ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

かめ家 @愛知県小牧市

2016年10月21日 | 愛知県(尾張)

「一度たべたら忘れられない!!」こんな幟(のぼり)が出ていたら行かずにはいられないだろう小牧市の「手打うどん・かめ家」。店の前を通った時に幟を見かけ、Uターンして戻って駐車場へ。店に入ると広い土間に沢山のテーブル席が並んでいる。給仕の女の子も数人居て活気がありそう。卓上のメニューにも壁にも色々なうどんが載っている。もちろん幟に書かれた「ぶっかけうどん」一択(この地方らしく「ころうどん」もあったが、内容は違うのだろうか)。大風呂敷(失礼)を掲げたうどんがどんなものか、試してみたくなるのは当然だよね。大きさは小と大があったので小をお願いした。

注文後に恒例のメニュー2度見をしていると、驚く程あっという間にうどんが運ばれた。茹で時間からすると…(略)。大きめの丼ぶりの中に入ったうどんは細身。量はしっかりある。上には天かすとねぎとレモンがのっていて、大根おろしは別皿に。手打ちだという麺をまず手繰る。さぬきのように強いコシがある訳ではないが、しっかりと角が立って悪くない。別の容器に入ったつゆを回しかけ、しっかり辛味のあるおろしものせて、麺と絡めて手繰った。つゆはしっかり冷たいが、うどんはあまりキリッと締められておらず、出汁感の強くないつゆと相まって、何と言うか…「鮮度」に欠ける印象。店に入ってから食べ終わって店を出るまで、たったの5分。訪問した日が暑かったこともあって、何だかぼんやりとした印象になってしまった。これだったら暑くても温かいうどんに天ぷらでものせた方が良かったかナ。涼しくなってきたから、今度は煮込みでどんな麺が出るか試してみよう。(勘定は¥510)

 


 

↓ 「小牧高等学校校門(旧・愛知県立小牧中学校校門)」(昭和4年・1929・建造)。この日はスポーツ大会があって一般の人も構内に入っていたので便乗して敷地内へ。 

 

↓「小牧高等学校旧講堂(旧制愛知県立小牧中学校講堂)」(昭和4年・1929・建造)。現在の用途はよく分からなかったが、軒下では出番を待つ生徒が休んでいた。写真が撮り辛い…。

 

 


 

手打うどん かめ家

愛知県小牧市郷中1-48

 

( 小牧 こまき かめや かめ家 手打ち 手打 手打ちうどん 饂飩 ぶっかけうどん 近代建築 近代化遺産 旧制中学 )

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やま @岐阜県関市

2016年10月20日 | 岐阜県(中濃)

仕事関係の仲間と恒例の飲み会。今回は岐阜県関市の下有知(しもうち)にある「やま」。関市の警察署近くの田んぼの中にある店で、通りからはほとんど目に留まらないので、知らないと行き着かない。この日もナビを頼りに車で送ってもらい、店へ。隣のアウトドア専門店と同一敷地内にあり、木々に囲まれた風情ある建物。店に入るととても落ち着いた雰囲気で、土間を過ぎて奥の座敷に陣取る。窓から覗く緑が気持ちいい。ただこの日は小雨模様で湿度が高い日だったので、風が入る日だったらもっと爽やかだろうな。

料理はお任せにしてあるので、まずはビールで乾杯。あかしゃ海老の唐揚げなどをいただく。鱧やカマスなどが出てきたので日本酒に切り替え。あまり日本酒の種類は無いようで、まずは「一本義」(福井・一本義久保本店)。安心出来る定番の酒。料理はどれも魚中心で落ち着いた味付け。ビールで呑んでいる人にはやや物足りないかもしれないが、日本酒が多い自分にはしみじみと旨い。次は「女城主」(岐阜・岩村醸造)。蔵開きに訪れたこともある酒蔵の酒。酒がすすみ、何度もお代わり。ただ、「ぬる燗」でお願いしているのだが、何度頼んでも燗が熱過ぎ。この温度だと「飛び切り燗」くらい。酒の温度にはあまり頓着していないのかな。ま、呑んで喋っていると「燗冷まし」にはなるか…(笑)。この後、和え物と焼物(イサキ)が出て、海苔茶漬けで締め。季節で品がどのように変わっていくのかが面白そうな店だった。ランチもあるそうなので、どんなものを出すのか知らないが、機会があったら行ってみようかな。(勘定は¥4,800)

