こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

障害者雇用者数のごまかし

2018年08月22日 | 生き方について考える

中央省庁での障害者雇用者数に水増しがあったことが明るみに出た(障害者雇用水増し拡大 野党追及、13府省庁「精査中」 日経新聞8/21  記事は下記参照)。障害者雇用促進法に基づいて、障害のある人をある一定数雇用しなくてはいけないのに、その数を水増しして要件を満たす程度に雇用していたようにごまかしていたらしい。法律化しないと達成できないようなことだから、法律化したのにそれを役所が守っていなかったのだから、まったく情けない。役人というのは本当に役に立たない人なのか?”1976年の法改正時から”ということだから、かれこれ40年になる。”野党が追求”などと言っているけれど、非自民政権時代もそうだったということだから、同じ穴の狢だ。政治家にいまさら期待もできないが、障害者は政治から置き去りにされていたということだとすればいたたまれない。

今のところ私にはこれといった障害は無く障害者手帳は持っていない。だから障害者と呼ばれる人の立場になることはできないが、身の回りには障害者と呼ばれる人はいるので、どのような人が障害者とされるかはわかっているつもりだ。人間誰にでも、それなりに個性があって、他の人から見て、それは助けを得なくてはいけないものであるかもしれない。一見して助けが必要とわかる障害、わからない障害というものがある。

2年前に”社会は健常者のスタンダードにあわせて動いているだけで、健常者以外の人はそれに合わせるのが大変(社会的弱者のことを考えながら生きる 2016年08月13日 )”ということを書いた。社会とは最大公約数的な”健常者”の範疇で構成されているのではない。障害者を雇用したら、役所にも障害者の視点からの施策というものが生まれてくるに違いない。

昨日の帰宅時、車椅子で電車に乗っていた人がいた。気をつけていたのだろうけど、何かのはずみで車椅子が勢いよくクルリと回ってしまった。私も慌てて立ち上がって、付き添いの人と一緒に抑え、ことなきを得た。そのあと、大変恐縮しておられたのが印象に残った。それほど恐縮しなくてもいいのに、と思ったがそうもいかないだろう。自分のそんな姿は見られたくなかったかもしれない。障害がある、と他人から見られるということ自体、辛いことでありそのようなことを無くしていく努力が社会全体に必要だ。

障害のある人が当たり前に世の中にいるという社会を作り、何らかの障害がある人が、社会的に活躍する道というものを切り拓いて行くことが、新たな社会を生み出していくという発想が必要だと思う。

障害を持つかもしれないと自覚する

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障害者雇用水増し拡大 野党追及、13府省庁「精査中」日経新聞8/21より

 中央省庁の障害者雇用に水増しの疑いのある問題が拡大の様相を見せている。立憲民主党などの野党は21日、国会内で厚生労働省や財務省、内閣府など13府省庁からヒアリングし、徹底調査を要求した。同日、法務省で水増しの可能性が浮上したほか、静岡県など地方自治体でも新たに発覚。障害者雇用に関する国のガイドラインが順守されていない実態が浮き彫りになっており、広く行政機関で長年続いていた可能性がある。中央省庁の障害者雇用数が水増しされていた問題を巡り、国会内で開かれた野党合同ヒアリング。手前は関係府省庁の担当者=共同(写真略) 野党はヒアリングで厚労省が水増しを認識した時期や調査の完了時期を問いただした。関係省庁はいずれも事実関係に関し「精査中」と答えた。他省の出席者は厚労省の調査について「6月20日に再点検の依頼があった」と説明した。 立憲民主党の福山哲郎幹事長は21日の記者会見で「組織的改ざんともいえる。各省庁で水増しの手法を共有していたのではないか」と訴えた。同党の辻元清美国会対策委員長は国会内で自民党の森山裕国対委員長と会談し、衆院厚生労働委員会での閉会中審査を申し入れた。森山氏は「厚労省で調査を急いでもらい、委員会ができるかは真摯に検討したい」と語った。 与党からも苦言が相次いでいる。自民党の竹下亘総務会長は記者会見で「障害を持っている方々に対して思いやりが足りない」と批判した。吉田博美参院幹事長は記者会見で「遺憾に感じる」と話した。 障害者雇用の水増しを巡っては、国土交通省や農林水産省のほか、21日には法務省でも障害者手帳などを確認せずに、雇用率に算入していた可能性が新たに浮上した。すでに野田聖子総務相が総務省であったと認めている。総務省担当者が「ほぼ、どの省においても同じような実態だった」と説明したと、野田氏は指摘している。 障害者雇用促進法では企業や公的機関に一定割合の障害者を雇うよう義務付けている。国や自治体の法定雇用率は現在、2.5%と、民間企業の2.2%より高い水準にある。厚労省のガイドラインでは障害者雇用率に算入する対象者は、身体障害者手帳などを持つ人が原則となる。水増し問題に共通するのは、担当者が障害者手帳や診断書などを確認せずに雇用数に含めていたことにある。いずれも不正な水増しはないとしている。 厚労省によると、国の行政機関全体で障害者雇用数は約6800人で、うち厚労省は1442人、国交省は890人、法務省は802人。国全体では法定雇用率と同じ2.5%となっている。 雇用率の達成を義務付けた1976年の法改正時から水増しが続いていた疑いがある。野党ヒアリングに出席した日本障害者協議会の藤井克徳代表は「お手盛りの検証ではなく、当事者を含めた検証が必要だ」と語った。 水増しは中央省庁から地方自治体にも波及。愛媛や山形県がすでに公表したほか、埼玉、静岡、長崎、佐賀県でも水増しの疑いを公表した。全都道府県が17年6月時点で法定雇用率を達成しているとしていた。しかし、実際には法定雇用率を下回ることが予想される。民間企業は法定雇用率を下回ると、1人当たり5万円の納付金を求められる一方で、行政機関にはこうしたペナルティーはない。野党からは「民間と比べて官庁は甘すぎる」との批判が出ており、第三者を交えた徹底した究明や検証が求められそうだ。 14年には厚労省が所管する独立行政法人、労働者健康福祉機構で障害者雇用率の水増しが発覚。機構を調査した第三者委員会は組織的な関与を指摘していた。無所属の会の黒岩宇洋衆院議員は野党ヒアリングで「第三者委員会で調べるしかない」と述べた。