岐阜県大垣市の駅前通りのアーケードにある創業大正12年(1923)の麺類食堂「東京庵」へ。この日は車を駐車場に預けて駅前をブラブラと歩いた。寒い事もあるだろうが、地元百貨店も撤退し、シャッターが閉まっている店舗も多く、休日とあっても人通りはまばら。カラカラと木戸を引き暖簾をくぐった。口開けの時間とあって先客はまだ無し。テーブル席に腰掛けて品書きを眺める。温かいものを女将さんに「湯付きうどん」をお願いした。静かな店内には小さな液晶テレビの音だけが響く。昨年亡くなったアントニオ猪木が全盛期に店を訪れて息子さんと撮ったという古い写真が物悲しい。
しばらくして大きな鉢のたっぷりの湯に泳ぐうどんが運ばれた。見るからにうどんの量が多め。猪口の上にセットされた小皿には刻みネギ、擦り生姜、擦り胡麻が。つゆは濃い色付きをしている。早速箸で手繰ってつゆに浸す。うどんはふわっとした口当たりだがコシが抜けている訳ではなく、いい感じ。旨い。つゆはかなり醤油辛い味わい。湯付きだからカエシを強くしているんだろうとは思うが、みりんとかの甘さもほとんど感じないストロングな味だ。自分には少々うどんの量が多かったが、お蔭で温まった。こちらの近辺は近いうちに取り壊しになるという話を聞いたことがあるが、どうなるのだろう? (勘定は¥650)
↓ 大垣城の敷地内にある「武徳殿」(昭和13年・1938・建造)◇。”武徳殿”とは戦前に全国各地に造られた剣道場だそう。格天井の立派な道場だが現在は資材置き場と化している。
味処 東京庵
岐阜県大垣市郭町1-76
( 大垣 おおがき くるわ町 とうきょうあん 麺類食堂 大衆食堂 和食 洋食 老舗 うどん そば ラーメン 中華そば 親子丼 )