岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【JAL】これがヒューマンエラー。

2005-07-28 22:54:09 | 日本の仲間
JAL機が着陸時にブレーキとして使用する逆噴射機能が
働かなかった事故があった。
これがいわゆるヒューマンエラーだった。
ニュースを見聞されたと思いますが、
典型的なヒューマンエラーとフェールセーフの例なので、
書いておきます。

事故経過
1.整備時に誤作動を防ぐために安全ロックピンを挿した。
2.ピンに抜き忘れ防止の赤い吹流しをつけた。
3.塗装も同時に行なったが、その折にエンジンカバー内に
 吹流しを仕舞った(塗装の邪魔になったのだろう)
4.整備終了後に目印の吹流しをしまったことを忘れ、
 そのため、ピンの抜き取りを忘れた。

目印がなくなれば、ピンを抜くことを忘れてしまう。
これは、日頃よくあるエラーである。
このエラーがあることも考慮にいれなければならない。

このミスは事故には繋がらなかった。
それは、逆噴射が機能しなくとも、別の手段で安全に
着陸できるように作られているからである。
(ここでは急ブレーキが作動した)
これがフェールセーフである。

人と機械が補い合っていることがわかる。
公共交通機関にはこのシステムが不可欠である。

現在、難問に直面しているスペースシャトルには、
フェールセーフはない。
ひとつのアクシデントが致命的になる。
もし、前回の事故同様の傷が外壁にできていたら、
宇宙での修復システムが完成されていないといわれる
現状では、宇宙で立ち往生してしまう。

スペースシャトルは、あくまでもテスト機であり、
操縦士はテストパイロットであることがよくわかる。
だからこそ、NASAは打ち上げを許可できたのだ。



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