岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『オランダの光』を楽しむ。

2010-09-21 23:03:14 | 世界のなかま



DVDコーナーを観ていると、興味をそそられる映画を見つけることができる。
なるべく、米国以外の国から探すようにしている。

映画を観るのは「世界を知る比較的簡単な手段」であるため。
例えばアフリカの国々や中東の国々は訪問したことがないので
とても参考になる。

しかし、訪問した国だって、ほとんど知らないに等しい。
で、先日、『オランダの光』を観た。
とても私好みの映像です。

テーマは、かつて「オランダの光」という独特の色彩があったというのは
有名な話だが、今でもあるのかという問いからこの映画はつくられた。

1970年代にドイツ人によって、「オランダの光は死んだ」と言われたのだ。
それは、巨大なエイセル湖が干拓で小さくなるとともになくなったと。

オランダの光にエイセル湖が関係するのだ。
オランダの光とは、水蒸気の多い雲に湖面の光が反射し、独特の色彩になるのだから湖面が狭くなったら、
なくなるというわけ。

でも、今でも狭くはなったがエイセル湖はある。
そこで、湖畔にカメラを設置して再現性のよいフィルムを使って撮影した。
それがフジフィルムというところが日本人には嬉しい。
富士のブルーは自然で美しい。
なにしろ、オランダの光はとても繊細で映像になるかさえ疑問なのだから。

しかし、湖面の風景だけでは味気ない。美術史家や芸術家や学者が様々は話をしてくれる。
これがとても知的で面白い。

だが、監督のこの映画の狙いはという問いの答えは意外だった。

「テーマは注意力」ですよ。

そういえば、確かにそうだ。
注意力がなければ、オランダの光なんて、問題にもならないだろう。

「オランダの光」は、私たちのどこにもでもあるんだ。


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