ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

仲佐 @岐阜県下呂市

2015年05月21日 | 岐阜県(飛騨)

「趣味蕎麦」好きの中では知らない人のない、全国に名の知られた名店「仲佐」。なかなか下呂温泉まで行く機会がないので、道路脇の藤の花が見頃な時期に、バイクでツーリングがてら行ってみた。この店、様々な媒体で取り上げられ、頻繁に本にも紹介されているので、わざわざこの店目当てに下呂の田舎まで訪れる人が絶えないくらいの評判があると聞く。蕎麦好きなうちの両親はとっくの昔に訪問済みだとのこと。晴天のこの日、朝からバイクを走らせ、特に混む事のない国道41号線を気持ちよく北上した。この時期のバイクは気持ちいいなァ。目的のこの店に着くが、開店までまだ40分程あるとあって、さすがに周囲にはまだ人っ子一人おらず、時間を潰すために近所を散策した。古く歴史ある街ながら、周囲には思ったほど近代建築は残っておらず、時間を持て余す。

開店時間近くになると、さすがに次から次へと人が集まり始め、結局12人位並んだかな。都会ならまだしも、ここはドが付く田舎なので、すごい事です。名古屋ナンバーの車が多かったが、遠く関東のナンバーも。時間になると、お入り下さいと呼ばれるが、予約している人もあって、そういう人を先に呼ぶのかどうなのか分かりにくく、1人だった自分はすぐにカウンターに案内されたものの、自分のすぐあとに並んでいた赤ちゃん連れの3人家族が、果たして順番通り案内されたのか気にかかる。

それはさて置き、迷ったが注文は「蕎麦掻(そばがき)」と「手挽きざる」という基本的なものにしておいた。待っている間にも続々と客が集まってくる。給仕の女性が数名立ち働いていて、店内は現代風なものの、ごく普通の和食の店という感じ。厨房の様子は全く見えず分からない。自分の座ったカウンター周りも特に凛としたところは無く、無造作に雑誌が積まれていたりと自然体な感じ。名が通った店だけに、ある程度ピンとした空気があるのかなと思っていたので意外だった。

しばらくして、まず限定数という蕎麦掻が運ばれる。湯には浸かっておらず、捏ねられたまま小鉢に入れられ、山葵がちょこんと載せられて出てきた。生醤油でいただく。一応、匙も用意されていたが箸で持ち上がる位の粘度。存在感がある割に滑らかな口当たりで、旨い。これは酒が欲しくなるなァ。あっという間に食べ終わると、程なくしてざる蕎麦が用意された。高杯のようなざるに載せられていて、一見して量は少なめ。キリッとした姿と艶がとても美しい。粗い麺肌の蕎麦は短く切られていて、喉越しよりも、噛んで風味を楽しみたいタイプ。つゆはたまり醤油由来(だろう)の風味が強くて濃いもの。いわゆる辛汁とは違って独特。あまり漬け過ぎると蕎麦の風味が飛んでしまいそうなので、ほどほどにしておいた。少量の辛味大根が少し添えられている。張りの強い蕎麦は、ちょっとオーバーな表現だけれど、口の中で跳ねまわるような印象。普通に手繰っているとあっという間に無くなってしまうので、口の中である程度食感と風味を楽しむ。蕎麦湯は少し濁りがあるがサラッとしたタイプのもの。濃いつゆに辛味大根を少し足し、割っていただいた。趣味蕎麦なので、量的には満たされないし、値も張るが、評判通り旨い蕎麦だった。(勘定は蕎麦掻が¥1,700、蕎麦が¥1,100)

この後の記事はこちら

 ↓ 駅の反対側で見つけた木造3階建ての立派な建物。今は使われていない様子。旅館だったのかな?

