政治、経済、社会で気になることがたくさん起きている。権力者やその周囲の人たちに対して”白紙委任”していたということに気が付いた人が、ツイッターとかフェイスブックで怒っている。でも、文句を言うばかりで何か行動を起こしているかというとそうでないように思える。”お上”がすることに口は出さない。そんな考え方も、私が50歳前までだったら許されたかもしれない。でも、人生残り半分を切った今、私がしなくてはいけないことは、この世の中を受け入れるだけではいけないのだと思うようになってきた。
世の中で起こっていることで、私に見えることはほんのわずかだ。それでも、身の回りでも困ったことがたくさん起こっている。医療業界でも、医者不足の問題と医学部入試のことから介護の問題、果ては医療従事者の働き方の問題まで枚挙にいとまがない。病理医不足なども解決の見込みの全くない問題の一つだ。ブログを立ち上げた十年前、病理医不足は深刻だったが、今だに不足は解消されていないどころか、より深刻になっている。病理医の仕事がどんどん増えて、人数が少々増えても追いつかないのだ。人的資源を集約化するということも検討されているが、施設ごとに病理医が配置されなくては医療の質は下がる。結果として施設間で病理医は取り合いとなっている。
でも、もうこんな文句を言っているだけではダメで、なぜ、こうなったのかを考えるよりもこの状況をなんとかしなくてはいけないのだ。
今、ダメなことに手をつけないでいたら、そのことはさらにダメになってしまう。それらのことが改善されないままきてしまったのは自分たちにも責任があるのだ。
問題はもちろん、病理のことだけではない。
社会のいろいろなところで、疲弊と歪みが生じている。以前は気がつかれなかったことも、ネット社会では隠しようがない事態に至っているのだ。誰かに文句を言って戦うよりも、まずは自分でできることを見つけなくてはいけない。
自分が動く年