こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

ドクターXを支えていたはずの病理医は?

2017年12月15日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

昨晩、家に帰ったらテレビがついていて、テレビ朝日のドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の最終回をやっていた。妻と娘はこの番組が好きでよく観ていた。コロ健はテレビに映っていたら観る程度だったが、息子は観ない。医療ドラマというよりは凄腕の外科医とそれを取り巻く医療者の織りなすコメディードラマのような感じもするドラマで、そんなに面白いとは思わなかったけど、とにかくすごい人気だった。病理医が出てこないということが私には気に入らなかった。ドクターXは難しい腫瘍に対する切除術もいくつもしている。いくら目を大きく見開いても、顕微鏡ではないので、腫瘍切除術であればその都度迅速病理診断は行われているはずだ。というか、目の子で診断をするようでは外科医としては失格だ。多分術中迅速診断を行なっているだろうけど、その場面が出てこないのが残念で、やっぱり私もあまり観てこなかった。

例えば5時間の腫瘍切除手術をする場合、その腫瘍の診断とか手術の切除断端の評価を術中迅速診断を行った場合、病理医は臨床検査技師の助けを借りて標本を作製し、そのあと診断、報告、診断書作成まで30分前後それにかかりっきりとなる。手術全部にかかる時間の1割近い。麻酔科医のように手術につきっきりというわけではないけれど、病理医も一つの手術に結構な時間を割いているのだ。さらに日常業務では多くの手術が同時に進行しているので、病理医はドクターXの手術以外の迅速診断をしている。舞台となった医科大学病院にもドクターXの信頼する”間違えない”病理医がいたに違いない。

あの医師紹介所の雀卓を囲んでいるメンツの一人が、ドラマ『フラジャイル』に出てくる長瀬智也演じる岸先生のような凄腕のカッコイイ病理医だったらもっと面白かったんじゃないかと思う。ドラマ的には病理医を登場させるのは手術シーンではその1割あれば十分、一瞬だ。あとは、牌を握らせてコロ健のようにあれこれ語らせておけばイイ。結構使い勝手のいい役回りになったのではないかと密かに思っている。

麻雀ばかりじゃない

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