The Best Of Mose Allison / Mose Allison (1970)
ジャズ・ピアニスト、モーズ・アリソン(Mose Allison)のベスト盤。オリジナルは12曲収録だが、購入したこのCDは20曲入りなので拡大再編集されているようだ。そもそもはザ・フー(The Who)のピート・タウンゼント(Pete Townshend)が影響を受けたアーティストということで名前を知った。ザ・フーはかの名ライヴ盤「Live At Leeds」(1970)で彼の「Young Man Blues」をカヴァーしていて(この盤には未収録)、そのハードでドラマティックな音に刺激されてオリジナルを、と聴いてみたのだが、いわゆるジャズっぽくないタッチのピアノ演奏と、拍子抜けするような軽いヴォーカルで驚いた。そのオリジナルには惹かれた訳ではないのだが、もう少し聴いてみようと買ってみた次第。
ラッパも太鼓も入った演奏だけれど、どの曲を聴いてみてもやはり印象は変わらず、軽めでお洒落で都会的な感じ。言わずもがなだけれど、きっとジョージ―・フェイム(Georgie Fame)なんかも大きい影響を受けているだろう。ブルーズ・ベースの曲も泥臭いところはあまり感じられず、「Rollin' Stone」「Seventh Son」などの名曲も、オリジナルにあるような重さは全く感じられない。ピアノはあくまでバンドの音のひとつといった感じで、リーダーとはいえ前に出しゃばったりしない感じ。ヴォーカルもひっくり返ったりしてとても上手いとは言い難いが、何だかクセになる不思議な声だ。果たして彼の全盛期のターゲットはどこにあったんだろう。やっぱり若い白人層だったのかな。
中古店にて購入(¥255)
- Label : Atlantic / Wea
- ASIN : B000002I5Q
- Disc : 1
試しにしにオリジナルをYouTubeで聴いてみました。気の抜けたサイダーみたいなオリジナル(失礼な!)から、力強い荒くれたロックに変身するとは。
安いとはいえCDまで購入するハリーさんの探究心に脱帽デス!僕はThe Whoのライブバーションで十分かな(ヘタレです)。
>気の抜けたサイダー
うわー、これ以上的確なレビューがあったでしょうか!(苦笑)。
いや、ホントそんな感じ。でも何となく惹かれる雰囲気はあるんですよねー(ってピート信者ならではか)。
ネイティヴだと歌詞とかでその辺り補填されるのでしょうが、極東のオッサンにはそこまで聴きとれないのが
悩ましいですよね。いや、私もザ・フーのライヴ・ヴァージョンで充分です(笑)。