 

仲佐

岐阜県下呂市森918-47

 

( 下呂 下呂温泉 そば 蕎麦 そばがき そば掻き 蕎麦がき 石臼 手挽き 自家製 蕎麦料理仲佐 )

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No Frills / Bette Midler

2015年05月20日 | エイティーズ

No Frills / Bette Midler (1983)

シンガーであり、女優であり、コメディアンでもあるベット・ミドラー(Bette Midler)の1983年の作品。当時はレコードを持っていた訳ではなかったが、ストーンズ(The Rolling Stones)のカヴァー「Beast of Burden」が収録されていて、この曲のPVにはミック・ジャガー(Mick Jagger)がボーイフレンド役でカメオ出演していて愉快だったので、VHSビデオテープに録画したものを何度も何度も繰り返し見た覚えがある。ベットの歌いっぷりも豪快でさすが。数多いストーンズのカヴァーの中でも、自分の中ではかなり上位に位置している傑作だ。この曲のレコーディング・メンバーを調べるためにライナーを見ていてびっくり。ジム・ケルトナー(Jim Keltner)がドラムス、ティム・ドラモンド(Tim Drummond・1月に他界)がベース、ダニー・コーチマー(Danny Kortchmar)がギター。これってすごくないか? 彼らがバックだとは全然知らなかったが、アメリカン・ロックを語るのに欠かせない裏メンバーじゃないか。しかも他の曲にはのちにキース(Keith Richards)とつるむ事になるワディ・ワクテル(Waddy Wachtel)の名も。

日本でベット・ミドラーはそんなに大きな扱いを受けていないけど、本国アメリカではまさにショービズ界の女王といった感じで、そのスーパースターぶりに驚いたことがある。音楽的には彼女が主演を演じた、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)がモデルとも言われる映画「ザ・ローズ」のサントラが一番有名なのかな。その後は色々な種類の音楽をやっているが、なんでもこなせる天賦の才能があるのだろう。このアルバムでも80年代らしくポップなサウンドの中に、軽快なロック、しっとりとしたバラード、トロピカルな雰囲気の曲を織り交ぜていて、こんなにいいアルバムだとは思わなかった(←本国では彼女にしては珍しく全然売れなかったらしい…)。

ブックオフにて購入(¥280)

 

 

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和可菜 @東京・神楽坂 (※閉館)

2015年05月19日 | 東京都(老舗)

今回、上京して初日の宿泊先に選んだのは、神楽坂にある「旅館 和可菜」。創業は昭和29年(1954)。以前に、この旅館について書かれた本を読んだことがあって、客室数わずか5室のここに、いつかは泊まってみたいと思っていた。旅館についての情報は少なかったが、思い切って電話してみる。訪問日時を告げると、名前と電話番号を訊かれ、予約完了。あまりのあっけなさにちょっと心配になるほど。

久しぶりに飯田橋駅で降りる。この神楽坂界隈を歩いたのは学生の時以来だから、もう20年以上前。若い頃はこういう街に大した興味は無く、今ほど若い人向けの店舗、飲食店は無かったこともあって、素通りして早稲田方面に抜けた事があるくらいだったと思う。坂を上って行く道すがらにも細い脇道がいくつも見え、石畳の風景が目に入る。人が1人やっと通れる位の本当に細い路地なのでワクワク。土地勘がないので、そういう路地を何度もウロウロしながらゆっくり街を散策した。洒落た店が増えている事もあってか、若い人も多く、カメラを持って歩く人や、テレビ取材だろうクルーなんかも目に入る。近辺を何度もグルグルと廻り、だいたいの方向感覚が身についてきたところで宿へ。

 

一段と雰囲気のある石畳の通りの先に黒塀の趣ある旅館入口があった。なるほど絵になる素晴しい佇まい。しっとりと落ち着いていて、石畳が雨に濡れたら更にいいだろうなと感じる(実際に夜、小雨が降ってとてもいい雰囲気になった)。それでも周りは更地にされたばかりの土地や、新しい建物がいくつも出来ているので、この雰囲気をずっと維持するのはなかなか難しそう。それこそバブル期より前はもっと特別な雰囲気だっただろうなァ。

 

 

予約の名前を告げると、すぐに部屋に案内された。特に台帳記入も何もない。古い建物ではあるが、しっかりと手入れされていて、いわゆる「コンセプト」でゴリゴリに固まった意匠とは違う、自然な風情がいい。部屋は玄関から上がってすぐの部屋(「桐」の間だったかな)。掘りごたつがあり、すでに布団が敷いてある。庭も眺める事が出来て、東京で泊まっている事を忘れてしまうほど、とても落ち着く空間だった。もちろん風呂、洗面、トイレは共同。金物の洗面台や、建具の真鍮製ねじ締りなど、自分達の世代でギリギリ知っている位の古いものがまだ現役。お茶をいただいていると、部屋からは玄関外の気配がよく分かり、雰囲気あるこの宿の前で写真を撮る女性達の嬌声が微かに聞こえてくる。