食道 やま

岐阜県関市下有知187

 

( 関 せき 関市 食道やま 和食 居酒屋 ランチ 登山 ハイキング アウトドア キャトルコール Cattle Call )

 

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つだ かくれ家 @名古屋市中区・栄 (※閉店)

2016年10月19日 | 名古屋(中区)

名古屋の繁華街のひとつ「女子大小路」(初めて知ったが正式には「栄ウォーク街」と言うらしい)の創作串揚げの店「つだ・かくれ家」。東区泉の鍋屋町通りにある人気串揚げ店「つだ」の分店。本店は駅からのアクセスはあまり良いとは言えないにも関わらず、予約が取りづらいほどの人気だとのこと。仕込みは本店と変わらないというこちらが先の訪問となった。商業ビルの3階とあって店はこじんまりしており、カウンター8席ほどと個室(たぶん1つ)のみ。まずビールをお願いしたが、主人1人で賄っているようで(この日だけ?)、先客の揚げ物をしながら飲み物を用意したりと忙しそう。串揚げは、ストップするまで串が出てくる「おまかせコース」を注文した。まず器に入った野菜(キャベツ、キュウリ、トマトなど)が出て、コースがスタートした。目の前には3種のソース(レモン汁、ポン酢、ソース)と塩が用意されており、串を出してくれた時にどれがお勧めか教えてくれる。自宅で串揚げ(爪楊枝を使います)をやるときは、なぜか仕込みも揚げも全部自分の役目なので、人に揚げてもらうって素晴らしい。ビールをグビッとやり、ワクワクして待つ。

この日はほぼ満員。個室には小さい子供を連れた家族連れが居るようで、大声を張り上げてかなり賑やか。カウンターは見た感じ同伴客が多いのかな。各席それぞれの揚げと、飲み物の準備、追加注文、かかってくる電話の応対など、全部主人1人なので、飄々とこなしているとはいえ、かなり大変そう。おかげで電話が鳴りっぱなしだったり…。奥の(下品な)家族連れが、夫婦もその両親も(煙草を吸うため?)ゾロゾロと個室を出たり入ったりするのも落ち着かず、肝心の串揚げもテンポ良く出てこない。ひと串食べてビールを注いでも、次の串が出てくるまでには野菜しかつまめず、我慢しているビールもぬるくなってしまうほど。もう1人給仕が必要だと思うんだけれど…。串自体は仕込みに趣向を凝らしてあり、串によっては少し塩気が強いと感じるものの、普段食べたことのない色々な串が出てくるし、串の太さも変えてあったりと細かい仕事がしてあり、美味しく楽しいのだが、間が長く、早喰いの自分はちっとも「ノれない」のが残念。たかだか15本くらいの串揚げをいただくのに1.5時間もかかってしまった。ビールはぬるくなってしまうので、途中で白ワインに替えたが、ちょっと店に入ったタイミングが良くなかったか…。まだ食べられるし、もっと飲みたかったがここでお勘定。ちょうどその頃に件の家族が帰り、店が空いてきて…、これからなら良かっただろうなァ。次はもう少し遅い時間に来てみようか。(勘定は¥6,000程)

 

創作串揚げ つだ かくれ家

愛知県名古屋市中区栄4-12-1 栄グリーンビル 3F

 

( 栄 さかえ 女子大小路 じょしだいこうじ 栄ウォーク街 つだ つだかくれが 串揚げ くしあげ 串あげ 創作串揚 東区 東区泉 )

