goo blog サービス終了のお知らせ 

岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「あなたなら言える秘密のこと」を再び観る。

2010-12-30 10:50:12 | 映画・DVD 


この映画はスペイン映画だけれど、舞台の中心は海の上です。
石油採掘現場で起こった火災事故で火傷を負った男性を看護するために女性看護師が洋上に送られます。
彼女は臨時に採用された元看護師でした。

患者は手足は骨折、顔や身体に火傷を負っています。
視力もまだ回復していません。

すなわち、曲がりなりにも自由なのは、話すことと聞くこと、食べることです。
患者は看護師に話しかけます。
看護師は寡黙です。
必要最低限の言葉しか発しません。

この看護師には、拭い去ることのできない「過去」があります。
そのことが、2人の会話の進展によって明らかになります。

患者が自らの過去を告白し、徐々に信頼関係を生れてきます。
看護師もこころを開いていきます。
患者が街の病院に移送される数日前に、看護師は重い告白をします。

友人が体験した旧ユーゴ内戦時のレイプについてです。

しかし、この体験が看護師自身のものだと患者はすぐに理解します。
彼女の身体には無数の切り傷が遺されていたのです。

やがて、病院に移送されることで2人は分かれてしまいます。
男性は病院でリハビリに励み退院できるまでに回復します。

看護をした女性は、元の職場(工場の包装係)の日常に戻ります。

男性は、彼女を探し求めます。

この映画では多くのことが静かに語られています。
旧ユーゴ内戦でなにが起こったのか。
石油採掘現場で何が起こっているのか。
そして、看護する側とされる側に区別があるのか、ということです。
人と人とが関わることには「支援する側、される側」という関係はない。

そこには人間関係しかない。
という思いを強くしました。




※教訓1:灯台もと暗し

最新の画像もっと見る