Velvet Underground & Nico (45th Anniversary New Deluxe Edition) / Velvet Underground & Nico (2012)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(Velvet Underground)の記念すべきファースト・アルバムが発売されたのは1967年。当時はさっぱりなセールスだったこのアルバムも、現在ではロックを語るうえで絶対に外せない名盤の地位を確立している。自分が最初に聴いたのはまだ学生の頃だったけれど、冒頭でいきなり牧歌的に始まる「Sunday Morning」に戸惑い、その後に続くアヴァンギャルドな曲群と世界観にまた戸惑った。とどめはノイズの洪水「The Black Angel's Death Song」「European Sun」。結局、CD初盤、アナログ盤、リマスターCD、CDボックスセット、デラックス・エディションと、様々な形態で所有することになった。今では量販店にも売っていたりするので気恥ずかしいが、高校生の頃はアメリカのマイナーなレコード・ショップで買ってきたこのバナナのデザインのTシャツを着ていたこともあったなァ。
こちらは45周年記念で発売された新しいデラックス・エディション。当初2002年に発売されたデラックス・エディションはモノラル音源と、ニコ(Nico)のソロ・アルバム収録曲(演奏はVU)、シングル・ヴァージョンを収録していたが、この2012年盤はライヴ演奏を含む6枚組で発売された。今回自分が購入したのは2枚組で、オリジナル・アルバムの他に、「Scepter Studios acetate version」と呼ばれる別ヴァージョン、ファクトリーでのリハーサル音源が収録されているもの。そもそも音源の元になったそのアセテート盤(内輪でレコーディングの試聴用に作られる盤)は、2002年にフリーマーケットで75セントで購入されたもの。それがオークションに出されてファンの間で話題になった。自分は当時「Norman Dolph's original acetate recording」と称されたこの音源を、少し後になってからブートレグで聴いたが、プツプツと針音がするものの、あの名盤の別ヴァージョンの存在に興奮した。
こちらはさすが正規盤とあって音質も良く、もちろん針音も無い。いきなり件の「European Sun」「The Black Angel's Death Song」というノイジーな2曲から始まるのが刺激的。何でも9曲中この2曲を含む4曲は元テープから収録され、残り5曲は実際にアセテート盤から起こされているのだそう。ヴォーカルやギター・ソロが違ったり、曲自体長かったりと、オリジナルを聴きこんでいれば新鮮に楽しめる。にしても曲の構成などは意外にもほとんど変わらないので、これが正式発売までに手直しされた過程の方が興味深い。当時のロック界はまだブリティッシュ・ビート・バンドの旋風がようやく落ち着き、それぞれのバンドが、サイケデリックやフラワー・ムーヴメントの影響が強く出始めた頃。そんな時代に、ゲイ、SM、ドラッグ等のダークな世界を扱い、アンニュイなドイツ語訛りの女性を迎え入れ、フィードバックで不協和音を響かせ、ノイズの洪水をレコードに収めた先進性は、やっぱりスゴイ。
オークションにて購入(¥1,035)
- Label : Polydor / Umgd
- ASIN : B008RZ99DY
- Disc : 2
>葬式に流したい1枚
葬式にこの曲の内容を知る人がいないように祈ります…(汗)。
「The Black Angel's Death Song」が流れてきたら私は感動しますけれど(笑)。
このあたりの音楽はこれから勉強です。
>「後で買う」に入れっぱなし
あれ不思議とすぐ買う気になりませんね。私も気になっているのにずーっと入った
ままのアルバムが10枚くらいあります。
>これから勉強
今は過去の名盤でも次から次へと色んな企画で再発されるのでどれを聴いたらいいか
とか、どれを買おうかと悩ましいですね。何ならフィジカルで買わずにダウンロード
、あるいはネットで視聴していっそ買わないっていう手もありますし。でも昔のような
”飢餓感”こそ最良のスパイスだったかもしれません。