ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

A Brand New Me / Aretha Franklin With The Royal Philharmonic Orchestra

2020年05月28日 | ソウル・ファンク・R&B

A Brand New Me / Aretha Franklin With The Royal Philharmonic Orchestra (2017)

Rhino/Atlantic レーベルから発売されたアレサ(Aretha Franklin)とオーケストラ(ロンドンを拠点とするロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団)による共演アルバム。とは言ってもヴォーカルは新録ではなく、かつてのアレサのヴォーカル・トラックと、オーケストラ・アレンジされた演奏、そして新たなバッキング・ヴォーカルを加えたものらしい。今までこういう企画があったかどうかは知らないが(あってもおかしくない)、かつての名唱のイメージを壊されたくない者(自分含む)にとってはアレサのヴォーカルが新録でないというのでまずはひと安心だろう。アルバムはアレサ存命中に発売された。

ジャケット・デザインがセンスあるものだったので興味本位で購入したが、その時点で昔のアレサのヴォーカルが使われているとは知らなかったので「うん、違和感無いなァ…」と聴き進む。そこでクレジットを見て「あ、そうなのか、やっぱり」と事実を知ったのだった。何しろこれでもかと名曲が目白押し。ただロックやソウルでオーケストラ仕様の編曲がされて良い印象を持った作品は個人的にごくごく僅かなので、演奏(=アレンジ)も心配だったが、サビの部分はさすがオーケストラという感じで壮大に盛り上がるものの、”いかにもオーケストラ”という感じのアレンジは少なく、いかにも”元曲のイメージを損なわないよう苦心しました”というような努力が伺える。でもそうなると不思議なもので「じゃ、オリジナルの方がいいに決まっているじゃないか」とか「アルバムの存在意義がないじゃないか」という気にもなる。大仰なオーケストラ・アレンジだったらそれはそれで「興醒めだ」とか文句を言うに決まっている。かくも消費者というのは我儘なものなのだ(笑)。元の楽曲の良さを生かしつつ、オーケストラ・アレンジならではの壮大さを加えるのは至難の業だが、このアルバムはまあ成功していると言えるんじゃないか(←エラそうに)。アルバムのリリースから9か月後にアレサは亡くなった。

オークションにて購入(¥388)

  • CD (2017/11/10)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Atlantic
コメント (2)
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