)」(昭和10年・1935・建造)◇。横から建物の奥を眺めると道路際の建物以外は完全にリファインされているのが分かる。
↓ 以前に見た時よりも更に風化が進んでいるように見えて心配な木之本駅前の「江北図書館(旧・杉野文庫)」(建築詳細不明・伊香農業協同組合事務所移設?)◇。2階の割れたガラス窓はそのままのようだし傷みも激しい。図書館としてちゃんと稼働しているのだろうか。
↓ 北国街道沿いの木之本牛馬市跡の建物(写真下左・建築詳細不明)◇)と、清酒「北国街道」を醸す「山路酒造有限会社」(写真下右・建築詳細不明)◇。こちらでは次回に酒を買ってみよう。こういう古い建物も当たり前のように点在するのがこの辺りのすごいところ。
滋賀県長浜市木之本町木之本1107
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