Kill'em All / Metallica (1983)
1983年発売のメタリカ(Metallica)のファースト・アルバム。何でも発表当時はヒットしなかったが、後から評価が上がって売上げが伸びたアルバムなのだとか。バンドは後に”スラッシュ・メタル”の先駆としてその名を轟かせたが、自分が興味を持ち始めたのは随分と遅く、オルタナティヴ・ロックが一般的になった90年代以降。当初見た目が全然ダメで聴くことがなかったメタリカの音楽は代表曲のいくつかが引っ掛かり、だんだんしっくりくるようになっていった。
1983年といえばまだMTVを始めとするヴィジュアル戦略にのったアーティストが大活躍中の頃。ヘヴィー・メタル勢は”ヘアー・メタル”とか呼ばれたメイクをした派手な長髪バンドが多かった。その頃のことを考えたら確かにこのサウンドは異質かも。高速で展開するハードな音と複雑なコード進行をする曲は、ヒットさせようとしていないと思われても仕方のないメイン・ストリームからは外れたもの。
まだジェームス(James Hetfield)のヴォーカルも軽い感じがするし、歌詞に関しては正直共感というか認識しづらい内容(根本にあるキリスト教的な考え方もあるしね)。いかにもなギター・ソロも個人的には正直苦手な部類だ。ただ曲によっては05のインストのように明らかに他のバンドとアプローチが違うのが分かるし、それに続く06「Whiplash」なんかはメタリカらしさが詰まっていてカッコイイ。ある種の衝動を引き起こさせるような曲展開がファンにとっては堪らないんだろうなァ。この異端が米ロック界に君臨する大御所になるんだから凄い。
ネット・ショップにて購入(¥465)
- レーベル : Elektra / Wea
- ASIN : B000002H5E
- ディスク枚数 : 1