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ガス検針からの生え抜き(藤山竜仁)

2009-10-24 22:30:37 | 他チーム
つい先日、FC東京の藤山竜仁選手が今季限りでの戦力外通告を受けました。藤山といえば、他チームサポの私にも印象に残る名前で、FC東京のサポほどの思い入れはないにせよ、自分なりに記憶に残っている思い出を書きます。藤山は鹿児島実業高校の出身で、当時のスター前園真聖と一緒にプレーしています。

しかし、Jリーグ横浜Fで脚光を浴びる前園とは対照的に、藤山は当時JFLの東京ガスに入団し、最初はアマチュア契約でガスの検針作業までやっていました。前園はプロであれだけサッカーをやれているのに、自分はこれでいいのかと本人は自問したらしいです。

それでも、記録を調べたら藤山は高卒ながら、一年目から半分近い公式戦に出場しています。これはJFLといえども驚異的なことで、いつ注目を浴びてもおかしくない実力はあったものと思われます。しかし、もう一つの不運が藤山を回り道させます。

それは、東京ガスがJリーグ入りしない方針だったことです。当時の東京ガスは強く、下手な準会員チームより上の力があり、JFLで優勝したこともあるのですが、ガス会社が「公益法人」であることから、私企業のJリーグチームの運営に手を出すのはどうかという意見があったそうです。

その壁が取り払われるのは、1999年のJ2創設とFC東京の設立を待たないといけませんでした。J2を一年で突破したFC東京の左SBとして、ようやく藤山は注目を浴びることになりました。しかし、原監督の就任で左SBは補強ポイントに挙げられ、磐田でどこでもこなせる選手だった金沢を補強されてしまいます。

そんな藤山が、今までFC東京でプレーできたのは、CBができるからでした。上背は170cmと低い藤山ですが、動きの良さでは相手のスピード系FWと言われる選手と比較しても遜色なく、CBに長年苦労してきたFC東京の最終ラインを支えた、陰の功労者でした。ナビスコ杯の優勝の瞬間のピッチにも立っていました。

しかし、今季はボランチの米本の台頭と今野のCBコンバートで、藤山はすっかり出番を失ってしまいました。それを考えると今回の戦力外通告は不思議な話ではありませんが、本人は現役にこだわる意向らしく、J2以下でも行くつもりのようです。下位チームなら、彼の経験が役に立つチームは結構あるのではと思いますが、幸運を願いたいと思います。
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