岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「介護保険2005年改正」の総括へ(1)。

2007-12-06 20:47:38 | 地域包括支援センター
大げさなタイトルになったが地域包括職員となってもうすぐ2年。
国は、なにを間違えたのか、時間をかけて考えていきたい。

ほぼ同時期に成立した自立支援法が根本的な見直しを迫られている。
こちらは当初から悪法としての評価は定まっていたように思う。

そして、この介護保険「2005年改正」も、「改悪」だと思っている。
しかし、これは一般的認識ではなかったのかもしれない。

この「改正」は、予防重視型システムの確立を謳った。
このような未知のシステム(実は仮説に過ぎない)に批判はできにくい。
当時、厚生労働省は、要支援認定者の多さを強調した。
いつも同じデータが出ていた。胡散臭かった。
数字は、要支援者の急増をしめすデータだった。
では、介護給付費の中で、要支援者の給付費はどの程度か。
これを知っているだろうか。
ここに具体的な数字がある。
京都府は、平成18年度の介護保険給付総額は、約600億円。
そのうち、予防給付は24億円でしかない。これは総額の4%程度である。
この4%と、特定高齢者向けの1.5~3%が、支出合計である。
総額の5~6%が「予防重視型システム」の中身なのである。

現在、「メタボ」という医療費削減のための予防モデルが出ているが、
すでに、この仮説のメッキが剥げかけている。
EBMという概念も、これまた危うさが付きまとう。

介護保険は走りながら考える制度といわれるが、走りながら転げる制度に
陥る可能性が高い。

 今後、書いていくことになるだろうことに認定制度の危うさがある。
そして、さじ加減一つで、判定に差がでて、それが利用者にとって、とんでもなく
不都合や困難になる。
もちろん、要支援1や要支援2の方の身体状態に決定的な差があるわけではない。
そのために、この認定制度に決定的な役割を担わせてはならないのだが、
「2005年改正」では認定の重みがそれ以前と格段に違った。

特に、要支援1と要支援2、要支援2と要介護1、要介護1と要介護2では
サービスの利用に大幅な違いがある。
このことが、「使えない介護保険」にしてしまった大きな要因だと思う。

今日はこのあたりで。

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