 

風呂で軽く汗を流して脱衣所から出た時に、ご高齢の主人(紹介はこちら)にもお会いする事が出来て、ひと言だけ挨拶。

こちらで食事をしたのは翌朝の朝食。旅館に入った時に、朝8時からならいつでもと時間を訊かれたので、8時にお願いしておいた。もちろん部屋に運んでもらえる。お櫃に入ったご飯、味噌汁、鮭の切り身、肉じゃが、香の物といった内容。鮭の切り身がとても大きく、肉厚で、旨い。料理は家庭的な味付けで、全体に量も多く、ご飯が食べ切れなかった(「うちのご飯は量が多いんですよ」とのこと)。外の石畳の上を歩く人達の靴音を聞きながら、朝から旨い飯をしみじみと味わった。旅先でこんな朝を迎えると気分がいい。「ホン書き」でこの宿にカンヅメになった映画監督、脚本家や作家たちはどんな気分で朝を迎えたのだろうか(悶え苦しんでいたかも・笑)。(勘定は朝食付き1泊¥12,000)

※営業を終了され、2015年末からは宿泊客を受け入れていないとのこと。とても残念です。

 旅館 和可菜

東京都新宿区神楽坂4-7

( 神楽坂 わかな 旅館和可菜 神楽坂ホン書き旅館 黒川鍾信 和田敏子 木暮実千代 野坂昭如 色川武大 山田洋次 )

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割烹 とよだ @東京・日本橋

2015年05月18日 | 東京都(老舗)

日本橋室町のコレド室町のすぐ近くにある、創業が文久3年(1863)という歴史ある日本料理の店「割烹とよだ」。老舗の集まる付近の路地に、朱と黒に塗り分けられた壁の建物がある。店先はやはり凛とした感じで、店頭に品書きが置いてなかったら、ちょっとランチをなんていう雰囲気ではないかも。暖簾をくぐると、昼どきとあってカウンター席は女性客で一杯。モダンな感じの店内は、思ったよりも狭いスペースで、昼はこの間だけ使われているのかな。混む時間とあって、相席をお願いされ、テーブル席に腰を下ろす。主人と思しき姿は見えないので、昼は若い衆が調理をこなすのだろう。いくつかある昼の品書きから定番らしき「とよだ弁当」(刺身無し)を注文した。

老舗割烹とあって、客はある程度年輩の上品な方が多い。しばらくして2つに仕切られた重に入ったおかずと、ご飯、味噌汁が運ばれる。弁当の内容は、焼物、煮物、揚げ物、玉子などがバランスよく詰められた、いわゆる松花堂弁当の簡単なもの。フライも入っていたがプラスチックのソース入れが添えられていたのは意外だった。多分仕出しで出す弁当と同じなんだろう。内容は賑やかだが、弁当とあってある程度作り置かれたものが多いし、ここならではというものはさすがに見当たらなかったので、ここは季節の弁当(筍ごはん)を選ぶべきだったかな。(勘定は¥1,500)

 ↓ 「日銀本店」(写真は東出入口)を北へ行くと、昭和4年(1929)建造の復興小学校「常盤(ときわ)小学校」。銀座「泰明小学校」と同じく関東大震災後のRC建築で都選定歴史的建造物

 

 ↓ こちらも同様の復興小学校建築「十思(じっし)スクエア(元・十思小学校)」(昭和3年・1928・建造)。小伝馬町にあり、現在は地域のコミュニティー施設として使用されている。

 

 ↓ 富沢町にある「ハリオグラスビル(元・川崎貯蓄銀行富沢町支店)」(昭和7年・1932・建造)。2000年からHARIO株式会社が本社として使用しているとのこと。

割烹 とよだ

東京都中央区日本橋室町1-12-3

( 日本橋とよだ かっぽう とよだ 大江戸料理番付 復興建築 復興小学校 中央区立 常盤小学校 十思小学校 ときわ じっし )

 

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Boulevard / St Germain

2015年05月17日 | ジャズ

 

Boulevard / St Germain (1995)

