岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

山中伸弥教授の新5つの提言です。

2020-05-15 21:14:29 | 新型感染症

山中伸弥による新型コロナウイルス情報よりの転載させていただきました。

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提言1 対策はこれからが本番。賢い行動を粘り強く続けよう。


緊急事態宣言の効果で、大都市では感染者が減少し、新たな感染者の発生していない地域も多くなってきました。

しかし、油断大敵です。新型コロナウイルスへの対策はこれからが本番とも言えます。

ウイルスは私達を試しています。

緩んだところから、一気に勢いを取り戻します。

ウイルスの勢いが少し弱まっている今こそ、次の波に備えた準備を整える必要があります。


提言2 国民全員が日常を見直し、人と人の接触を減らそう


新型コロナウイルスは対策を止めると、1人の感染者から少なくとも2.5人くらいに感染すると考えられています。

10人から25人です。これをR=2.5と表現します。油断すると感染者は対数的に急増します。

感染者を横ばいにするには、Rを1程度にする必要があります。

1人の感染者が他の1人にしか感染させないと、感染者数は横ばいになります。

そのためには、人と人との接触を1/2.5=0.4で4割にする、すなわち6割減にする必要があります。

国民全員が自らの生活を見直し、人との接触を6割減に維持する心構えが必要です。

しかし、6割減を長期間にわたり持続することは、経済への影響が甚大です。

国や自治体からの継続的な対策と支援が必要です。

また、6割減ではなく、5割、4割と社会・経済活動の制限を緩和するために、次の対策が必要です。

・感染者の同定と隔離


・医療や介護体制の整備


・ワクチンと治療薬の開発と大量製造


提言3 感染者の同定・隔離システムを充実させよう


誰が感染しているかわからない状況でRを1程度にするためには、国民全体が人と人との接触を6割減らす必要があります。

しかし、感染者を同定・隔離することによりRを効率よく減らすことが出来ます。

R=2.5の時、10名の感染者から25名の2次感染者が生まれます。

しかし、10名のうち4名を同定し隔離することにより2次感染を予防すると、残りの6名から15名への2次感染がおこります。

Rは1.5に減ることになります。クラスター対策の重要性は効率的にRを減らすことであると言い換えることが出来ます。

PCRや抗原検査を拡充することにより感染者を見出す割合を増やすことが出来ます。

感染者の多くは、入院の必要のない軽症や無症状の方です。

これらの方を快適、安心に隔離することのできる宿泊施設の体制強化も必須です。


提言4 医療や介護従事者を守ろう


中等症や重症の患者さんを治療するベッド数や医療従事者の数が増えることにより、Rが1より少し大きくても医療制度を維持することが出来ます。

発熱外来、中等症専門病床、重症専門病床の役割分担が必要です。医療体制と同様、介護体制の充実も必要です。

・医療や介護現場における検査体制を強化し、クラスター発生を予防


・医療従事者や介護職員に対する防御具や手当の充実


・医療従事者や介護職員に対する偏見、差別の撤廃が求められています。

 

提言5 ワクチンと治療薬の開発・大量製造を推進しよう


ワクチンは感染を予防し、Rを効率よく減らします。

治療薬は、感染者の重症化を減らし、医療や介護への負担を減らします。


研究者や製薬企業はワクチン・治療薬の開発にあたり、競争よりも協調を重視。


国は審査や承認にあたり、前例にとらわれない迅速な対応。


製薬企業は、世界を見据えた大量製造の準備を整備。


が求められています。

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転載終わります。

 

太字、アンダーラインは、岩清水です。

山中教授が新型コロナウイルス対策に中心に据えておられることはいかに感染を抑えるか=Rの抑制ですね。

Rは「油断」という心のスキをついて私たちの大切な人々を奪ってしまうのです。

 

学んだこと。

・クラスター対策の重要性は効率的にRを減らすことは、理解しやすい指標です。

・感染者の同定と隔離は、やはり検査の拡充が前提です。

・ワクチンや治療薬の開発と製造

ことは簡単ではありません。数十億人分のワクチンが短期間に製造できるのでしょうか。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。


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