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錦秋名古屋顔見世「寺子屋」「英執着獅子」「品川心中」 @名古屋・日本特殊陶業市民会館

2016年10月18日 | 歌舞伎・文楽

歌舞伎「錦秋名古屋顔見世」(10月13日 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール・夜の部)

 恒例の秋の名古屋での歌舞伎。御園座の完成(2018年予定)はまだまだなので、今年もここ名古屋市民会館(ネーミングライツで上記の名前に)。本当は昼の部も見たかったがなかなか休みを取ることは出来ず、必死に仕事をやりくりして金山へ。自分は片岡仁左衛門を観るのが初めてなので、本当に楽しみにしていた。会場に入ると空席は目立つものの、まあまあの入り。連日昼夜公演なので平日はこんなもんだろう。2階席真ん中辺りだったので、芝居を見るには悪くない席。

まずは「寺子屋」。歌舞伎の演目の中でも特に有名な「菅原伝授手習鑑」の段のひとつなので、話のあらすじも知っているし、少し前にテレビで放映された海老蔵、松緑で演っていたのを見ている。男が見てもカッコイイ仁左衛門が松王丸を演じ、武部源蔵役は染五郎。重い話だし、仁左衛門メインなのだが最後ではなく、初っ端の上演。衣装も化粧も派手なので、あの線の細さというか色気は見づらいが、やっぱりこの人は絵になるなァ(人間国宝になっていたとは知らなかった)。「せまじきものは宮仕え」の有名な台詞のあるこの話、封建時代の理不尽さ(恩義を感じている人間と、仕えている主君の為に自分の子供の首を切らせる)がどうしようもなく厳しいが、話の筋を知っていても迫真の演技を目の前にすると泣けてきてしまった。同じ演目でも屋号が違うと細かい台詞や所作の解釈が違うのがよく分かって、それぞれの役者の(あるいは家の)こだわりの奥深さが興味深い(ちなみに仁左衛門の解釈はこちら)。

「英執着獅子」は時蔵による舞踊。いわゆる「獅子物」。前シテ(役柄)ではお姫様。衣装の早替りでは客からため息が。後シテでは獅子の精が乗り移り、豪快な舞い(有名な毛振り)となる。いったん下がって再登場し、毛振り。歌舞伎では当たり前のことなのかもしれないが、60歳を超えた時蔵が石橋の上で毛振りするのはさぞかし大変だろうと思う。客からやんやの拍手でと思いきや、この日の客は全体的に拍手が薄い。ココ一番拍手するとこでしょ!とばかりに手を叩くが、全体的に何となく冷めたような雰囲気が…(自分の周りだけかな?)。これ、演者にも伝わるよなァ。台詞は無いので、あの特徴的な口跡を聞くことはなかったが、素晴らしい舞踊だった。

最後は落語を基にした世話物「品川心中」。寺子屋と打って変わって楽しい演目なのだが、ちょっと無理やり歌舞伎に入れ込んだ感じがあるのと、この日の客の全体的な雰囲気なのか、くすぐってもなかなか盛り上がらない。それに染五郎が花道に出てきても拍手が起きなかったのにはビックリ…。こういうひょうきんな役を演る染五郎を見ると、故・勘三郎を思い出す。口跡も途中聞き間違ったと思うほどよく似ていた(役柄なのかもしれないが)。誰が演じてもこうなるのか興味が涌く。この日の染五郎は風邪をひいたとみえ、声がかすれて聞き辛く、客席まで届かないのも追い打ちをかけ、終始スベり気味になって今ひとつ盛り上がりに欠けた(ように感じた)のがやや残念だったかな。昼の部も見に行きたいなァ。 

 

一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

寺子屋

松王丸    仁左衛門
武部源蔵   染五郎
戸浪     梅枝
涎くり与太郎 廣太郎
百姓吾作   松之助
園生の前   新悟
春藤玄蕃   亀蔵
千代     孝太郎

 

