The First Day / David Sylvian & Robert Fripp (1993)
2年ぐらい前から集中的に聴くようになったキング・クリムゾン(King Crimson)。レヴューは遅れているが、オリジナル・アルバムはもちろん、ライヴ盤、コンピ盤などもほとんど手に入れていて、メンバーのスピンオフまで聴くようになっている。これは1993年に発表された元ジャパン(Japan)のデイヴィッド・シルヴィアン(David Sylvian)とロバート・フリップ(Robert Fripp)によるアルバム。後追いで聴いている自分はもちろん当時聴いた覚えはないので、どの程度世間にインパクトがあったが知らないが、調べてみるとフリップはシルヴィアンのソロに参加した後、新生キング・クリムゾンのヴォーカルに迎え入れようとしていたようで、この作品もその動きの延長線上にあったようだ。
自分はジャパンをあまり聴いていないので、ミュージシャンとしてのシルヴィアンは少ししか知らないが、耽美な雰囲気のヴォーカルは昔のまま(って言ってもこれももう30年前の作品だけど)。これがフリップの奏でるサウンドスケープを含む観念的な音像によく合っている。インスト部分にシルヴィアンがどれぐらい関わっているのか分からないのだが、特に03、05、06のような長尺の曲でその相性の良さが出ている気がする(ライヴでこれをやられると寝てしまいそうだが・笑)。ここまでしっくりくる出来だったとは予想外。アルバム全体としてのまとまりもいい感じ。当時のフリップがクリムゾンのどういう展開を思い描いていたか分からないが、なるほど彼をクリムゾンにっていうフリップの気持ちも分かるような気がする。アルバムにスティックで参加しているトレイ・ガン(Trey Gunn)はこの後クリムゾンに正式参加。ドラムスを担当したピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)のバンドに居たジェリー・マロッタ(Jerry Marotta)も参加候補だったそうだがそちらは流れている。その辺りの境が何なのか興味深い。
ネット・ショップにて購入(¥369)
- Label : Emd Int'l
- ASIN : B000000WJT
- Disc : 1