岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

介護保険2005年改正」の総括へ(4)。

2007-12-11 22:48:49 | 地域包括支援センター
地域包括支援センターに担わされていること。

少し基本的な話から。
地域包括支援センターという名からは、文字通り
地域を包括して支援するところというイメージがある。

しかし、このセンターが担う業務の中心は、
「介護予防ケアマネジメント」である。

これは、居宅支援事業所のケアマネの業務と
ほとんど同じだ。
ケアマネ業務は要介護者の介護支援計画(ケアプラン)の
作成と給付管理である。
そして、給付管理と言うのが実はミソなのである。
必要でない(と思われる)サービスは使わないとケアマネは
判断できる権限がある。
しかし、居宅支援事業所とサービス事業所は併設されている
ことが多いこともあって、ケアマネは自社の都合を優先するきらいが
ある。

と思っただろう厚生労働省は、
「2005年改正」でケアマネ業務の適正化を図った。
そして、要支援者のケアマネ業務を地域包括支援センターに移した。

ケアマネは、要支援者のケアマネ業務を取り上げるというムチと
ともに、担当する要介護者の給付管理費を上げるという飴を
もらった。
それまで一律月8000円だったのが、要支援4000円、
要介護1~2:10000円、3~5:13000円となった。

ケアマネの業務は要介護者に特化した。
これがいわゆる民間のお仕事。
新設の「要支援者のケアマネ業務」は、市町村直営が基本の
公営となった。
当市では、認定者の約3分の1の人が「官」管轄になった。
なお、この3分の1は、厚生労働省のモデル数値だ。

この延長線上に、ケアマネ業務は、「官」に大政奉還するのか。
そうすれば、経費削減になることは間違いない。
ケアマネはどうなる。
「官」が雇うのである。委託者として。
ケアマネ業務費用は、介護給付費の1割近いと思う。
これが地域包括の業務になれば、費用は少なくとも3分の2に
なるだろう。うまくやれば半減するだろう。
その場合は、ケアマネ数も半数近くになるだろう。
今、ケアマネの担当数は35件だが、地域包括に担当数の
制限はない。
要介護も制限をなくするという荒業も可能なのである。

要支援のケアマネが保健師や社会福祉士でできている現状を
みれば、ケアマネを特別視することはないのだ。
在宅介護支援センターが、行き場がなくなったようなことが
ケアマネにもおこるかもしれない。
厚生労働省は自ら作った資格制度を、ヘルパー資格同様
捨ててしまうことも考えられる。

地域包括という組織は、ケアマネにとっては脅威であるはずだが、
そのことに気がついているのだろうか。当のケアマネは。

相手が国となれば、相当な想像力が我々には要求されるのである。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
重い内容を読みました (bonn1979)
2007-12-12 12:04:07
これまでの4回の「総括」
を受けて
私の感想を私の土俵のほうに
書いてみました。
不勉強で
十分咀嚼できませんが
「格闘すべき」テーマと考えています。
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