二、英執着獅子(はなぶさしゅうちゃくじし)

姫後に獅子の精 時蔵
 
 

矢田弥八 作

三、品川心中(しながわしんじゅう)

幇間梅の家一八   染五郎
一八女房おたね   梅枝
城木屋楼若い衆廣吉 廣太郎
城木屋楼女郎おそめ 新悟
大工の棟梁六三   亀鶴

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平光商店 @岐阜県岐阜市

2016年10月17日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜高島屋の西、金華橋通り沿いにある「平光商店」。創業が大正17年(1918)という珍味、酒肴、お茶請け菓子などを扱う店。元は手焼きせんべいなどの製造、販売を行っていたとか。店は表から見てもモダンな意匠で綺麗なので、そんなに歴史がある店には見えない。以前からついでがあれば何か買ってみようと思っていたが、つまみだけを買いに行く機会はあまりないので、近くまで来た際に寄ってみた。店の中には乾物を中心に、缶詰や冷蔵品など、様々な酒肴や菓子が並んでいる。どれも市販されていてよく見るような物ではなく、オリジナルな物が多い。せんべいやあられといった商品の裏にはこちらの店名が載っている物が多いので、仕入れて小売りしているだけでなく、今もちゃんと製造しているようだ。

この日は自転車に乗っていて、外は日差しが強くて気温も高く冷蔵物は運べなかったので乾物をと「鮭とば」と「パリパリ小イワシ」を日本酒のつまみに買ってみた。正直こういう乾物はどこで買ってもそんなに変わらないだろうと思っていたが、つまんでみると、どちらもしみじみと美味しい。上手い表現が見当たらないが、乾物だけど”新鮮”な感じ。きっとここで買えば当り外れの多い「するめいか」とかも旨いんだろうな。さすがに値付けはどれも安いとは言えないが、その辺のスーパーで買うものとこんなに味が違うとは思わなかった。次は冷蔵ショーケースに入っていた珍味や、こちらでメインとも言える「あられ」や「せんべい」も買ってみようっと。(勘定は¥640)

サイトで通販も行っています

この後の記事はこちら

 

株式会社 平光商店

岐阜県岐阜市金町4-29

 

( 岐阜 岐阜市 金町 こがね町 ひらみつ ひらみつ商店 煎餅 あられ 乾物 珍味 酒肴 せんべい 通販 通信販売 老舗 )

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すいのや @静岡県掛川市

2016年10月16日 | 静岡県

静岡県掛川市。土曜日の午後だが掛川城の周辺は人通りも多くなく、静か。大手門の門前の交差点に建つのは「お菓子処・すいのや」。その名の通り駄菓子屋だ。創業して50年程とのこと。建物の周りには子供や大人に連れられた幼児がちらほら。中を覗くと、駄菓子の前では子供達が真剣に駄菓子を吟味中。親は後ろに控えて見守っており、これで買えるかと尋ねてくる子供達にアドバイスを送っている。こうして「算術」を習いながら社会勉強をしていくわけだ(笑)。自分も幼少の頃はこういう店に出入りしていたが、駄菓子って今も昔もラインナップってあまり変わらないんだね。

自分の目的はもちろん駄菓子ではなく、その奥にある「おでん」。奥に調理場とテーブル席があり、大きなおでんの鍋がかかっている。壁に貼られた品書きにはおでんのタネが、1本40円のものと、90円のものに別れて表記されている。他には焼きそばやお好み焼、ところ天などもあるようだ。何にしようか迷うが、せっかくなので聞き慣れないタネを中心にして「肉(とり皮)」「うずら」「かくはん」「ばくだん」「いわしはんぺん」をお願いした。3人のおばちゃんのうち1人が、大鍋からタネを取り出し、皿に盛って出してくれた。「鰹節(鰹粉)かける?」と問われたので「お願いします」と返事。静岡ではおでんに出汁粉と青海苔がつきものだそうだが、こちらは青海苔はなし。静岡でも地域によって違いがあるのかな。タネは全て串に刺さっていて、つゆの色が濃いのでそれぞれのタネも濃い色に染まっている。つゆは牛スジを使うことが多いそうだが、こちらはタネに鶏皮が入っているので、鶏中心だろうか。まずその「肉(とり皮)」。煮込まれてトロトロになった感じの皮はつゆを充分に吸っている。旨くない訳がない。「ばくだん」は練り物の中にうずらの玉子。うずらの串とかぶっちゃったが、味が滲みて旨い。清く正しい子供達の前で酒を呑む訳にはいかないが、これらを持って帰って一杯やりたいなァ。(勘定は¥400)