フランス人DJのLudovic Navarreによる(ユニット?)「St Germain」。どのカテゴリーに入れようか迷ったが、ハウス・ミュージック×ジャズという感じのクールなエレクトリック・ダンス・ミュージック。こういうスタイルの音楽はすっかり巷に浸透したので、今更ジャズ・ハウスうんぬんとは呼ばれないとは思うが、当時は打ち込み系のリズム音とジャジーな音楽の融合というのはとても新鮮だった。自分も「レア・グル―ヴ」なんていう視点から、いろいろ触手を伸ばして聴いてみて、聴く音楽の幅が拡がったように思う。

初めてこのSt Germainを知ったのはストーンズ(The Rolling Stones)の2003年のリックス・ツアーで、ステージ移動のブリッジに彼らの曲が使われたから。いつも先端流行音楽が好きなミック・ジャガー(Mick Jagger)の好みだとは思うが、ダンサブルな音楽にフレンチ・テイストの混ざった曲はお洒落でカッコよかった。昔から、ややもするとひとつのジャンルを微に入り細に入り詳しく探索していくことはあっても、この歳になるとなかなか新しい音楽に出会おうという機会はないものだが、気持ちの若いミック・ジャガー先生には、いつも様々な新しい音楽の窓口となっていただいている事が多い。

このアルバム、ヒットしたのは主にイギリスで、元々はフランスで1995年に発表されたもの。アメリカでは2002年にやっと再発表という形になったのだとか。基本、リフレインを続けるシンプルな打ち込み系のリズムとジャジーなベース・ラインに、キーボードやラッパなど様々な楽器のテイストが加わるインスト曲ばかりで、ところどころにフランス語や英語のナレーションが入る。1995年のハウス・ミュージックの全体像がどんなだったかもうあまり思い出せないが、今聴いても音の感じが全然古びていないので、当時としてはかなり洗練されていたんじゃないかな。

オークションにて購入(¥344)

  • CD (2002/3/26)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label: Pias America

( The Rolling Stones ローリング・ストーンズ Licks Tour 2003 Rose Rouge )

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ぼたん @東京・神田須田町

2015年05月16日 | 東京都(老舗)

 

神田食味新道に載っている歴史ある神田須田町(旧・連雀町)の店で唯一未訪だった鳥すきやきの「ぼたん」にやっと行く事が出来た。創業が明治30年(1897)頃で、建物は関東大震災後に建てられた昭和初期(昭和4年とか)の建築(都選定歴史的建造物)。隣の区画にはあんこう鍋の「いせ源」、斜め向かいの区画には揚げまんじゅうの「竹むら」という、タイムスリップしたような贅沢過ぎる立地。鍋なので出来れば1人じゃない方が…と思っていたのだが、連れとどうしても予定が合わせられず、単独で訪問することに。平日の昼時をかなり過ぎた時間だったが、老舗らしく中休みが無いので、風情ある玄関口を通り、1人では入り辛かった老舗の引戸を思い切って開ける。

玄関先で仲居さんが「こういう料理ですがよろしいでしょうか?」と品書きを見せてくれた。鍋で1人だったので確認されたのだろうか、それとも午後の遅い時間に、安くない値段なので念を押されたのだろうか。「もちろんです」と答え、靴を脱ぐ。普通なら下足札をもらうのだろうが、客は自分しか居ないようで、そのまま1階奥の小部屋へ。さすがに他には誰も客がいない。歴史ある建物の風情に浸りながら、籐の敷物の上に敷かれた座布団に腰を下ろすと、すぐに料理の準備が始まった。しっかり火の熾った炭が用意され、こんろの上に「牡丹」の銘の入った浅い鉄鍋が置かれる。炭を入れるこんろの周りは銅板になっている。酒を冷や(常温)で注文して、準備万端。仲居さんが酒とお通しの佃煮を持ってきてくれ、鍋の最初の分は作ってくれる。広く静かな風情ある店内で、たった1人、仲居さんの調理を見守りつつ酒を飲んでいると、なんだか不思議な気分。ある意味すごく贅沢で、特異な体験だ。歴史的な建物と料理を独り占め。

