
主人公は、クリスティ・ブラウン。
実在の人物。アイルランド人で画家であり作家。
写真は彼の絵。左足で絵筆を持ち、タイプライターも打つ。
脳性マヒで左足しか自由にならない。
本人が原作を書いている。
1932年のダブリン生まれ。
今まで多くのアイルランド映画を観て来ましたが、この映画もダブリンの下町が舞台になっている。
20世紀を通してアイルランドは貧困と宗教が主要な課題だったと言われる。
もちろん19世紀はもっとひどい。
餓死者が100万人単位で出ている。
貧乏の子だくさんと言われるが、クリスティの兄弟姉妹は22名!
母親は一人。
信じられないですね。
宗教もとても古い(中世のカソリックを思わせる)ので避妊など考えられないのでしょう。
それでも、クリスティは暖かい家族に囲まれて育ちます。
ただ、教育を受けることはできませんでした。障がいを持った人に対する手厚い施策などはありません。
彼の優れているところは、兄弟たちの学習の様子を聴きながら知識を蓄えていったことです。
そして自ら絵を描き、文字を学んでいきます。
母親の愛情の豊かさも見逃せません。素晴らしい。
父親は影が薄いですね。
サクセスストーリーです。
時代背景や労働者・上流階級の様子もよくわかります。
彼が認められたのは1970年代です。
この時代がターニングポイントだった。
世界的にみてもそうです。