 


 

↓「大日本報徳社」の敷地内に残る色々な建造物。「道徳門」(写真下左:明治42年・1909・建造)を通り、「大日本報徳社大講堂」(写真下右:明治36年・1903・建造 ※国の重要文化財)へ。

 

↓ 報徳運動の元祖、二宮金次郎の指導を受けた岡田佐平治が掛川市の人だったことからここに大日本報徳社ができたそうだ。素晴らしい大講堂はどこかの団体が使用中で、中を眺めることは出来なかった。

 

↓「仰徳(こうとく)記念館」(明治17年・1884・建造 昭和13年移築)は、霞ヶ関の有栖川宮邸を昭和13年(1938)に宮内庁から下賜され、移築されたもの。

 

↓「仰徳(こうとく)学寮」(明治17年・1884・建造)。仰徳記念館とともに移築された有栖川宮邸の一部で待女部屋だったとか。外壁の新しさで分かるように平成25年に大改修を受けている。

 

↓「冀北(きほく)学舎」(明治10年・1884・建造 ※移築)。全寮制の校舎として建てられたそう。傷みが激しかったようだがこちらも改修済み。

↓ 敷地内唯一の洋風建築「淡山翁(たんざんおう)記念報徳図書館」(昭和2年・1927・建造)。

 

↓ 報徳社隣の図書館の駐車場からチラッと近代建築らしき薄ピンクに塗装された下見板張の建物が。近くにいらっしゃった住人の方に声を掛けてみると、やはり玄関扉以外は大正時代に造られた建物だとの事。お願いして写真を撮らせてもらった。傷みが酷いのだとか。

 


 

すいのや

静岡県掛川市城下6-1

 

( 掛川 かけがわ 掛川城 駄菓子屋 おでん 静岡おでん 二宮金次郎 二宮尊徳 報徳 報徳社 ほうとくしゃ 駄菓子屋 遠江国 とおとうみ 近代建築 重要文化財 )

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むらさきや @名古屋市中区・伏見

2016年10月15日 | 名古屋(中区 老舗)

平日に伏見に居られることはあまり無いので、いつか機会があったらと思っていた和菓子の老舗「むらさきや」。あまりメディアには登場しないが、お茶の世界では有名で、一目置かれている店だ。創業は昭和3年(1928)で現在3代目とのこと。この日は仕事で名古屋市内に居たが、チャンスと思い伏見へ。店はビルなのだが、あまりにも簡素で、表から見ると和菓子屋なのかどうかも分からない。中の様子も伺えないので、意を決して店内へ。中も華美な装飾や余計な物は無く、質素。シンプルな木枠のガラス・ショーケースには、贈答用の桐の箱と、上生菓子と羊羹、そして中干菓子がいくつか並んでいるのみ。こちらは奥に茶寮があり、菓子を抹茶と一緒に頂くことが出来る。「茶通」と「枇杷」と名前の付いた菓子を選び、ここで頂きたい旨伝えると奥へ案内された。

