6月に入って私事に忙殺されていました。
すこし落ち着きましたので気分転換に映画を観に行きました。
見応えある映画です。
ただ「一度観」では理解がおよびません。
理由は登場人物が特定しにくい(服装が似ている。私の顔識別能力が低下している)と
女性たちの会話の理解が進まないこと(小さなコミュニティ内での会話、信心深い人々の会話)。
それから、この映画は実話から着想を得ているということも見逃せません。
では、ストーリー紹介です(チラシより)。
自給自足で生活するキリスト教一派の村で起きた連続レイプ事件。
これまで女性たちはそれを「悪魔の仕業」「作り話」である、と男性たちによって否定されていたが、
ある日それが実際に犯罪だったことが明らかになる。
タイムリミットは男性たちが街に出かけている2日間。
緊迫感のなか、尊厳を奪われた彼女たちは自らの未来を賭けた話し合いを行うー。
とても孤立した村で数百人程度が共同体生活をしている。
女性たちは抑圧されており読み書きができない。意思疎通は会話と絵。
いつの時代かと思うがなんと21世紀です。2010年です。
男尊女卑(男性支配)が徹底しており、外からの情報は女性にはまったく入ってこない。
インターネットはおろかテレビ、ラジオもない。
このような荒唐無稽にも思われる設定が女性たちの会話を通して普遍性とリアリティを感じさせる。
事件の真相を知った女性たちは、決断を迫られる。
女性全員が3つの選択肢の中から一つを投票することになった。
1,耐え忍ぶ 2,戦う 3,逃げる
投票の結果、2,戦う 3,逃げるが同数となり、女性の中から選ばれた3家族が話し合い決定することになる。
このウーマン・トーキング(女性たちの話し合い)は実話ではなく創作だと思う。
とても優れているので脚色賞(アカデミー賞)を獲得している。
男性たちに対する強い怒りは、戦いを要求する。
しかし、神への信仰が深く、報復や戦いではない「赦し」と「平和」についても話し合われる。
もし、この村から出ていくということになれば、男たちの世話はだれがするのかという話もでてくる。
戦うという主張からは相当かけ離れているが、リアルに感じる。
感情が揺れ動いているのがよくわかる。
この会話の中に高齢の女性も加わっている。まさに長老であり威厳を感じる。
欠かせない存在だ。
彼女たちはどのような選択をするのか。
観てのお楽しみです。
追伸:WOMEN TALKINGと書いてウーマン・トーキングと読ませるのか…
お読みいただきありがとうございました。
ウクライナに平和を!