第35期天元戦5番勝負の第5局は12月22日、徳島市で打たれ、黒番の山下棋聖が張栩天元に中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で天元位を奪取した。
今期は交互に黒番が勝つシーソーゲームの展開になり、打倒張に燃える山下がフルセットの激戦を制した。山下は1年ぶりの2冠で、張は3冠に後退。2人によるタイトル戦は山下の2勝4敗となった。
<山下敬吾新天元の話>
下辺と左下隅とのフリカワリでよくなりましたが、そのあとミスが出ました。黒181ではっきり勝ちになりました。いままで天元戦を何回も打っていてタイトルは一度だけでした。今回勝てて本当にうれしいです。
<張栩前天元の話>
序盤の構想がまずく、薄い碁になってしまいました。反省点が多い碁でした。昼すぎのフリカワリで勝負が決まってしまいました。その後、チャンスはなかった。5番勝負全体も反省点が多く、負けて当然です。
(徳島新聞より抜粋)
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山下挑戦者が乱戦を制して天元位を奪取し2冠に。持ち時間3時間の碁では張さん有利かと思われましたが、乱戦をよく戦い抜いたようです。
防衛を逸し3冠となった張栩前天元、タイトル戦に出ずっぱりで疲労もあったのでしょうか。粘りがイマイチのようでした。
本シリーズの全5局、すべて黒番が勝ちました。両者とも、黒番が得意なのでしょうか。
私などザル碁党は黒番の勝率がいい場合が多いようですが・・・。
白熱の「山張対決」、来年1月中旬からは棋聖戦七番勝負が始まります。熱戦を期待しましょう。
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今回の対局地は徳島市の「ホテルクレメント徳島」。
クレメント(clement)は「〔気候, 気質などが〕温暖な, 穏やかな, 温和な」という意味のようです。
現在、NHKの朝ドラは徳島県美波町を舞台にした「ウェルかめ」、主人公は地方雑誌の女性記者という設定です。
登場人物が南国・徳島らしく、素朴でおおらかななところがいいですね。
主人公の実家は「お遍路宿」、私も「四国88ヶ所巡礼」を体験してみたいと思うのですが、女房殿は「衣類などの荷物を持って歩くのはイヤだ」と申しております。
質素な旅もいいと思うのですが・・・。