ここで大丈夫かと不安になるような通路を通って奥の奥へ。所々に由緒がありそうな和菓子の道具の数々が飾ってあり歴史を感じ取ることが出来る。通された部屋は中庭のあるスペース。テーブルがいくつかあるだけの広くない場所。窓に近い席に腰を下ろして待っていると、盆の上にのった抹茶と緑茶、それに菓子に黒文字(楊枝)が添えられて運ばれた。外は暑かったのでエアコンが効いた部屋というのもありがたいが、BGMも無く、店員もおらず、先客もおらず、エアコンの稼働音が聞こえるのみの誰も居ない静かな空間に居ると、ここが名古屋の都心だとは信じられない静けさ。「茶通」はカリッとした歯触り。中はこし餡で胡麻が効いており、しっかり甘め。「枇杷」はもちもちの食感でいて、ふわっとした軽さもあり、甘さ控えめ。どちらも姿良く、味も間違いない旨さ。とろっとした抹茶(こんな風に点ててみたい…)と一緒に頂いて、幸せな気分。ずっとここで座っていたいが、建物の奥深くで、誰も居らず、声も全く聞こえてこないというのも意外と不安なもの(笑)。しばらくして腰を上げ、通路を戻って店で「ごちそうさま」と伝え、表に出た。(勘定は¥800程)

この後の記事はこちら

 


 

 

 

↑ 「むらさきや」を出るとすぐ、最近注目されている昭和32年(1957)創業の「伏見地下街(長者町地下街)」。かつては繊維関係の店ばかりで斜陽だったが、最近立ち呑みを中心とする新しい店の開店ラッシュで、元気を取り戻している。2013年の「愛知トリエンナーレ」というアートイベントで「長者町ブループリント」というアートペインティングが施され、残されている。

 


 

むらさきや

愛知県名古屋市中区錦2-16-13

 

( 伏見 ふしみ 錦 にしき 和菓子 和菓子処 御菓子司 生菓子 上生菓子 干菓子 中干菓子 ようかん 羊羹 茶道 伏見地下街 長者町地下街 愛知トリエンナーレ2016 )

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The Many Faces Of David Bowie / Various Artists

2016年10月14日 | クラシック・ロック

The Many Faces Of David Bowie / Various Artists (2016)

amazonのサイトを何気なく見ていて目についたデビッド・ボウイ(David Bowie)に関連する作品を集めた3枚組デジパックのコンピレーション。副題は「A Journey Through The Inner World Of David Bowie」となっていて、ボウイの参加作品(前身バンド、ゲスト、プロデュースなど)、ゆかりのアーティストの作品、提供作品、カヴァーした作品、カヴァーされた作品、などがたっぷりと脈絡なく収録されている。ボウイ自身が参加している作品は多くないものの、これがかなりマニアックな選曲。中にはボウイのキャリアをかなり詳しく知っていないとピンとこないアーティストも収録されているので、コアなファンならものすごく興味深い内容だが、そうでないとあまり楽しめないかも。ただ、ボウイに興味があって聴きたくても、これだけの作品をひとつひとつ追っていくのはかなり大変なので、こんな値段で買えるのはある意味快挙といえる。気になる選曲は以下の通り。これらの曲名と演奏者の情報だけで「おぉっ」「あ、なるほど」と思う人はかなりよく知っている人のはずです。

<Disc 1>
01. You'Ve Been Around - Reeves Gabrels Feat. David Bowie
02. The Man Who Sold the World - Tony Visconti & Woody Woodmansey
03. All the Young Dudes - Ian Hunter & Mick Ronson
04. Andy Warhol - Dana Gillespie Prod. By Mick Ronson & David Bowie
05. I Am a Laser - Ava Cherry & the Astronettes Prod. By David Bowie
06. Red Eyes - the Spiders from Mars
07. Growing Up and I'M Fine - Mick Ronson
08. Madman - Cuddly Toys
09. Funtime - Iggy Pop & David Bowie
10. Can'T Help Thinking About Me - David Bowie & the Lower Third
11. Ziggy Stardust - the Spiders from Mars
12. Black Country Rock - Tony Visconti & Woody Woodmansey
13. Pleasure Man/Hey Ma Get Papa - Mick Ronson
14. Heroes - Mike Garson

