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岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『ペイフォワード』を観る。

2010-09-20 11:20:45 | 映画・DVD 

2000年公開 米映画
主人公の中学一年生が、社会科の授業で与えられた課題。
Think of an idea to change our World-
Put it into Action.

少年はひとつのアイデアを思いつきます。
人のためによいことをする。
それも3人にする。
お返しをするのではなく、他の人に行う。
pay back は「お返し」。

pay forward(正確には、pay it forward)が、この映画のテーマとなります。
善意のネズミ講といったらよいでしょうか。
「ちょっと、引く話ですね」という声が聞こえますが、
実は、映画製作の当初から、この点に関しては議論の対象になったようです。
偽善っぽいと。
しかし、映画を観ると、そのようなレベルではないことがわかります。
なぜなら、pay it forwardは、主人公の少年がトライしてもうまくいかないのです。
善意は空回りします。

「中学校は通過点のようなものと思っているのではないか。
君たちは様々な面で不自由な思いをしているだろう。
社会的にも認められていない。

大人になれば自由になる。
しかし、その大人の世界が「クソ」だったらどうだ。
ひっくり返したらどうだ。

たしかに今は準備期間だ。
が、あなたたちは準備をしているのか」

教師の問いかけという挑発に
主人公の少年は、上記の「善意のネズミ講」を考え実行する。

少年が善意の対象に選んだのは、街のホームレスだったり、なんと難問を持ちかけてくる教師だったりする。

注目することは、すべてが「対話」で進んでいくということ。
「対話」⇒思考(自分自身への対話)⇒「対話」⇒思考
当り前のことのように思われるが、かなり日本人の対話とは違う。
対話はかなりの部分でおせっかいでもあるのだが、それが人々の心の奥に潜む課題を明らかにしていく。

非常に考えさせらる映画でした。


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