残りの調理の説明を受け、仲居さんは離れ、酒で舌を湿らせつつ出来あがりを待つ。やがて鶏肉に火が通った。炭なので火の大きさは調節出来ず、グツグツと強く煮立っている。まずひとつ口に入れてみると、しっかりした食感の鶏肉で抜群に旨い。やや甘めの割り下の加減もよく、色んな部位が入っているので、ひと口ひと口違う風味が楽しめる。そのままいただいたり、生玉子に漬けて食べたり。ざく(葱、しらたき、豆腐)も味が染みて食べごろになった。つくねは普段食べているものより粗くまとまっているが、頼りない食感ではなく、存在感があって旨い。今までやったことないけれど、自分でも鶏肉ですきやき、試してみよう。余計なBGMは何も無い、鍋の煮える音と、遠くの板場で調理人と仲居がしゃべる声だけが微かに聴こえる空間で舌鼓を打った。

ちょこちょこ食べ歩いているのでお腹は充分にいっぱい。でもご飯があるというので、せっかくなのでほんの少しだけつけてもらった。玉子丼にも雑炊にも出来ると言われたが、雑炊は残してしまいそうだったので、鍋の残りに生玉子を溶いて入れてもらい、茶碗のご飯にたっぷりかけて至福の締め。香の物と共にいただいた。水菓子は丸ごとのみかん。勘定をしてもらい、店をあとにする。大満足。今度は連れと一緒に、雰囲気の違う賑やかな大広間を味わってみたいな。(勘定は¥7,600)

 ↓ 伝票の図柄も印鑑も素敵だ(写真右)。

 

↓ 斜め向かいにあった銅板建築(現「アナンダ工房」)(詳細不明)。よく見ると一番上になんだか艶めかしい2匹の獅子(?)が寝そべっている。

 

 ↓ 須田町交差点にある風格あるビル「鷹岡(株)東京支店」(昭和10年・1935建造)。本社は大阪の洋服卸会社。

 

 ↓ 以前は早朝で中に入れなかった「東京復活大聖堂教会(通称・ニコライ堂)」(明治24年・1891建造・1929修復)。中のステンドグラスは見事だった(内部撮影は禁止)。

 

 ↓ イエス・キリスト様も、日本では日本語の書物を持つ。「太初に言有り、言は神と共に有り」と書かれている。

 

鳥すきやき ぼたん

東京都千代田区神田須田町1-15

( 神田 鶏すきやき 鳥すき焼 連雀町 ニコライ堂 教会 池波正太郎 ) 

 

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ロザリエッタ @岐阜県加茂郡坂祝町

2015年05月15日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県の坂祝町(さかほぎちょう)の田舎道にあるイタリアン・レストラン「ロザリエッタ(Rosarietta)」。こちらには以前から何度も行った事があって、何年ぶりかの久しぶりの訪問。その頃は休日のランチ時分になると予約無しでは外で待たなければいけないほど盛況だった。久しぶりに予約なしで店に行ってみると、運良くすぐに座る事が出来たが、自分のあとに来た客からはすぐに待ちが出ていたので、相変わらずの人気。すごい。手作り感が感じられる店内は、手作りケーキやデザートの並べられたショーケースもある。ピッツァ用の専用窯も。主人の他には女性給仕が2人。体格のよいここの主人が作るものって何でも旨そうで、他のテーブルに運ばれていくものも食べたくなります。

自分はこの店とあまり相性が良くなく、予約した日がたまたま店内イベントと重なって慌ただしかったり、あまり慣れていない給仕の子に当たって、メインの前にコーヒーが出てきてしまったり(笑)と、不運が幾度も重なったので、だんだん足が遠のいてしまっていた。いつも料理はおいしいので、そういう巡り合わせが悪いだけなんだけれど。

人気のある前菜のブッフェ(テーブル上に何種もの前菜が置いてあり、自分で好きなだけ取って食べる事が出来る)も選択できるが、この日はパスタランチを注文。まずシンプルな野菜サラダが出てきた。味が濃いというか、旨味がしっかり強い。この店で出てくる野菜はいつも本当においしいと思う。だんだん混んできた店内は、客の注文が重なりはじめ、慌ただしさが増して嫌な予感。案の定、明らかに自分の所に来るはずだったパスタが他所に行き、食後に頼んだエスプレッソが先に出てきた(笑)。あれっ、料理と一緒にって注文し間違えたかな?とそのままにしておいたら、随分経った後に調理をこなしていた主人が異変に気付いたようで、ことわりがあった後、急遽自分の分のパスタの調理が始まる…。デジャヴ…。