<Disc 2>
01. Moonage Daydream - the Spiders from Mars
02. Oh la la - Woody Woodmansey'S U-Boat
03. The Fall and Decline of the Universe - Cuddly Toys
04. I Just Want to Have Something to Do - Angie Bowie
05. Illusion - Uriah Heep Feat Trevor Bolder
06. Lonely House - Carmen
07. I Wish I Knew - Adrian Belew
08. Soulful Dress - Marcia Ball Feat. Stevie Ray Vaughan
09. I Am Divine - Ava Cherry & the Astronettes
10. Suffragette City - Frankie Goes to Hollywood
11. Sorrow - the McCoys
12. I'M a Man - the Yardbirds
13. Around and Around - Chuck Berry
14. La Mort (My Death) - Jacques Brel

<Disc 3>
01. Space Oddity - Mike Garson
02. Prisoner - the Spiders from Mars
03. Waiting for the Man - the Velvet Underground
04. Sister Midnitht - Iggy Pop & David Bowie
05. U-Boat - Woody Woodmansey'S U-Boat
06. The King of Stamford Hill - Reeves Gabrels Feat. David Bowie
07. All the Way from Memphis - Ian Hunter & Mick Ronson
08. Good Times - Chic Feat. Nile Rodgers
09. Be My Wife - the Erin Orchestra
10. Changes - Graham BLVD
11. Drive-In Saturday - Mystique
12. Life on Mars? - Ariel Smash
13. Little Wonder - Flies on the Square Egg
14. Space Oddity - Alan Jones

こういうコンピ盤の常で、玉石混交だがなかなかの内容。権利の関係で全てが正規ヴァージョンという訳にはいかないものの、スパイダース(The Spiders From Mars)のメンバーの作品を中心として、トニー・ヴィスコンティ(Tony Visconti)、リーヴス・ ゲイブレルス(Reeves Gabrels, ex-Tin Machine)、モット・ザ・フープル(Mott The Hoople)の2人など、ボウイ関係の重要人物の作品が目白押し。ラモーンズ(Ramones)を歌う元・嫁はんのアンジー(Angie Bowie)の作品はどうかと思うが(笑)、一応離婚成立前だし、これも歴史のひとつ。個人的にはアヴァ・チェリー(Ava Cherry)の作品(ボウイは曲提供)がとても興味深かった。彼女のアルバムも買ってみようかな。

このシリーズ、まだ他にもストーンズ(The Rolling Stones)、ドアーズ(The Doors)、ラモーンズなどがあるので購入決定。

amazonにて購入(¥1,123)

  • CD (2016/2/12)
  • Disc : 3
  • Format: CD, Import
  • Label : Music Brokers Arg
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ダ・バッボ @岐阜県岐阜市

2016年10月13日 | 岐阜県(岐阜)

店構えが綺麗なので新しい店だと思っていたら、創業は平成11年(1999)というから、すでに17年も経っているという岐阜市金町(こがねまち)の「ダ・バッボ」。店は金(こがね)神社の区画の交差点付近。折り畳み自転車でウロウロしていた時にランチで訪問。あまり見覚えが無いんだけれど、前からここに店があったのかな? 店に入ると右側がカウンターと調理場、左側にテーブル席。間口は広くないので調理場もかなり狭い。道路に面した側にしっかり薪窯がある。メニューから「マルゲリータ」を注文。たしか「15周年記念」という事で通常料金より値引きがしてあったと記憶するが…周年の計算が合わない(笑)。見間違えたかな。

まずはサラダ。主人が丁寧に手でちぎって、人参の千切りなどが添えられたグリーンサラダ。オリーブオイルのシンプルなドレッシングでいただく。次はスープ。数種類の豆や野菜が入った優しい味のスープ。その間にも調理は全て主人が1人で行い、ピッツァの生地を手で伸ばし、トッピングをのせて、薪をくべてある窯の中へ。座っている場所から近いので、こういう調理は見ているだけで楽しいものだ。

