
制作中に福島原発事故が起こったとのことです。
2013年、カンヌ映画祭「ある視点」賞受賞作品
劇中に、チェルノブイリとフクシマの地名が話されます。
フランスは世界一の原発立地国。国内に58機の原発があると言われています。
原発で働いている人が何人くらいいるのか。数万人に及ぶと思います。
原発で働くということは、放射能と身近に向き合うことです。
各地から仕事を求めて若者が来ます。女性も例外ではありません。
各自の放射線量は厳密に管理されています。
作業のできるのは累積線量の許容上限までです。
原子炉の近くで作業中に緊急事態が発生することなどがあれば一気に許容上限に達します。
もう仕事はできません。失業することになります。
要は使い捨てです。
そこで線量計の取り扱いを考えます(日本でも線量計の前に鉛を張ったという話を聞きます)。
主人公の男性ゲイリーは、線量計を管理区域に入る前にある場所に隠します。当然線量は上がりません。
そして30倍の線量を浴びてしまいます。
原子炉のある村の仮設住宅に住む若者は、退廃的な生活を送っています。
放射能の恐怖を忘れるためのように。
原発のシーンは、オーストリアの廃炉になった原発で撮影されたそうです。とてもリアルでドキドキします。
日本では劇場公開していません。見るためには、DVDかネットでどうぞ。
以下は、アマゾンに掲載されたあらすじです。
無職の青年ゲイリーがようやく手にした職は、ローヌ地方の原子力発電所での作業員だった。主任のギレスとベテランのトニーによって仕事を教えてもらい過ごす毎日。そんな中、村の娘カロルに恋をする。二人は魅かれあうが、カロルはトニーのフィアンセだ。そして、ふたりの不倫関係は、恐ろしくも悲しい現実で終わろうとしている・・・ゲイリーの身体は既に放射能に汚染されていたのだった。放射能が日常と背中合わせの恐怖であることをこの村の人々は十分に知っている。安らぎが悲しみと変わりゆく生活の中で、いつも変わらず風は緑を揺らしながら吹き抜けてゆく-。