この日の日替わりパスタは季節の素材を使ったもの。晩春ということで、旬でもある「あさりと筍の白ワインソース」。ほんの少しの塩加減でも台無しにもなりかねないシンプルなメニューなので、自分はこういったビアンコ(塩味のパスタ)の調理は苦手(1人分ならいいけど)。さすが主人の作るパスタの塩梅は言うことなし。旨かった。作り直してくれたエスプレッソを飲んでお勘定。前にもここで買って帰ったケーキは旨かったので、ショーケースにあった限定の「いちごロール」(フレッシュで旨かった)を持ち帰りで購入した。

他の客と主人の会話を聞いていたら、この日は奥様が不在で手が足らなかったとのこと。こういう状況だったので、どうしても満足度は下がってしまうが、料理はいつもおいしいので、なんとか店が落ち着いた状態の時に食べたいなァ…。(勘定はランチが¥1,200、持ち帰りロールケーキが¥800)

ロザリエッタ (Rosarietta)

岐阜県加茂郡坂祝町酒倉980-3

( 坂祝 さかほぎ イタリアン ピザ )

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Revelator / Tedeschi Trucks Band

2015年05月14日 | オルタナティヴ・ロック

Revelator / Tedeschi Trucks Band (2011)

昨年の来日公演が素晴しかったテデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)のデビュー・アルバム。どちらも(夫デレク・トラックスと妻スーザン・テデスキ)この時点で充分キャリアのあるアーティストだったし、このアルバム以前から一緒に活動もしていたので、いわゆる新人とは言えなかったが、さすがに評価も高く、各方面で絶賛だったと記憶している。デレク・トラックス(Derek Trucks)はエリック・クラプトン(Eric Clapton)のライヴに同行した2006年の来日公演で観ていたものの、バンドとしての彼らの音を初めて聴いたのは随分遅く、実を言うとまだ数年前。

このアルバムは音源としては持っていたけど、最近CDで買い直した。紙の折りたたみスリーヴにCDが入っているので、CDを取り出した時に、ついビリッと破いてしまう…(←普段中古ばかり買っているので扱いが雑です)。スーザンの落ち着いたヴォーカルと、デレクらしいギターをたっぷりとフィーチャーした1から始まり、ライヴで定番曲化した2、3、4を挟むと俄然盛り上がる。他はしっとりと落ち着いた曲が多いが、どの曲においても独特なデレクのギターのトーンは健在。2つのバンドが合体した大所帯だけあって、雰囲気が彼らもカヴァーしているジョー・コッカー(Joe Cocker)のマッド・ドッグス&イングリッシュメン(Mad Dogs & Englishmen)によく似ている。ただ、ライヴでのあの凄いギターの音をダイレクトに体験してしまうと、CDではちょっと物足りなく感じるのも確か。自分の耳とスピーカーの間に1枚膜が張ってる様な…。一度ハイエンドな高級オーディオで聴いてみたい気がする。個人的にはアルバムとしての構成が少ししっくりとこないが、内容はやはり素晴しい。

amazonにて購入(¥728)

  • CD (2011/6/7)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Sony Legacy

 

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重盛永信堂総本店 @東京・人形町

2015年05月13日 | 東京都(老舗)

 

日本橋人形町の水天宮前の交差点にビルを構える創業が大正6年(1917)の「重盛永信堂総本店」。大きな看板にあるとおり人形焼で有名なお店。今では都内を中心に分店が3軒、支店が9軒あるという。広い交差点に面した売り場には次から次へとひっきりなしに客が並んでいる。お土産として買う観光客から、近所のOLさんらしき人達、進物として買い求める人達など様々。店の奥には手焼きをしているガラスで仕切られた作業場があり、その様子も少し覗く事が出来る。職人が何人か座って作業中で、壁には焼き型がたくさん並んで掛けられている。食べ歩いている途中なので、人形焼ひとつと、餡の入っていないカステラ焼をひとつだけ買い求めた。

勧進帳・弁慶像のある、昔は堀割だった浜町緑道に自転車を停め、木陰でまず小さいカステラ焼を口に放り込む。フワッと柔らかい口当たりで、これだけでもほのかな甘さがある。色んな形があるのも楽しい。うっかり自分が食べたカステラ焼の形をしっかり確かめなかったが、HPで見てみると、鉄兜、銃、日章旗、飛行機など、戦時の色濃いものばかり。時代が窺えて興味深い。人形焼はたっぷりとこし餡が入っている。これも口当たり柔らかく、餡も滑らかで、旨い。

この辺りには路地に入ると、まだまだ見応えのある近代建築が残っている。さすが老舗の集まる人形町。ゆっくり見て廻るのも楽しい。でもシャッターを下ろし、人気の無さそうな建物も多いから、これからどんどん少なくなるのは間違いないだろう。 

 ↓ 午後6時になると角打ち(立ち呑み)が出来るという昔懐かしい佇まいの酒屋「加島酒店」と、緑青が渋い足袋とトロフィー(?)の店「伊勢利」。営業してるかな?