しばらくして熱々の出来立てピッツァが登場。縁が盛り上がったピッツァ・ナポリターナ。シンプルなナポリ風ピザだ。トマトソースの上にモッツアレラ・チーズとバジルの葉。カットされた1片を口に放り込むと、熱いチーズが上顎に貼り付いてお約束の軽い火傷。生地の風味とトマトソースの酸味、チーズのコクとバジルの香りが一体となっていて、生地の状態も好み。旨い。基本のマルゲリータがしっかりしているので、間違いなく他のピッツァも旨いだろう。他の客がオーダーしていたソーセージを生地で包んで焼き上げたものがいかにも旨そう。メニューを見返してみると「ストロンボリ・春巻型ピッツァ」としてあった。次は絶対それを。(勘定は¥950→¥850)

この後の記事はこちら

 

薪窯焼きピザの店 ダ・バッボ

岐阜県岐阜市金町5-1

 

( 岐阜 ぎふ 金町 こがねまち ピッツェリア ダ・バッボ    PIZZERIA Da Babbo 薪窯焼きピッツァ専門店 金神社 ナポリピッツァ ナポリピザ ピザ )

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鰻 木屋 @名古屋市東区・市役所

2016年10月12日 | 名古屋(東区・北区)

地下鉄の市役所駅で降り、そのまま直結の「名古屋市役所」の庁舎(昭和8年・1933・建造)を鑑賞したあと、表に出て歩いて、創業が江戸末期というすごい歴史を持つ鰻屋「鰻木屋」へ。「名古屋城」の外堀にある店の向かいには、これも歴史ある重要文化財名古屋市市政資料館(旧・名古屋控訴院)」があり、店の隣には風情ある麺類食堂「山田屋」があるという素晴らしい周辺環境。近くまで行くと、通りにもうもうと煙が噴き出している。この匂いを嗅いでしまったらもう代えは効かない(笑)。さほど古くない建物に入ると開店したばかりの時間にも関わらず、奥に長い店内はすでに混雑が始まっていた。こんな店にも大陸の若い観光客が。よく調べているなァと感心。ただ皆がスマホを操っての撮影大会。小上がり席でだらしなく足を伸ばし、半ケツ出そうとお構いなし…。なるべくそちらは見ないようにしてテーブル席へ(ただし残念ながら日本人でも似たような輩は居て、隣のオッサンは携帯電話を取り出し、大きな声で周りにお構いなしに電話中…)。窓の外には名古屋城のお堀の濃い緑が映え、なかなかの借景なのだが、店の外周りは雑多な感じで景色を楽しむような造りではないのが惜しい。

「御舌代」と書かれた品書きを眺めたが、相変わらず「ひつまぶし」にはあまり興味が湧かず、結局「鰻丼・松」を注文。これだと鰻は3切れなのだそうだ。注文してから思ったが、ちょっと少なかったかな。更に混雑が進み、相席を頼まれた頃に丼ぶりが登場。これに漬物3種と吸い物(肝無し)が付く。3切れとあったが、尾の方の小さいものあり、ご飯が多めなこともあってバランスはよろしくない。これなら少しご飯を少なめにしてもらえばよかったか。たれは照りが強くやや甘め。焼きの加減は上々で、ご飯の硬さも悪くないので余計に惜しい。個人的に大好きな山椒だが、こちらに置いてあるものは風味がいまひとつ。これひとつで印象は大きく変わるんだけどなァ。鰻も薬味も何となく不完全燃焼な気分。もうそろそろ「ひつまぶし」に手を出してみようか…。(勘定は¥2,000)

 

 鰻 木屋

愛知県名古屋市東区東外堀町11

 

( 名古屋市役所 外堀町 名古屋城 きや うなぎ 鰻 鰻丼 うなぎ丼 うなどん 櫃まぶし 老舗 江戸後期創業 重要文化財 近代建築 登録有形文化財 文化のみち )

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