The Night Watch / King Crimson (1997)
1997年に発売されたキング・クリムゾン(King Crimson)の、1973年オランダはアムステルダム公演を収録したライヴ盤2枚組。収録音源の中には翌年発売されたオリジナル・アルバム「Starless and Bible Black」にも収録されたパートがあるとのこと(クリムゾンはライヴ演奏の音源をオリジナル曲に使うことが多い)。ただし完全収録ではないようだ。この音源は大半がBBCで放送されたので、のちにブートレグでも出回った有名音源だとのこと。フリップ翁(Robert Fripp)はインタビューで、キング・クリムゾンのブートレグの大半(つまり人気のある音源)は73、74年のライヴ音源だと答えていた。それが我慢ならず、対抗して自身が設立した「Discipline Global Mobile」から次々とアーカイヴを発表している。現在はネットでも各種音源を発売しているから、確かに氏の思惑通りブートレグが追い付かないほどオフィシャルで音源が聴ける訳で、彼の試みは成功していると言える。
この時期はフリップに加え、ジョン・ウェットン(John Wetton)、デヴィッド・クロス(David Cross)、ビル・ブルーフォード(Bill Bruford)というラインナップ。4人で奏でるその音のハードさたるや、少人数だということを忘れてしまうほど。特にジョン・ウェットンのベースはブンブンと分厚く、歪みまくるハードな音。それに鋭いフリップのギター、変幻自在のブルーフォードのドラムス、貴重なアクセントとなっているデヴィッド・クロスのヴァイオリンと、人気があるのも納得の演奏内容。ま、メンバー間の仲はどうしようもなかったらしいが、こんなピリピリと緊張感の高い演奏を毎晩繰り広げていたら顔を見るのも嫌になるんだろうなァ。しかもバンマスは厳しいダメ出しもあるという気難しいフリップだし(苦笑)。
ネット・ショップにて購入(¥530)
Label : Discipline
ASIN : B000024UST
Disc : 2