6月24日午後10時から零時30分まで2時間半におよぶ
ドキュメンタリーであった。
NHK BS2での放送は、5月8日に53分間で放送された番組の
長尺版だ。
番組表を見ていないので、いつ終るのだろうかと思うほど長かった。
しかし、「こんな取材がよくできたなー」と心底思った。
素晴らしいぞ。
私自身のためにもぜひ纏めておきたい。
ほとんど未知の世界である。
まず、少年院を法的に簡単におさえておこう。
16~20才の保護処分になった少年が対象の法務省の施設である。
少年法改正で14才~16才までの少年受刑者も収容されている。
処遇には短期処遇と長期処遇がある。
このドキュメンタリーは、長期処遇をしている瀬戸少年院の
250日を取材している。
更正過程には、生活訓練過程、職業能力開発過程、教科教育課程、
特殊教育過程、医療処置過程がある。
もちろん、矯正教育を行なっている。懲罰ではない。
具体的には「個別的処遇計画」に基づいて教官が指導教育する
ことになる。
教育は4段階にわかれ、胸のバッチのリングの色でわかる。
バッチの色が変わることは、更正が進み出院が近くなることに
繋がる。
院生と教官はバッチの色を替えることを目標に日々過程を
こなしていく。
しかし、「ささいなことで感情を抑えられず」諍いを起こし目標を
クリアできなくなる少年も出てくる。
教官は、タイミングを測りながら、少年の心を聞き、話合いを
欠かさない。
「ささいなことで感情を抑えられず」事件を起こすということは
最近のメディア報道でもよく見聞きすることである。
どうしてそのように「キレる」のか。原因を明らかにすることも
大切であるが、そう簡単ではない。複合的な要因があるという。
では、教官は、原因が定かでない少年の行動にどのように対処し
教育していくのか。
もちろん、数多くの手法が開発されている。
しかし、個人と個人が向き合ったときは、いつでも手探りである。
※教育方法:面接、作文、集団討議、社会的スキル訓練、内観法、
心理劇、ロールレタリング、職業補導など。
また最近は「生命尊重教育」や、「贖罪教育」も活発に行なわれて
いる。
いくつかの印象的な言葉があった。
「協力できない」
「裏切られたから信頼できない」
「罪悪感を持てない」
「現実感がない」
「自我が感じられない」
教官の少年を探る手段は「観察」である。
態度、目つきで、少年の内面を探っていく。
また少年が書く「日記」に注意深く目を通す。
その日記を読みながら、自らの指導がどうだったか
考えを深めていく。
一人ひとりの少年と向き合う目が本当に真剣だ。
家庭にあの教官の姿勢があればと思う。
しかし、親は教育の専門家ではない。
間違った教育をしてしまうことも多い。
それを補うのが愛情なのだ。
しかし愛情の表現だってうまくない親も多い。
ドキュメンタリーの後半は、殺人を犯した少年の
心に迫る展開になった。
続く
ドキュメンタリーであった。
NHK BS2での放送は、5月8日に53分間で放送された番組の
長尺版だ。
番組表を見ていないので、いつ終るのだろうかと思うほど長かった。
しかし、「こんな取材がよくできたなー」と心底思った。
素晴らしいぞ。
私自身のためにもぜひ纏めておきたい。
ほとんど未知の世界である。
まず、少年院を法的に簡単におさえておこう。
16~20才の保護処分になった少年が対象の法務省の施設である。
少年法改正で14才~16才までの少年受刑者も収容されている。
処遇には短期処遇と長期処遇がある。
このドキュメンタリーは、長期処遇をしている瀬戸少年院の
250日を取材している。
更正過程には、生活訓練過程、職業能力開発過程、教科教育課程、
特殊教育過程、医療処置過程がある。
もちろん、矯正教育を行なっている。懲罰ではない。
具体的には「個別的処遇計画」に基づいて教官が指導教育する
ことになる。
教育は4段階にわかれ、胸のバッチのリングの色でわかる。
バッチの色が変わることは、更正が進み出院が近くなることに
繋がる。
院生と教官はバッチの色を替えることを目標に日々過程を
こなしていく。
しかし、「ささいなことで感情を抑えられず」諍いを起こし目標を
クリアできなくなる少年も出てくる。
教官は、タイミングを測りながら、少年の心を聞き、話合いを
欠かさない。
「ささいなことで感情を抑えられず」事件を起こすということは
最近のメディア報道でもよく見聞きすることである。
どうしてそのように「キレる」のか。原因を明らかにすることも
大切であるが、そう簡単ではない。複合的な要因があるという。
では、教官は、原因が定かでない少年の行動にどのように対処し
教育していくのか。
もちろん、数多くの手法が開発されている。
しかし、個人と個人が向き合ったときは、いつでも手探りである。
※教育方法:面接、作文、集団討議、社会的スキル訓練、内観法、
心理劇、ロールレタリング、職業補導など。
また最近は「生命尊重教育」や、「贖罪教育」も活発に行なわれて
いる。
いくつかの印象的な言葉があった。
「協力できない」
「裏切られたから信頼できない」
「罪悪感を持てない」
「現実感がない」
「自我が感じられない」
教官の少年を探る手段は「観察」である。
態度、目つきで、少年の内面を探っていく。
また少年が書く「日記」に注意深く目を通す。
その日記を読みながら、自らの指導がどうだったか
考えを深めていく。
一人ひとりの少年と向き合う目が本当に真剣だ。
家庭にあの教官の姿勢があればと思う。
しかし、親は教育の専門家ではない。
間違った教育をしてしまうことも多い。
それを補うのが愛情なのだ。
しかし愛情の表現だってうまくない親も多い。
ドキュメンタリーの後半は、殺人を犯した少年の
心に迫る展開になった。
続く