岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

第1回中高年者縦断調査(2)

2005-11-11 11:16:50 | 社会福祉士
またまたマイナーな話題で申し訳ありません。
第1回中高年者縦断調査について少しまとめておきたかったので
載せておきます。
(気休めに秋の写真を1枚添付させていただきました)

――――――――――――――――――――
調査名:第1回中高年者縦断調査
調査内容:中高年の生活に関する継続調査
実施日:平成17年11月2日調査
実施主体:厚生労働省

この調査の目的は、
「健康、就業、社会活動など、「みなさま」※にとって身近な課題に
取り組んでいくための基礎資料とさせていただきます」と、
調査票に書かれている。
また、同封される「ご協力のお願い」には、
例として、
「70才になっても健康に特に問題がない方は、50才代では
どのような運動習慣をお持ちで、どのように健康に注意をなさって
いるのかを知ることができます。また、70才代でも満足感を持って
社会参加をなさっている方は、50才代での社会参加のありかたは
どのようなものであったか、そういうことも知ることができるのです」
と書かれている。

これは、現在55才の方を、70才まで調査を続ければ、
確かな現実としてのモデルケースができることになります。

ということは、「みなさま」※は、40歳代以下の若い人という
ことになります。
これが前回書いた「団塊の世代の置き土産」という意味です。

金子勝氏が、「団塊の世代よ。だまって年金を受け取るな」と
書いているようにこの世代は、後に続く世代のためにやって
おかなくてはならないことが数多くあります(10月12日号掲載)。
そのひとつがこの中高年者縦断調査だと思います。

団塊の世代のみなさまの「行き様」を、サンプルとして調査研究して
いただき、「みなさま」の役に立ててもらおうではありませんか。

さて、ひとつ突っ込みますが、調査内容で、珍しい項目があります。
現在、被調査者の方がこのブログを読まれていないという前提で
書きます。

健康についての調査の中に、過去1ヶ月間の精神状態を聞く
項目(問9)。

これは、興味深い質問です。質問項目を書きます。
 
この1ヶ月の間に、
・神経過敏に感じましたか
・絶望的だと感じました
・そわそわ、落ちつかなく感じましたか
・気分が沈み込んで、何が起っても気が晴れないように感じましたか
・何をするもの骨折りだと感じましたか

回答欄は、・いつも・たいてい・ときどき・少しだけ・まったくない

この精神状態は、環境から生じているのか、または被調査者の
「こころの病」から生じているのか。当然、環境と「こころの病」は
密接な関係があるので明確に区別はできない。

1回限りの調査では、この精神状態の原因はわからないが、縦断調査の
過程では、明かになっていくということだろうか。

例えば、絶望的だと感じました→いつも と回答された方が、
1年経って、2年経って、5年経って、どのような活動をされているか。
私も個人的には興味があるが、これはかなり微妙な問題だと思う。


以下に調査項目を上げておきます。

調査項目
1 本人 と配偶者
2 家族 同居と別居の状況
3 介護 育児 の状況
4 健康 疾患 と精神状態 ADL 困難な状況の原因
5 健康のためにしていること 生活状況 
6 就業  かなり詳しく 会社の状況 
      就労意欲
7 職歴 
8 資格 能力開発
9 60才以降の生活設計
10 社会活動
11 住居 家計
12 配偶者

この調査は4万人の方を対象としていますが、年を経るごとに回収数は
減少し、50%を切ることになります。それでも1万人台のデータが
収集できることになります。
やはりとても貴重な資料といえるでしょう。
手間も時間もかかる調査です。情報開示し有効に利用できるように
工夫をしてほしい。
(重要な調査でありながら、その結果が明らかにされていない調査も
現実にあります)



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