 

 重盛永信堂総本店

東京都中央区日本橋人形町2-1-1

( 人形町 水天宮 重盛永信堂 永信堂 人形焼き ゼイタク煎餅 立ち飲み 伊勢利御誂足袋店 伊勢利トロフィー )

 

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神田 笹鮨 @東京・神田

2015年05月12日 | 東京都(老舗)

初めて神田鍛冶町の老舗鮨屋「神田 笹鮨」へ。創業は明治36年(1903)とのこと。出自は屋台だそうで、いわゆる街場の鮨屋なんだけれど、昔ながらの江戸前鮨の仕事を守る貴重な店だということで、前からずっと訪問したいと思っていた。HPにも戦後に出て来たようなタネは置かないと、甘海老やネギトロなんかも出さないし、季節にないタネも出さない、と書いてある昔堅気の店。椀物も出さないというから徹底している。

ガラスの4枚引戸を開けて暖簾をくぐると、右側にカウンター、左側にテーブル席がある。建物は古そうだが、中は綺麗に改装してあるようだ。この日は遅い時間ではあったが、先客がカウンターに若いカップル2人と常連と思しき中年男性1人。この日はあえてカウンターへは座らず、最初からお決まり1人前を食べようと思っていたのでテーブル席に腰を下ろした。おしぼりを持ってきてくれた若い衆(注・主人と比べて)にお茶を頼み、漬け場に立つ老齢の主人に握りの「並」を注文した。ピシッと返事をされた主人が黙々と握り始めた。主人は鮨職人という言葉がぴったりの雰囲気で、なるほどこの人なら昔からの仕事を守り通しそうだと思う。見るからに頑固そうな主人だが、一見客の若造である自分にも受け答えは丁寧で、しっかりと「わきまえている」人だという事が分かる。

しばらくして皿盛りの「並」一人前が運ばれる。赤身、白身、烏賊、締め物、煮烏賊、玉子、巻物という王道の盛り。握りは今の感覚でいうとやや大きめ、酢飯はしっかり酸味が強い。タネはもちろん高級店のそれとは比較出来ない。特筆すべきはやはり煮ツメが塗られた煮烏賊と、薄焼きの玉子。どちらも江戸前の古くからある握りだが、今となっては出す店も限られている(と思う)。鞍掛けじゃない薄焼き玉子は日本橋の「吉野鮨本店」かその系統くらいしか思い浮かばないけど、他にも出している店はあるのかな。冷たくなった厚焼き玉子を乗っけるよりも絶対この方が旨いと思うんだけどな。この日は総じて酢飯の口当たりが自分の好みとはちょっと違ったが、煮る、締める、漬ける、といったような基本的だが廃れつつある仕事のされた江戸前握りを、安価で手軽にいただく事が出来るというのは本当に素晴しいと思う。次は好きにいろいろ頼んでみたいな。(勘定は¥1,500)

 

 ↑ 神田須田町にある海老原商店(昭和3年・1928建造)。近辺はバブル期に地上げ屋に狙われ(不審火多発で、こちらも被害にあったとか…)、看板建築も僅かしか残っていない。

 ↑ 少し先にある銅板の緑青が渋い「岡昌裏地ボタン店」(昭和3年・1928建造)。こんな建物がずらっと並んだ街並みを見てみたかったなァ。

 

 ↑ 鍛冶町の中央通り沿いにある「山梨中央銀行東京支店(旧・第十銀行)」(昭和6年・1931建造)

神田 笹鮨

東京都千代田区鍛冶町2-8-5

( 神田 かんだ 神田笹鮨 かんだ笹鮨 笹すし 笹寿司 江戸前鮨 江戸前寿司 江戸前寿し )

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