
2020/4/25 21:38 (2020/4/25 21:49 更新)
西日本新聞 野村 大輔 岡部 由佳里
長崎県は25日、長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊中のイタリア籍クルーズ船「コスタ・アトランチカ」で新たに乗員57人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。日本人通訳1人を含む全乗員623人の検査が終了し、船内のクラスター(感染者集団)は計148人になった。
市内の指定医療機関に搬送された重症の1人を除いて全員がバルコニー付きの個室に滞在しているため、県は感染が拡大する可能性は低いとみている。今後は船内の除染が必要。災害派遣要請で出動中の自衛隊の協力も得ながら、乗員の健康を管理する。
感染者のうち1人に38度台の発熱があるほか目立った症状はないが、感染者の2割は重症化の恐れがあるとされる。県内の専用病床は102床と限られており、県は国に県境を越えた広域的な受け入れ態勢の構築を求めている。
感染経路は現時点でも不明だが、長崎入りしている厚生労働省の専門家は調査を踏まえ「3月末ごろに感染が発生し、短期間で広がった」と推測。一時は船から市内への出入りがあったが最近はなく、市中に感染が広がることは考えにくいとしている。
国と県は陰性が確認された乗員は早期に帰国させる考え。同工場に停泊する残りのクルーズ船2隻について、船会社は近く国外に出港すると発表している。(野村大輔、岡部由佳里)
※以下は2月27日時点での西日本新聞記事です。
この時点で3隻が停泊しています。
行き所がない状態です。
乗務員も帰ることができない状況になっていました。
2020/2/27 6:00
中国での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、イタリアのクルーズ船運航会社「コスタ・クルーズ社」は上海で予定していた修繕工事を、長崎市の三菱重工業長崎造船所・香焼工場で行うよう変更した。コスタ社はほかにも所有するクルーズ船2隻を同工場の岸壁に接岸している。理由は明らかにしていないが、運航休止に伴う緊急避難措置とみられる。
三菱重工によると、修繕をしているのはコスタ・アトランチカ(8万5619トン)。20日から今月末までの予定で船体の塗装や機材のメンテナンスをしている。
コスタ・ベネチア(13万5500トン)は21日、コスタ・セレーナ(11万4500トン)は22日から接岸。コスタ社によると乗員に感染は確認されていないが上陸はさせず、離岸時期は未定。3隻とも中国を発着する航路を運航しているという。
三菱重工は長崎を修繕事業の拠点とする計画を進めている。今回のクルーズ船は初の受注となるが、計画とは関係なく新型ウイルスの余波という側面が強い。(西田昌矢)
※これらの船は船籍はどこであれ、帰ることのできる国はないと思われます。中国を中心に東アジアで運航されていることで実際には公海上が唯一滞在することが許される場所なのかもしれませんね。
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