岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「統治のカラクリ 白日の下に」 事業仕分け

2009-12-03 22:13:29 | 国民と国会と政治
「統治のカラクリ 白日の下に」事業仕分け

これは、今朝の朝日新聞の見出しです。
「統治のカラクリ」ですか。「統治の仕組み」程度ではないわけですね。
事業仕分けに対する批判は、この記事でも取り上げられているが想定内のことでした。
特に取り上げるものはないですね。
一方、評価する点は読ませるものがあった。
箇条書きしてみます。

1. 説明責任と言葉。予算を請求するものは、その必要性を説明する責任が
今まで以上に求められる。その説明先は、国民である。
2. 情報公開。藤井財務大臣の言葉。「私たちは断固、これに沿った予算編成をやります。
他省庁とのやりとりは財務省のホームページで公開する。省庁間で取引をしてはだめ。
表でやると、理屈が立たなきゃならない。それが肝心」。

3. 細部と現場。「国家のカラクリは細部が見えてこそわかる。
税金の使い道も細部が見えてこそつかめる。その細部は現場に凝縮されている」。

国民は細部にこそ納得するものだ(※岩清水)。

4. ノーベル賞受賞者の言葉をよく聞いてみると「科学技術への格別な配慮」以外に、
「システムが今のままでは十分な効果は出ない。刷新の必要がある」(野依良治氏)
「教官に配られる研究費を、学長、学部長がピンハネし、研究者のところには10分の一くらいしかこない」(小柴昌俊氏)

記者は「科学技術予算も官僚と業界と天下り法人による「縦割り・ハコモノ・中抜き・ピンハネ」構造が現場をむしばんでいる」と書く。

「縦割り・ハコモノ・中抜き・ピンハネ」構造が「統治のカラクリ」ということになる。
国家予算が膨大になる理由の一端(どころではない)が見えてきたのが、今回の事業仕分けだった。

そして、事業仕分けが地方で行われて初めて「新しい公共」が花開くだろう、と記事を締めくくっている。
※岩清水もまったく同感。日ごろ地方行政の改革の必要性を痛感している。

まだまだ関門がある。事業仕分けは今始まったばかりということがよくわかる記事だった。

※追悼 平山郁夫先生。
 先生はこの国分寺でも写生をされていました。その立ち位置に、立て札が立っていました。そして、文化財保存に浄財を投じておられた。五重塔の修復寄付者碑にも名前が刻まれていました。私たち県民はこの地を残していく使命を託されているのです。

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4 コメント

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ともかくやってみましょう (Maa-chan)
2009-12-03 23:52:57
 事業仕分け,非常に気持ちよかったですね。

 確かに多くの批判があることは当然ですし,その批判にも理解できる点はたくさんあります。
 しかし,これまであまりにも「適当」にやられていた事業が,こうして白日にさらされたことそのものには,大変意義があったと思います。

 残念ながらこの国には,「50年間の垢」があちこちにたまっています。それを洗い流す作業を,たった数ヶ月でできる訳などなく,ある意味次の総選挙までにそれなりの成果が上がれば上出来なのだろうと思います。
 またそのような中で,公約についても,どうしても実現できないのであれば,理由を明示した上で「ごめんなさい」と謝ればよいのです。

 ともかく,政権が代わりましたので,50年以上の垢を少しずつ落としていくための作業を,事業仕分けに限らず,ともかくやってみてほしいと思います。
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まったく同感です。 (岩清水)
2009-12-04 22:43:24
そうですね。すぐに結果を求めるのではなく、
経過をみていきたいと思います。

沖縄の基地問題にしても、今のように右往左往することが、
必要なことです。沖縄に人の気持にどう答えるか。
県外移転は無理でしたと早々と白旗を上げることはできないと思っています。
世の中に絶対的な決定事項など、めったにあるとは思えません。
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メディアの問題 (cafenoir)
2009-12-23 20:45:15
元の記事が削除されているようなので、「小柴昌俊特別栄誉教授コメント」をお知らせします。

「メディアのからくり」も白日の元にさらす必要がありそうですね。

http://www.u-tokyo.ac.jp/gen02/b01_10_03_j.html

---以下引用----
「教官に配られる研究費を学長、学部長がピンハネし、(研究者のところには)10分の1くらいしかこない」についての小柴昌俊特別栄誉教授コメント

 「6人のノーベル賞受賞科学者が官邸を訪れ、・・・『教官に配られる研究費を学長、学部長がピンハネし、(研究者のところには)10分の1くらいしかこない』(小柴昌俊氏)といった現行予算配分の仕組みへの疑念の声も上がった」との報道について、小柴先生のコメントは以下のとおりです。
 首相にお会いしたときに、「我々の研究は、社会の役に“いまは”立たないが、人類の知識を増やす研究だ。基盤科学に対して予算の何%かを必ず使うと決めるのは、一国の代表である首相をおいて他にいない。ぜひ決断してほしい」と言ってきた。このことが、自分の訴えたい本筋である。
 自分は、直接の取材を受けておらず、記事も見ていない。発言がつまみ食いされ、マスメディアに流されている。都合のよい結論に人々を導くため、昔からこの種の方法が行われていて、これもその例であろう。
 記事によれば科学技術予算が、官僚と業界と天下り法人により、現場がむしばまれているとあるが、そんなことはないと認識している。そうした文脈で、私の言葉を使って欲しくはない。
 昔と異なり、研究資金の間接経費と呼ばれるものが用意され、研究環境の整備が進んでいるということであれば、それは、結構なことだ。血税を無駄にしないで、有効に使って、研究を進めてもらいたい。

小柴 昌俊
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小柴昌俊特別栄誉教授コメント (岩清水)
2009-12-23 21:32:26
cafenoirさん。
コメントありがとうございます。

「発言がつまみ食いされ」とありますね。
発言したことは確かだが、ご本人の本意ではなかったということでしょうね。
このようなマスメディアの取り上げ方は、日々目にします。

実は私たち自身もそうした話し方をすることが
多いように思います。
話を面白くする。
話を意図的に使う。
そして、できれば利益につなげたい。
自戒したいと思います。

※最後に、小柴教授もつい口が滑ったということはなかったでしょうか。
邪推ですね。
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