こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

なるようにしかならない

2011年04月18日 | 日々思うこと、考えること
過去を変えることはできない。

そして、過去の上に現在はある。

この先、自分自身を含め、なにが起こるかはまったくわからない。
そしてそれは自分の意志でどうにかなるものでもない。


病気というものから、このことを考えてみる。
病理医として、日々診断業務にいそしんでいるものの、果たしてその追求する病気とは一体何か。発生・発達異常、感染症、腫瘍、炎症性疾患、変性疾患、循環障害。ある病態はそれまでの生活習慣に原因を見いだすことができるが、遺伝性疾患は自らの意志にかかわらず発症する。感染症に至っては赤の他人にうつされることがほとんどだ。
病気というものを正常から逸脱した状態、と定義する。そうした場合、正常とははたしてどのような状態を指すのか。人間長く生きていれば、がん細胞も生まれてくるし、動脈硬化も起こしてくる。それは自然の摂理だし、起こってしかるべきことだ。
老化は病気か。
不老長寿を願う人は多いが、受精卵の状態にとどまることを望む者はいないし、あまり幸せでない状態が繰り返される状態も望まないはずだ。
とすると、人は老い、病にかかり、死ぬのが、正常となる。
その過程に個人差はあるものの、生老病死という基本的な流れは、誰しも一緒だ。

すべては時の流れに委ねられ、なるようにしかなっていかない。