岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「こころのバリアフリー」とは?

2007-07-04 23:42:59 | 社会福祉士
バリアにもいろいろある。
物理的なバリアは理解しやすいが、
「こころのバリアフリー」とはなにか。
仲間と研究会で話した。
仲間にはさまざまな経験者がいる。
この資源が自慢だ。

「こころのバリアフリー」について
真っ先に発言したのは入院経験のある「こころの病」
経験者。発病依頼18年というベテランだ。
妄想に迫られた体験を話してくれた。
鉄格子のついた保護室から見た木は、これが人生最後の木と
思ったという。
この後は、参加者が堰を切ったように、家族や親戚の
「こころの病気」を披露した。
出るは出るは。
とても身近な話だ。
そのような話でありながら、なぜ我々はバリアをつくるのか。
「不安の社会の裏返しだ」
「安全や安心の求め方を間違えるこころにバリアをつくる」
「人を決め付けることで、自分を安全地帯に置けると思う」
「わからないことには距離を置くのが楽だから」。

「こころのバリア」はとても広範囲だ。
障がい者に向けたものだけではない。
自分たちの弱さが作るものだ。
そして社会的な弱者に向かいやすい。
敵を作る思考法自体、「こころのバリア」を作り出す。

他国に対する敵愾心、さまざまな人に対する敵愾心。
それが「こころのバリア」を作り出している。

いつでもどこでも「こころのバリア」は生まれる。
「こころのバリア」は居心地がいい。
殻にこもれば、バリアができる。

それを克服できるものは何か。
コミュニケーションしかないだろう。
コミュニケーションを密にすればするほど、
「こころのバリア」は低くなる。
これだけは間違いないと思う。
そしてこれを実行することはとても勇気の必要なことだ。
勇気を使う時とはこのような時ではないだろうか。

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