Préliminaires / Iggy Pop (2009)
パンクのゴッドファーザーでありながら、なおも現役で引き締まった裸体を聴衆にぶつける淫力魔人(笑)イギー・ポップ(Iggy Pop)。彼の長いキャリアの中でも一番の問題作と言われる2009年に発売された「Préliminaires」。発売前から「イギーがジャズ・ヴォーカル・アルバムを…」と話題になった作品。発売当初に音源としては聴いていたが、遅ればせながらちゃんとフィジカルでも買ってしっかり聴いてみた。
ジャケットからしてアートっぽい香りがプンプン。いきなりアンニュイなイギーのフランス語の呟きから始まり、しっとりと落ち着いたヴォーカルが聞こえてくる。かの「枯葉」のカヴァー。いやぁ、いい声だ。イギーはフランク・シナトラ(Frank Sinatra)をフェイヴァリット・アーティストに挙げるぐらいなのでそういう素養というか願望もあったのかもしれないが、彼の低音ヴォーカルはこういう曲にぴったりとハマっている。にしてもこんな歌心があったとは。03はさらにオールド・スタイルのジャズ。04で初めてロック・ドラムの曲が出てくるが、これも女性のフレンチが聞こえてくる異色なナンバー。ただ全編この調子という訳ではなく、ロックな曲も収録されている。にしてもどの曲をとってもいわゆるイギーのステレオタイプからは外れた曲。よく他のアーティストとコラボして違うジャンルにも平気で飛び込むイギーだが、それらでも違和感なくしっくりきていたのが納得出来るような懐の深さ。何しろイギーのヴォーカルがイイ。英BBCネットラジオで彼がMCを担当する音楽番組「Iggy Confidential」が大好きで聴いているけれど、そこでもイギーの喋る低い声はとても心地良い。
ネットで購入(¥500)
- Label : Astralwerks
- ASIN : B0023HPI1E
- Disc : 1
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